横浜ベイクォーターを訪ねて (日本・横浜)

2006年9月13日

 2006年8月24日にオープンした横浜ベイクォーターを訪ねてきました。あいにくの小雨の平日の午後に行きまし横浜ベイクォーター風景たが、オープンしてまだ3週間余りということもあり、オープン効果も影響しているのか、あいにくの天候にもかかわらずけっこう込んでいました。

 横浜ベイクォーターは、JR横浜駅近くにオープンしました。JR横浜駅東口から百貨店の横浜そごう店内を抜けて、歩行者専用橋で運河を渡った先にあります。一番上の画像からご覧頂けます流線形の白いデッキが重なる外観は、国際港の横浜らしく、豪華客船をイメージしたデザインになっています。

 一番上の画像から、少し見にくいかも知れませんがデッキ上にテラス席を設けているレストランが数多く見られます。豪華客船のデッキで食事している雰囲気を演出しています。眺めもよく、一番上の画像の右上に見える工事中の建物は、みなとみらい21地区で、工事中の建物の右側には高層ビル街が広がっており、一望できます。

 横浜ベイクォーターには、物販34店、サービス13店、飲食28店の計75店のテナント(2006年11月時点)が入っています。のちほど主なテナントを紹介しますが、ターゲットは女性を狙っています。キーコンセプトには、「時間(時間消費)」を掲げています。自然、癒し、リラックスできる時間などを重視した施設づくりとなっています。

 横浜ベイクォーターの建っている場所は、元三菱倉庫の横浜支店跡で、先頃まで駐車場でした。バブル期には、伊勢丹が日本最大級の百貨店建設を計画したこともありましたが、バブル崩壊で立ち消えになりました。横浜ベイ横浜ベイクォーター風景クォーターは、地主である三菱倉庫自身が子会社を設立して運営しています。

 横浜ベイクォーターの総合プロデュースは、サンストリート(東京都江東区)、 アスナル金山(名古屋市)などを手掛けた北山創造研究所です。サンストリートは、8年ほど前にオープンした頃に行きましたが、自然な感じで、新たなコミュニティを生み出すような感じを受けた印象が残っている好きな施設です。私自身、数々の北山創造研究所の設計は評価しており、青空市場や散策の楽しさを強調し、商業開発を成功させていきた設計事務所です。

 日本の大型商業施設は、まだまだ百貨店を含め、外界を遮断した箱の内部に「別世界」を展開するものが多いです。米国では、こうした「ビックボックス型」施設はすでに飽きられ始めているそうです。たしかに、かれこれ9年ほど前に行ったアメリカの「モール・オブ・アメリカ」などはまさにビックボックス型だったことを思い出しました。今回の横浜ベイクォーターはじめサンストリート、アスナル金山を手掛けた北山創造研究所の設計は、実際の街を散策するような気分を味わえるオープンエア型の施設となっています。ビックボックス型からより自然なオープンエア型の施設へと人気が移っているようです。

 横浜ベイクォーターを運営する横浜ダイヤビルマネジメントは年間1千万人の集客を見込んでいます。先ほどキーコンセプトを「時間横浜ベイクォーター風景(時間消費)」と紹介しましたが、その目玉となるのが、6階、7階の2フロアーにわたるタランソラピー(海水を用いた健康・美容)施設の「テルムマラン ヨコハマ ベイ」です。7階は、温海水の多機能プール「アクアトニック」やスチームサウナがあるスパフロアになっており、6階は、タランソラピーなどのトリートメントが受けられるキャビンやゆったりくつろげるドリンクバーなどがあります。

 6階は、ビューティプログラムが受けられる個人キャビンの他に、スチームサウナやジェットバスを備えた特別室・デラックスキャビンがあります。アクアトニックの温水は、伊豆駿河湾沖で毎日汲み上げた海水を35度に温めて使用しています。ビューティプログラムを受ける前に利用すれば、より高いトリートメントが期待できるそうです。テルムマランは、フランスを本拠地とする高級タランソラピースパで、日本では3軒目の開業で、都市型立地では初めてとなります。

 その他、健康系施設では、高濃度の酸素を吸いながらマッサージを受けられる店、「A.P.バランス」を整えてくれる整体サロンカラダファクトリー、千葉麗子プロデュースのヨガスタジオのヨガッタ、岩盤浴スパフィネなども入居しています。愛犬家の増加を見込み、犬と一緒に楽しめるドックカフェ、犬のしつけや食べ物について相談を受け付ける「ドックライフカウンセラー」が常駐するドックホテルもあります。

 また、お子さんを預かってくれる託児所もあり、プライマリーケア(日本人保育スタッフによる一時預かり)のほか、外国人保育スタッフが常駐しているバイ横浜ベイクォーター風景リンガル託児サービスも行っている懲りようです。お子さんを預けて、ゆっくりレストランで食事やスパなどでくつろいでもらおうという気遣いでしょうか。たしかに、小さなお子さん連れのベビーカーをひいたお母さんとお子さんのグループもけっこう目につきました。

 上から2番目の画像は、横浜そごう店内を抜けて、歩行者専用橋で運河を渡った入り口部分にあたるゲート広場を写したものです。多くの人で賑わっている様子がご覧いただけると思います。画像からは少しわかりにくかも知れませんが、女性グループ、お子さん連れの若いお母さんたちたちでほとんで占められていました。ゲート広場の周りには、飲食、カフェが広がっており、ワゴンの店舗もでており賑わいがあります。画像上から見える店舗は、ビュッフェレストランの「柿安三尺三寸箸」です。その隣に少し見えるのが飲茶・点心の「HONG KONG CAFE」です。

 上から3番目の画像は、ゲート広場の上層階部分のエスカレーターを写したものです。吹き抜けで自然光が入ってきて、明るい雰囲気を醸し出しています。上から4番目の画像は、オリエンタル雑貨の「karako」の店頭部分を写したものです。店内は、女性であふれていました。その他、栗原はるみさんプロデュースの料理と雑貨の「ゆとりの空間」、欧州などの高級インテリアの「アクタス」、小型デザイナーズ液晶テレビの「ハンスプリー」、高級ブランドの輸入自転車の「インポート バイシクル ファクトリー」、オイスターバーの「キンカウーカ」などがあります。

 また、2階からはシーバスという船も出航しています。シーバス乗り場も見に行きましたが、待合所にもけっこう人がおり、乗ら横浜ベイクォーター風景れる方も見られました。横浜駅東口〜MM21〜赤レンガ倉庫〜山下公園まで、海からの風景を眺めながら移動することができ、ちょっとしたクルーズ気分が味わえます。シーバスは、10時から18時までは1時間に4本(12時台のみ2本、19時台は1本)出航しており、それほど待たなくても乗ることができます。8月後半から10月末までは、毎日、夜の横浜港をシーバスでクルーズする「シーバスナイトクルーズ」も行われており、ライトアップされた横浜ベイクォーターを海から眺めることもできます。

 今回、紹介しています横浜ベイクォーターを取り巻く横浜駅周辺地区をみていきますと、横浜市では、活力ある都市を目指して都心、副都心、地域拠点の整備によるバランスある都市機能の強化、交通基盤整備を進めています。背景には、横浜は各種アンケートで住みたい町の上位にランキングされ、人口は、大阪市を抜き、東京23区に次ぐ全国2位の人口を擁する大都市でありながら、就業や経済活動の東京への依存、急速な都市化による都市基盤整備の遅れなどの課題を抱えていることがあります。

 横浜駅には、JR東日本含め6社8路線が乗り入れ、乗降客数は1日200万人を超えています。旧来の商業集積地である西口には、高島屋、相鉄ジョイナスなどありますが、三越が撤退するなど衰退傾向にあります。一方、海側の東口には、そごう、丸井に続き、今回紹介しています横浜ベイクォーターが開業して、勢いを増しています。

 また、横浜ベイクォーターの海を挟んだ向いにある同エリアの延長線上のMM地区には、日産自動車本社、富士ゼロックスの研究開発拠点、セガのアミューズメント施設の進出が決まっています。従来、駅周辺地区は、東口と西口とが対立する構図にありましたが、活力を維持し、発展させていくためには、もっと広い視野にたった相乗効果を高めていく必要があると言えます。

 東京、横浜含む首都圏は、ここ数年、大型の再開発が進んでいます。来春(2007年3月30日予定)には、六本木の防衛庁跡地に東京ミッドタウンが完成します。敷地の4割を公園などの緑地で占めるゆったりした空間が出来上がる予定となっています。まさに、今回の横浜ベイクォーター同様、ビックボックス型ではなくオープンエア型の施設です。東京ミッドタウンは、六本木駅を挟んだ向い(約500メートルしか離れていません)にある六本木ヒルズと、互いにパイを食い合う競争となるのか、それとも相乗効果となるのか見物とも言えます。東京ミッドタウンは、年間売り上げ目標を250億円に掲げています。

 データ比較:東京ミッドタウン(かっこ内は六本木ヒルズ):総事業費:約3700億円(約4900億円)、商業テナント数:約130(約230)、住戸数:約520(約800)、敷地面積:約10万平方メートル(約11万平方メートル)、オフィス床面積:約18万平方メートル(約18万平方メートル)、中核ビル:ミッドタウン・タワー54階248メートル(森タワー54階238メートル)

 変わりゆく首都圏ですが、そのなかでも、大改造とも言える都市再生が進められているのが今回紹介しました横浜駅周辺です。現在進行形の横浜の一環として誕生した「横浜ベイクォーター」を周辺地域を含めて見に行かれてはいかがでしょうか。

※文中で紹介しているテナントは、2006年11月時点のものです。その後のテナントの入れ替え等には対応しておりませんので、その点ご了承ください。

By Nagura

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