“うなぎパイ”ファクトリーを訪ねて (日本・静岡)

2006年2月11日

 静岡県浜松市(人口817,734人、303,962世帯、面積1511.17平方キロメートル:平成18年4月末現在)にある“うなうなぎパイファクトリーぎパイ”ファクトリー(工場)を訪ねてきました。“うなぎパイ”はご存知でしょうか。“うなぎパイ”ファクトリーは、浜名湖の近くにあり、いわゆる工場見学です。

 浜名湖うなぎの養殖の歴史は古く、明治33年に服部倉次郎氏、中村源左衛門正輔氏等が浜名湖岸に大規模な養魚場を設けたのが最初だそうです。その養殖技術は、現在「浜名湖養魚漁業協同組合」に受け継がれています。

 “うなぎパイ”ファクトリーには、うなぎパイの工場見学はもちろんのこと、工場直売店、うなぎパイをアレンジしたオリジナルスイーツが味わえるカフェサロンもあります。春華堂の“うなぎパイ”は、浜松の銘菓として今では全国的に知られています。春華堂は明治20年創業の老舗菓子店で、“うなぎパイ”が世に出たのは昭和36年のことです。社長の「浜松にないお菓子を作れ」という号令のもと始まったそうです。試作品のうなぎパイの社内の試食では、特に女性社員から好評だったそうです。発売当時の“うなぎパイ”は1本15円で、上生菓子が30円、ケーキが50円の時代であっただけに、かなり高級なお菓子として売り出したようです。

 現在の元祖とも言えるメジャーな一般的な“うなぎパイ”は、12本入りから48本入りまであり、1本あたり65.6円ほど(2006年5月現在)です。現在では、ナッツ入りのうなぎパイ、うなぎパイミニ、えび汐パイ、うなぎパイVSOPなうなぎパイファクトリーどもあり、なかでも、高級ブランデーの芳醇な香りとナッツの王様マカダミアンの風味を包み込んだ最高級のうなぎパイVSOPは、5本入りで787円で1本あたり157.4円(2006年5月現在)と一般的なうなぎパイの2.5倍ほどの価格となっています。

 有名な“うなぎパイ”のキャッチコピーはご存知でしょうか。“夜のお菓子 うなぎパイ”と付いています。ちなみに、さきほどの“うなぎパイVSOP”のキャッチコピーは、“真夜中のお菓子 うなぎパイVSOP”です。また、えび汐パイのキャッチコピーは、“昼のお菓子 えび汐パイ”です。夜、昼とくれば朝はないのだろうかと連想されると思いますが、なんと「朝のお菓子 すっぽんの郷」もあります。いろいろと考えるもので感心いたします。すべてのお菓子を詰め合わせた朝、昼、夜それぞれに楽しめる「フルタイム」というセットも販売されています。

 元祖“うなぎパイ”のキャッチコピーが、なぜ“夜のお菓子”と付いたのかご存知でしょうか。“夜のお菓子”というキャッチコピーで勘違いされて買っていかれる方も多く、発売当初、あんまりお客さんの反応がよくなかった青色のパッケージから、当時の「マムシドリンク」のカラー配色を参考にパッケージに変えたところ、これが大当たりして爆発的な売り上げのきっかけになったそうです。

 勘違いされている方も多いようですが、本来の“夜のお菓子”という意味合いは、当時(昭和36年)の時代背景から命名されたようです。当時の日本は、高度経済成うなぎパイファクトリー長の真っ只中で、その成長期において女性も社会に働きに出るようになり、子どもたちも学校・塾などで皆が家にいる時間が少なくなり始めていました。そんな中、夜の夕食だけは家族集まる団らんのひとときとして大切にされていた時間で、そんなひとときに“うなぎパイ”を囲んで楽しいひとときを過ごしてもらいたいと命名されたのが“夜のお菓子”というキャッチコピーです。

 前置きが長くなってしまいましたが、それでは、工場見学の様子を紹介していきます。工場見学は無料で、所要時間は約40分です。ある程度人数がいるようでしたら、事前に予約しますと、当日、ツアーガイドが付いて案内して頂けます。我々は20名ほどのグループで行きましたので、事前に申込んで、ツアーガイドの方に案内して頂きながら工場見学をしました。基本的に土日もやっており、工場のメンテナンスの時は休みになりますが、年間360日やっております。事前に春華堂のホームページ等で開館日をご確認の上、行かれることをお勧めします。また、事前予約がなくても、当日行って工場見学ができますので浜名湖観光の次いでにちょっと寄られてもいいと思います。その際は、ツアーガイドは付きませんが、ちょっとしたうなぎパイミニのお土産は同様にもらえます。

 一番上の画像は、専用釜で焼き上げているところをガラス越しに覗き込んでいる見学者を写したものです。ここでは、焼き上がる前の小さく折りたたまれたうなぎパイの生地が釜の中で大きく膨らんだ様子が見られます。本当に小さな生地が大きく膨らんだ様子は驚きです。しかし、膨らんでいく最中の様子はブラックボックスになっており、企業秘密なのか見れませんが、膨らむ前と膨らんだ後を見るだけでも驚きです。

 次に、2階に上がって、ガラス越しに工場の検品・包装ラインの全貌を見ることができます。上から2番目の画像が工場内を写したものです。そしてうなぎパイファクトリー、上から3番目は、ガラス越しに検品・包装ラインを眺めている見学者を写したものです。検品作業は、人の目でひとつひとつチェックしており、割れたり形のよくないものを取り除いています。手作業でやっているのがすごいです。割れたり形のよくないものは商品として箱詰めはされませんが、食べるには何の問題もありませんので、廃棄するわけではなく、工場直売店で格安でB級品として販売されています。工場見学前に直売店で見た時にあって、見学後に買おうと思っていましたが、既に売り切れていました。工場直売店ならではの格安商品だけに、人気があり並ぶとすぐに売れていくようです。

 そして、最後に映像でうなぎパイのおいしさの秘密を見るとともに、うなぎパイを作っている職人さんから解説をして頂き、職人さんと質疑応答ができます。上から4番目の画像は、映像シアターで、見学者が映像を見ている様子を写したものです。うなぎパイの一口メモとして、うなぎパイ7本分に含まれるビタミンAは、蒲焼き100グラムに含まれるビタミンAに相当し、元気回復、夏バテ防止、視力保持などに効果があるそうです。また、うなぎパイの隠し味として、少量のガーリックが入っているそうです。試作段階の“うなぎパイ”において、今ひとつおいしさに深みがないと職人たちが悩んでいたそうです。その時に、生臭さを消すための工夫としてガーリックを試したところ、現在売られている深みのある癖になるおいしさになったそうです。

 上から5番目の画像は、工場見学を終えてカフェサロンに入ろうとして賑わっている人々の様子を写したものです。ここでは、ううなぎパイファクトリーなぎパイの創作菓子を食べてきましたが、なかなかおいしかったです。店内は、現代和風の落ち着きのある雰囲気で、お茶処の静岡ならではの静岡茶とともに、和菓子、洋菓子などがそろっており堪能できます。

 また、“うなぎパイ”ファクトリーでは、地元で人気となっている春華堂“うなぎパイ”CMソング「うなぎのじゅもん」のCDも売られていました。驚くことに、数々のヒット曲があるあの小椋佳さんと姉妹ユニットのアルザが歌っています。もちろん作詞作曲は小椋佳さんです。春華堂と小椋佳さんの出会いは、小椋佳さんはもともと銀行員で、第一勧業銀行浜松支店の支店長だった時に、春華堂が取り引き先であったそうです。行かれた方は記念に購入されてはいかがでしょうか。発売されたのは2005年7月で、うなぎのじゅもん体操付きで、名古屋のテレビ局でも取り上げられた際に見たことがあります。なかなかユニークです。“うなぎパイ”ファクトリーでもビデオで流れていました。

 最後にお菓子でなくて、本物のうなぎの話題で締めたいと思います。浜名湖界隈には、本場ならではのうまいうなぎ屋さんも数々ありますので、うなぎパイの工場見学とともに食されてもと思います。また、当方の住んでいるエリアでは、名古屋飯でも有名になりつつありますが、ひつまぶしといううなぎのユニークな食べ方もあります。ひつまぶしは、うなぎの蒲焼きを1センチほどの短冊に刻んで、おひつの中に入れたご飯の上にまぶしたものです。一杯目はそのまま、二杯目は薬味を載せて、三杯目はお茶漬けでというように、お徳感というか得した気分になる食べ方が名古屋風と言えます。話が飛びますが、今は、シネマコンプレックスなどで1本立ての映画が主流ですが、私が子どもの頃は、名古屋の映画館に行くと、2本立てが当たり前で、懐かしい名古屋流をふと思い出しました。

 夏バテ防止のためにうなぎを食べるという習慣の今年(2006年)土用の丑の日は、7月23日です。また、今年(2006年)は二の丑まであり、8月4日が二の丑です。土用の丑の日は、江戸時代中後期に、売り上げ不振に悩んだうなぎ屋さんから、相談を受けた平賀源内(ひらがげんない)が「今日は土用の丑の日」と張り紙を出して宣伝し繁盛したことから始まったと言われています。(解説:平賀源内 1728年〜1779年 江戸中後期の本草学者、蘭学者(医者)、作家、発明家)今年(2006年)は土用の丑の日が2回もあり、うなぎ屋さんも繁盛しそうです。

 皆さんも機会がありましたら、浜松が育んだ子どもからお年寄りにまで親しまれているお菓子“うなぎパイ”の秘密を探りに“うなぎパイ”ファクトリーに行かれてはいかがでしょうか。予約なしで気軽に工場見学できますし、ちょっとしたうなぎパイのお土産ももらえます。観光バスもけっこうきており、観光ルートにもなっており、いわゆる産業観光の一つという感じです。工場見学は無料ですが、カフェサロンは大盛況で、なおかつ工場直売店もほとんどの人が購入していく様子が見られました。工場見学が単なる企業のピーアールだけでなく、しっかり商売につながっている点も垣間見られました。

By Nagura

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