発明に取り組み、成功させるコツとは何だろう?
発明成功者をみていると、仲間や夫婦で楽しんでいる人がほとんどだ。最近もパートナーシップを生かして商品化に成功したのが、当会会員の石川武さん、美佐子さん夫婦(坂戸市)。

その商品とは、平たいネットを冷蔵庫の仕切り棚の下にハンモックのように下げ、そこに小物を収納するという「冷蔵庫ハンモック」。石川武さんは、以前「水切りブレード付洗車ブラシ」が商品化された件を紹介したので、ご記憶のある方も多いだろう。そんな夫の活躍や発明品の数々をみて、美佐子さんにも発明意欲がムクムクと沸き上がった。

美佐子さんは、冷蔵庫内の使われていない空間に着目。棚の下に仕切りをぶらさげて小物を収納するという発想をした。ハンモックのイメージから試作を開始したが、様々な棚に対応する必要がある。そこで、武さんに相談し、フックの先に吸盤を取りつけられる提案をしてもらった。

これを企業に売り込んだところ、権利前2%、権利後3%という条件で採用が決まった。

発明とは、「物」を考えることだけでなく、人生を楽しくする潤滑剤ではないだろうか。そう考えたとき、夫婦それぞれが発想を楽しみ、商品化に結び付けた石川さん夫婦は、発明家の理想といえるだろう。