ヤマトストアー(食品スーパー) (日本・愛知)

視察日:1998年8月22日

 ヤマトストアーは、豊橋と豊川に店舗を持つ地域食品スーパーです。今回は、友人が店長をやっている豊橋吉田方店ヤマトストアーイメージに行ってきました。豊橋市街地から国道23号線を西(三河港の方)へ車で5分ほど行ったところにあります。

 150坪ほどの店内には、生鮮3品(青果、精肉、鮮魚)、ベーカリー、惣菜、米、酒、菓子類などところ狭しと並べられていました。また、同じ敷地内には、持ち帰り寿司のやまと寿司もあります。
 土曜日の昼ごろに行ったのですが、駐車場もけっこう埋っており、お客さんが入っていました。ちょうど、広告を入れた日であり、タイムサービスの時間帯と重なっていたこともあって、込み合っていたようです。また、明日の日曜日には、恒例の焼きたてパンの100円均一をやっており、フランスの田舎菓子の「クイニーアマン」も並べられるそうです。

 店内は、地方都市でごく一般的にみられる食品スーパーと同様、いい意味で少々雑然とした中に、落ち着きというか心地よさが感じられます。土曜日ということもあり、主婦層に混じって、おじさんの姿もちらほら見られました。
 レジには、お客さんが並んでおり、店員の「ありがとうございました」という明るい声がこだましていました。元気の良い店員が目につき、フレンドリーな雰囲気が伝わってきました。

 店長に話を伺ったところ、青果が充実していてなおかつ安いということでした。この近くの他のスーパーでも言えることですが、愛知県は産地ということもあり安く新鮮なものが手に入るようです。すぐ隣の浜松市(静岡県)に行くだけで、かなり青果の値段が高いそうです。ヤマトストアーイメージ

 豊橋地区に関わらず、愛知県全体を見渡しても、ここ最近、出店も活発に行われおり、商業環境も厳しくなってきています。愛知県下でも今までは、地元に地盤を置く大手スーパー、百貨店が握っていましたが、関東、関西など他の地域に地盤を置く企業が続々進出してきています。
 最近、愛知県下で地盤固め(ドミナント戦略)が着々とすすんでいるのがイトーヨーカドーでしょう。愛知県下で低かった知名度もここ数年でかなりアップしていることと思います。そして、そろそろ同系列のコンビニエンスストアの「セブンイレブン」も出てくることも予想され、セブンイレブンが出てくる前に、もっと地盤固めをしておきたいのがユニー系列の「サークルK」でしょう。

 少し食品スーパーと話がそれてしまいますが、次いでに最近の百貨店の動き(見所・着眼点)も併せて紹介しておきます。
 三越では、今秋から全国15店のうち10店について規模や地域特性に応じて業態変更を実施します。赤字が続いている横浜、大阪、倉敷の3店については99年度までに収益改善が進まなければ閉鎖も検討するという強い姿勢です。現在のすべての店舗が幅広い商品を扱う「総合型」に加え、商品を絞り込む「特化型」、外部に売り場運営をゆだねる「専門大店型」の3つのタイプに分け、規模や地域特性に応じて展開していく模様です。
 大丸では、「良質な市街地コンビニエンスデパート」をコンセプトに基幹店の周辺に衛星店のような小型店舗を複数店展開しようとしています。京都市街の中心にある京都店を母店として後方業務のローコスト化、パート比ヤマトストアーイメージ率の引き上げに取り組み、相乗効果で利益のでる体制を整えようというものです。小型店舗の1号店として1998年10月3日に山科店(京都府山科区)がオープンします。小商圏を設定しており、デイリー性が高く、生活をより楽しくする商品を揃える模様です。
 東北地方を拠点する地方百貨店の中三では、郊外型百貨店の確立を模索をしています。ジャスコが秋田市郊外に展開するイオン秋田ショッピングセンターに1997年10月に核店舗としてオープンしたのですが、業績が思ったように伸びていないようです。1999年4月にイオン下田ショッピングセンターに出店する計画も1999年秋以降に延期し、じっくりと秋田店の検証をする模様です。方向性としては、観光地型の店づくりを模索しているようです。
 愛知県でも、2000年4月に岡崎市にオープンするイオン岡崎ショッピングセンター(現在のジャスコ岡崎南店を拡張して)に、西武百貨店が郊外百貨店として進出します。今までの市街地・駅隣接の都市型百貨店では、高い集客力による大きい売り上げによって経営が成り立ってきましたが、郊外型百貨店では、小さい売り上げでも十分採算がとれる経営が求められます。従業員がたくさんおり、質の高いサービスを売り物にしてきた百貨店ですが、生き残りをかけ“新システム”の確立に各社凌ぎを削っています。

 最近まで、飛ぶ鳥落とす勢いのあった大手スーパー(GMS)も一時の勢いは失ってきていますし、百貨店も従来の都市型であらゆる商品の品揃えをする方向性オンリーから、新たな試み・模索を始めています。地域食品スーパーが大手スーパーの進出によって淘汰されていくという短絡的な時代でもなくなってきています。
 今こそ、地域食品スーパーの新たな位置づけとしての試みを始める時でしょう。
 このような小さな地域食品スーパーこそ、「地域密着」「気持ちの良い接客」「独自な視点からの品揃え」など小回りのきく利点を生かして、がんばっていって欲しいものです。ここヤマトストアーでも近くに大手スーパーが進出してきた時に、当店が予想した売上減よりは影響が少なくすんだとおしゃっていました。それだけ、地域にファンがついており、地域密着型の経営ができているのでしょう。

 そして、やはり一番重要となってくるのは“人”であり、接客だと思います。ヤマトストアーでも若い元気のよい明るい従業員の姿が見られました。この間、テレビを見ていましたらスーパー、百貨店などの小売業を対象とした接客コンテストで接客ナンバー1となった北海道のあるボディーショップの女性店長の接客の様子が紹介されていました。見ていて、つかず離れずのお客様の心理をも読み取った気持ちのよい接客には感心いたしました。接客というのは、その人の人間性そのものを表しているのでしょう。

By Nagura

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