平成9年4月1日から、商標法の一部改正が施行される。そこで、大衆発明家に直接関係する「手続き」を中心に改正のポイントを述べていこう。

1. 願書形式の変更
(1)願書に「1. 商標登録を受けようとする商標」という欄が新しく設けられ、その下の8cm×8cmの枠内に直接、商標を記載できるようになった。
(2)「1. 指定商品(指定役務)・・・」の欄が「2. 指定商品又は指定役務・・・」と番号が変わり、カッコ書きがとり除かれ、商品及び役務の区分を複数記載できるようになった。
(3)「商標登録出願人」の欄の「業務」の記載が削除され、「・・業」などと書かなくてよい。
(4)「添付書類の目録」の欄の書面の副本表示が・・・4通という表示だけになった。
(5)従来必要だった願書副本2通は不要になった。

2. 商標見本の記載の簡略化
今回、従来必要であった8cm×8cmの白紙を用いなくても、直接願書に8cm×8cmの商標を表示する枠を設け、その枠内に記載することができるようになった。その際、A4判白紙の上部に「商標登録を受けようとする商標を表示した書面」と記載し、それを4通作成する。

3. 出願書類のとじ方
以上を整理した改正後の出願書類のとじ方は左下図のようになる。

4. 出願手数料
商標の出願手数料は1件につき6,000円、1の区分に月15,000円になった。したがって通常は21,000円である。同じ商標を他の区分にも指定できるので、
2区分指定 > 6,000円(手数料)+(15,000円×2)=36,000円
3区分指定 > 6,000円(手数料)+(15,000円×3)=51,000円
となる。


[従来の形式]

[改正後の新形式]

[商標表示書面]
5. その他
従来、願書正本に添付する商標見本に割印が必要であったが今回の改正で削除された。
また、願書正本に添付する商標見本3通との間の割印も必要でなくなった。

[図:出願書類のとじ方 - 改正後のパターン]

このように従来に比べて手続きは簡略化されたが、次回、他の形式について説明していく。