アイデアは、愛情の表現であり、相手への思いやりが創意と工夫になって具体的にあらわれてくる、といわれる。

安藤誠さん(東京都)は、日頃の高血圧症が原因で、今から12年前に一過性脳溢血性発作で倒れた。一命はとり止めたものの病院の薬が体に合わず、安藤さんは飲もうとしない。

そこで、妻のやす江さんは「なんとか薬に頼らずに血圧を下げる方法はないか」と研究を始め、血圧に関する書物を読みあさり、家庭療法を続けた。

暗中模索の中でたどりついたのがニンニク。含有されるアリシンは栄養源になり、血圧を下げる。臭いが少なく柔らかいニンニク開発を思い立ち、数年の歳月をかけてつくりあげたのが「にんにくの甘納糖」。

外観は甘納豆とまったく同じで、独特の臭いも少ない。しかも柔らかいので胃の負担がなく食べやすい。

この「にんにくの甘納糖」のおかげで元気になった誠さんは、これを夫婦で商品化し、高血圧症などで悩んでいる人々にお役に立ちたいという。

まさに夫婦愛から生まれた「愛情発明品」である。