JR常磐線(営団地下鉄千代田線直結の各駅停車)金町駅下車の場合。改札を出て右折、駅下通路を通り、南口駅前ターミナルに出ます。左手方向にバス乗り場、中程がタクシー乗り場、右奥の建物が京成金町駅です。
「電車で」:
京成電鉄京成金町線(1時間に通常3本、朝夕5本程度)で京成金町駅から約2〜3分ほどで「柴又駅」に到着します。京成金町線柴又駅は関東の駅百選の第1回選定駅(1997年)の一つです。
  JR金町駅南口
「バスで」:
京成バス南口1番から「小岩駅」行き路線バスで「帝釈天」バス停留所まで(金町駅発京成バス時刻表
「タクシーで」:
金町駅南口(京成側)でタクシーに乗車し「帝釈天」まで10分ほど
京成金町駅
 
大きな地図で見る
「徒歩で柴又街道を往く」:
JR金町駅南口から京成金町線に沿って歩き、水戸街道(国道6号線)を渡ります。この交差点は、上部に国道、地上に国道と金町駅から柴又街道への道、そして京成金町線の線路が交差しています。京成金町線に沿って柴又街道を小岩方面へ歩きます。途中左側には首都圏へ水を供給する東京都水道局金町浄水場(大正15年運転開始)があり、続くフェンスが敷地の広大さを物語ります。柴又帝釈天参道の門まで約20〜30分ほどの行程です。
  国道6号交差点
ここは、1899年から1913年迄、金町と柴又約1.4km間で帝釈天への参拝客を運ぶ人力の帝釈人車鉄道が運行していました。定員6人の客車を一人の押し手が押して運び、庚申時は1日1万人前後の参拝客がおしかけたといいます。現在は、同じ線路用地に、帝釈人車鉄道の事業譲渡を受けた京成電気軌道、いまの京成電鉄金町線が走っています。まっすぐ続く線路が当時の人車鉄道の面影を伝えます。(画像は懐かしの京成3200形電車旧赤電色)   京成金町線
「徒歩で江戸川の土手を往く」:
金町駅南口から京成金町線沿いに歩いて水戸街道(国道6号線)を渡り、歩道を左(松戸方面)へ向かいます。国道沿いにしばらく歩き、住宅街の突き当たりにある階段を登ると新葛飾橋がかかる江戸川の堤防に出ます。
堤防を右に江戸川下流方向へと向かうと、金町浄水場の取水塔が2つ見えます。映画「男はつらいよ」でもたびたび出てくる取水塔は、とんがり帽子(昭和16年竣工)と丸帽子(昭和39年竣工。以前は平らな陸屋根)の形で、水面に映る姿がなかなか素敵です。進行方向右手に目を転じると、新たに東京名所となった東京スカイツリー(2012年開業。全高634mは電波塔・自立式鉄塔として世界第1位、建造物として世界第2位)も見え、江戸川の土手を挟んだ新旧・高低の「塔」の面白い競演が見られます。
  金町浄水場の取水塔
土手を下りると、江戸川河川敷を歩くこともできます。川岸では、釣り糸を垂れる人や犬の散歩をする人、そして、ゆりかもめや鴨、カワウをはじめとする野鳥、アヒルなどとも出会えるかもしれません。   野鳥
金町浄水場を過ぎたあたりの川岸に矢切りの渡しがあります。伊藤左千夫の小説「野菊の墓」(1906年)に出てくる矢切りの渡しと、対岸が小説の舞台になった矢切(千葉県松戸市)です。矢切の渡しは、徳川幕府が設けた渡し場のうちの一つで、江戸時代初期から歴史があり、昭和の歌謡曲「矢切の渡し」で広く知られるようになりました。葛飾柴又と千葉県松戸市下矢切間を毎日運行(12月〜2月は土日祝と庚申に運行)、乗船料は片道100円。また、対岸正面の矢切から右手に見渡す下総台地の松戸(下総国相模台)から市川(下総国国府台)にかけては、戦国時代に里見氏(のち滝沢馬琴の南総里見八犬伝に物語られる)や足利氏、真里谷氏(上総武田氏)と北条氏ら戦国武将が国府台合戦をした歴史ある一帯でもあります。北条氏ら武将達はこの柴又あたりから浅瀬を選び、対岸へ渡ったのかもしれません。(国府台城址里見公園)   矢切りの渡し
江戸川   山本亭と柴又帝釈天
堤防をそのまま先へ進むと柴又公園に至り、さらに奥まって地上に下りると寅さん記念館に至ります。大船撮影所から移設された映画「男はつらいよ」の「くるまや」の撮影スタジオをはじめ、映画の名場面、寅さんの資料も展示されています。入館料500円 (寅さん記念館&山本亭セット料金550円:当日窓口販売)。中庭に面した無料休憩所では、柴又関連の資料が展示されるほか、中庭とともに様々なイベントが催されます。記念館の向かいにはレンタサイクルセンターがあり、水元公園へサイクリングも楽しめます。2012年12月15日、山田洋次ミュージアムがオープン。映画「男はつらいよ」の山田洋次監督の映画づくりへの思いと歴史を堪能できます。   寅さん記念館
矢切の渡しが見えたあたりの土手から柴又帝釈天に向かう場合は、ここのスロープを下り、金町浄水場裏の信号を渡ります。さらにスロープを下り、料理屋「川甚」前を道なりに右方向へ渡ります。ここまで来たら、柴又帝釈天はもう目の前です。川甚入り口の先に、山本亭の看板が見えます。   金町浄水場裏の信号
山本亭は、実業家 山本栄之助氏の旧邸宅で、大正時代から昭和初期にかけて建てられた書院造りと洋風建築を複合した和洋折衷の建物です。書院造りの室内と庭園、ステンドガラス窓を用いた洋間や洋風長屋門、土蔵や別棟の茶室など、度重なる改修と新築によって築造されてきました。東京都選定歴史的建造物。敷地内は、柴又帝釈天側と柴又公園・葛飾柴又寅さん記念館側に通り抜け可。書院庭園を眺めながら喫茶できるので、お休み処としてご利用されるのも良いかもしれません。入館料100円(寅さん記念館&山本亭セット料金550円:当日窓口販売)。   山本亭
山本亭の入口看板や駐車場を通り過ぎ、少し歩いたあたりの左側が帝釈天です。左手に大鐘楼が見える信号で左折すると帝釈天境内の入り口・二天門に至ります。このコースは、広い空とゆったり流れる江戸川、映画「男はつらいよ」で寅さんが佇んでいた江戸川の土手、金町浄水場の取水塔や東京スカイツリーを見ることができます。   そして、小説「野菊の墓」に出てくる矢切りの渡しと舞台になった矢切の地、松戸から市川にかけての下総台地を江戸川の対岸に臨むことができ、帝釈天、山本亭、葛飾柴又寅さん記念館にも行けるのんびり散歩向きです。柴又駅から帝釈天に向かった方も、参拝後にコースを逆に江戸川に向かい、周辺を散策がてら、土手に腰掛けて草だんごを食べるなんてのもよろしいですね。(2007年3月27日初稿、2012年12月15日加筆)
 

葛飾柴又瓦版帝釈天参道柴又帝釈天庚申アクセスと周辺案内行事葛飾花だより 堀切菖蒲園寅さんの夕べ
寅さんを送る夕べ:寅さん列車帝釈天参道献花セレモニー渥美清さん13回忌献花式
「男はつらいよ」野外上映会 123