ウォルマート(アメリカ・カリフォルニア州)

視察日:1997年9月30日

 ウォルマートは、アメリカ小売業ランキング1位であり、ディスカウントストアチェーンとしてもKマートを抜いて業界第1位となっています。1996年度売上高1,061億ドル(内DS部門が555億4,000万ドル)、純利益30億ドル、店舗数1,947ウォルマート イメージ店舗、加えてスーパーセンター336店舗、従業員70万人を超える最大手ディスカウントストアチェーンです。

 日本で一般にディスカウントストアというと、格安の店を多くの人が思い浮かべることと思います。しかし、実際にアメリカにおける本来のディスカウントストアを見るとまったく別ものであることに気付かされます。日本のディスカウントストアは、価格が安いという一面だけをもってきたという感じです。今、ウォルマートはスーパーセンター、サムズクラブ、エコマートなど新業態を進めていますが、従来からあるディスカウントストアとしてのウォルマートは、イメージ的に日本でいうホームセンターに衣料品を加えた感じです。

ウォルマート イメージ 今、価格面だけを追及してきた日本のディスカウントストアは、厳しい状況を迎えており、質的な転換が迫られています。しかし、本来のディスカウントストアとしてのウォルマートをみると、価格の割安感は当然のことであり、その奥には生活をカバーする品揃えのしっかりしたワンストップショッピングができる店づくりができています。日本のディスカウント業界は、この奥にある考え方、価値観を輸入せず、見ためだけの表面の価格面だけを輸入してきたところに失敗があったように思われます。ウォルマート イメージ

 ウォルマートよりもっと価格面を割安に提供しているのが、ホールセールクラブのサムズクラブです。これは会員制の卸売業です。本来会員制ですが、視察・旅行者等に対しても、無料で1回限りの会員カードが発行され、買い物をすることができます。日本でもホールセールクラブとしてダイエーのコウズが展開しています。

 また、21世紀の主流となる業態を睨んでいろいろ店舗が展開されています。今勢いにのって店舗展開されているのが、従来のディスカウントストアのウォルマートに食料品を加えたスーパーセンターの展開です。これからの主流となると大方の人がみています。

 もうひとつが、環境にやさしい店舗を目指したウォルマート・エコマートです。これはまだ、多数店舗展開を進めておらず実験店舗的な位置づけとなっていますが、新業態としてのフォーマットが確立できれば展開されていくと思われます。具体的にエコマートは従来の店とどう違うのかというと、視察してきましたがぱっと見た感じではそんなに変わりません。品揃えは従来のウォルマートと同じです。違うところは、天井を高くして、屋根にガラスをはめ込むことにより自然光を取り入れた点、リサイクルが展開されている点、電気自動車用の充電スタンドが駐車場にある点など細かく見ていけばけっこう違いがありますが、なかなか消費者には訴えきれていないように見受けられました。環境への取り組みというものは、はっきりと目で見えない面もあり難しさがあります。しかし、このようなはっきりと目で見えない面こそ重要なことであり、エコマートが受け入れられるようになった社会こそ、本当に豊かな社会のように思われます。今後の展開が楽しみです。

 ウォルマートが展開している様々な店舗を見てきましたが、共通して言えることは店に入って何となく心地良いことです。まあ品揃えがしっかりしているとか要因はたくさんありますが、全体的に細かいところまで気配りがされている点です。店の考え方、方向性など基本がしっかりしている点が安心感を与えているようです。

 また、今回のアメリカ視察全体を通してのコラム「'97アメリカ流通業視察を終えて」も合わせてご覧いただければと思います。

By Nagura

リターンイメージリターンイメージリターンイメージリターンイメージリターンイメージ