中山道・妻籠宿 (日本・長野)

視察日:1998年9月27日

 妻籠(つまご)宿は、「木曽路はすべて山の中である」と詩われているように、本当に山の中にあります妻籠宿イメージ。位置的には、中山道の終わりであり始まりでもある宿の馬籠(まごめ)宿のひとつ手前にあります。さらに中山道を長野の方へ進んで行きますと、奈良井宿もあります。妻籠宿は、木曽の中でも南木曽にあたり、岐阜県に近く、車で来られる方は、中央道の中津川インターからですと30分ほどで着きます。

 ここ妻籠宿は、江戸時代の面影を色濃く残しており、まるで江戸時代にタイムスリップしたような情緒あふれる町並みが広がっています。江戸の昔には、多くの旅人たちが、ここを往来し、体を休めるために宿をとったのでしょう。その旅人たちが行き来した路を、今も多くの観光客が宿をとったり、歩いている姿を見ていますと、当時のにぎわいが伝わってくるようです。妻籠宿の通りには、土産物、食堂、酒屋、旅館・民宿など多く軒を連ねています。上の写真の看板がかかっている旅館「妻籠宿・松代屋」にも、実際に泊まることができます。宿泊して、夜明けころの観光客がまだ誰も訪れていない町並みを見ると侍姿の旅人が傍らを通り過ぎていくような江戸時代そのものの雰囲気が伝わってくるかも知れません。今回、私はここには泊まっておりませんので、そこまでの雰囲気は感じることはできませんでした。また、通りを歩いていて、周りの山々が雪で白くなり、雪がしんしんと降る冬の妻籠宿もまた趣があるように思いました。

 行った日は、朝から雨模様のあいにくの日でしたが、日曜日ということもあり妻籠宿は、観光客であふれていました。歩いている途中、小雨になったり妻籠宿イメージ一時的に止んだりと助かりましたが、この天候の中、これほど観光客が訪れているとは思っていませんでした。若者のグループ、家族連れからお年寄りまでが訪れており、一番目についたのは、おばさん達の集団でしたが・・・。

 妻籠宿は、1960年代後半から全国に先駆けて町並み・集落保存に取り組んできたところです。1960年代後半と言えば、東京オリンピックを皮切りに高度経済成長へと日本が突き進んでいった時代です。その時、妻籠は過疎に悩んでおり、地域存亡の危機の中で住民たちが地域の未来を町並み保存に駆けることを決意しました。1974年には、奈良の今井町、名古屋の有松の住民組織とともに「全国町並み保存連盟」を結成し、保存運動の拡大に努めています。そして、1976年には妻籠宿が「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。妻籠宿は、町並み保存の元祖であり、先進地と言えます。
 妻籠宿の保存運動は、そこに人が住み、生活しながらつづけられており、最初に保存事業が行われたのが寺下地区です。中央の写真と下の写真が寺下地区の様子を映したものであり、妻籠宿の原点ともいうべき町並みです。中央のアングルの画像は、パンフレット、旅行雑誌などでもよく見られるので、どこかで見たことがあると感じられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 妻籠宿でお勧めの食べ物といえば、手打ちそば、五平餅、おやきなどでしょうか。実際に、寺下地区の中央あたりにあ妻籠宿イメージる「湯屋」という店でそばを食べましたが、腰があっておいしかったです。その「湯屋」の前にある土産物屋の和菓子の「丁兼」という店がまた、そばを食べながら見ていたのですが、常に人だかりができていました。横の写真の左手前に見える店が「丁兼」で、足を止める観光客が多く見られました。
 「丁兼」では、栗きんとん、そばまんじゅう初め、クルミ、柿などを使ったさまざまな和菓子が売られていました。和菓子の試食とセルフでお茶を飲めるサービスをしているのが、人気を集めているようでした。お茶を飲みながら少し見ていましたが、試食して実際に買っていく方の確率はかなり高いように感じました。私もそばまんじゅうをついつい買ってしまいましたが・・・。

 随分昔の話になりますが、高校の遠足か何かで、馬籠宿から妻籠宿まで200人以上の生徒全員でその当時は昔の旅人を偲ぶという感覚もなく歩いたことが記憶が残っています。馬籠宿と妻籠宿の間は約9キロほどあり、2時間ほどかかったように思います。途中、ところどころで滝を見たのが映像として覚えています。あとはひたすら山の中の細い道を歩き、妻籠宿に着くと、パッと視界が開け町並みが飛び込んできた時には、達成感がありました。

 多くの観光客が訪れる妻籠宿の人気は、そこに人が住んでおり、生活感が感じられるところでしょう。
 現在東海地区だけかも知れませんが、JR東海のテレビCMで、ワイドビュー信濃で行く秋の奈良井宿、妻籠宿、馬籠宿が美しい紅葉の映像をふんだんに使い紹介していますが、皆様方も一度行かれてみてはいかがでしょうか。

By Nagura

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