新「豊橋ステーションビル」 (日本・愛知)

視察日:1998年2月20日

 新しい豊橋駅は、平成8年秋に東西自由連絡通路と橋上駅舎が完成し、平成9年春にステーションビルがオープンしました。そして今年(平成10年)春に東口駅前広場が完成し、晴れてグランドオープンと豊橋駅イメージなります。
 そのグランドオープンの一足先に、昨日(2月19日)、市電が150m延長され、豊橋駅まで乗り入れられました。今までですと、駅から少し離れていましたので、雨など降るとたいへんでしたが、これで便利になります。車中心の社会に振り子が大きく振れていたのが、ようやく人、環境等が見直され、振り子が戻りつつあるひとつの現れでしょう。

 久しぶりに豊橋駅を利用しました。豊橋へは車で行く機会が多かったので、新駅舎になってから1年半以上経っていますが利用するのは初めてでした。駅のコンコースは非常にきれいです。新駅舎になる前ですと、東西が分断されており、駅構内を通り抜けないと反対側に行くことができなかったのですが、今は自由に行き来することができます。旧駅舎は、名鉄に乗る場合などは、改札口からすぐにホームでしたので、飛び乗るには便利でしたが、新駅舎では、一度2階に上がって改札という形です。ペデストリアンデッキから直接コンコースに入ってくることができますので、それほどの不便さは感じませんが・・・。駅の構造より気にかかったのが、以前名鉄と飯田線のホームの手前にあった「立ち食いそば屋」がどこにいったのだろうかということです。けっこううまく以前よく利用していただけに見当たらなかったのが残念でした。後日わかったのですが、改札を入ったJR側のキオスクの奥の方にあるとのことでした。豊橋駅イメージ

 その他、新ステーションビルには、商業施設「カルミア」とホテル「アソシア」が入っています。カルミアは、地下1階から4階まで店舗が入っており、食料品、飲食店、ファッション、グッズなど一通り揃っています。店内は、やたら女子高生が目につきました。時間的に週末の夕方5時頃ということもありますが、スポット的存在になっているようです。そして「○○だら〜」という三河弁が聞くでもなく耳に入ってきます。私も三河出身なので三河弁は使いますが、同じ三河弁でも豊橋ならではのイントネーションが感じられます。
 まず、地下の売り場を見て歩いたのですが、初めて見るのに何か懐かしいような、来たことがあるような思いが感じられました。後でわかったのですが、打ち合わせで伺った事務所の方が、旧ステーションビルをそのまま利用しているところもあるおっしゃっていました。道理で懐かしいはずです。旧ステーションビルをそのまま利用しているところを歩いた時にそう感じたのだと思います。記憶というか雰囲気というものは、頭のどこかに残っているのでしょう豊橋駅イメージ

 駅全体を見ても、打ち合わせの時間までにまだ少し時間がありましたので、昨日駅に乗り入れたばかりの市電に乗ってみました。数十年ぶりに豊橋の市電に乗りました。1回乗車大人150円です。どこまで乗っても150円なのですが、2つ目の札木で降りました。ぶらぶらと広小路を歩いて駅に戻るのにはちょうどいい時間だったこともあり、ここで降りました。札木を降り、駅方向に戻って歩いて行きますと、左手に「神明公園」が見えてきます。この公園の近くに印刷屋(高運堂)をやっている親戚があるので子供の頃はよくこの公園で遊んだものです。今は整備中で、子供を遊ばせる親や散歩や憩いに訪れる利用者の声を生かした公園づくりが進められおり、4月にリニューアルオープンするとのことです。その他、豊橋では、黒福公園(東松山町)でも周辺住民の声を取り入れた整備が行われており、ここも4月にオープンのはこびとなっています。
 神明公園を通り過ぎ、広小路の入り口交差点手前には、うどんの「東京庵」が昔の通り建っていました。「にかけ」そのものもうまいのですが、天かすが入った「たぬき」を私は好んでよく食べていました。今回は、時間がなかったので食べられなかったのですが、皆様方の中で、豊橋を通る機会等ございましたら、一度寄られてみてはいかがでしょうか。いい味です。車ですと岡崎方面から国道1号線を走って来て、国道1号線が直角に左に曲がっていく交差点をそのまままっすぐ伊良湖方向に進み259号線に入り、4つ目の信号の手前左側にあります。
 後は、広小路を抜けて豊橋駅に戻ったのですが、同じ広小路でも駅に近いところは人も出ていますが、はずれの方は、シャッターが閉まったところも多く閑散(再開発の話も出ているようですが)としていました。ちなみに子供のころよく行ったおもちゃ屋は健在でした。広小路は、昔に比べ歩道、デザイン等は立派になりましたが、シャッターが閉まっているところも多く、店舗の連携性、活気があまり感じられませんでした。なぜか、ダイエー角の交差点に以前あったスクランブル交差点や歩行者天国など子供心にも活気が感じられた頃が思い出されました。

 新しい豊橋駅を見た全体的な印象は、利用者にとって便利になり、安全に利用できる駅になったことです。商業施設の「カルミア」の店内は、建て増し部分もあり若干迷路のようになっており、わかりにくい部分もありますが、逆にそこが若者受けしている面も伺えます。また、もうひとつわかりにくいのが、地下道です。昔、広小路から歩いてきて地下道から駅に入るコースをよく歩いていましたが、ペデストリアンデッキも出来て、地上を利用すると今後どう整備していくのか気になりました。実際に広小路から来て、地下道を歩いてみましたが、人もまばらで駅に向かう通路は工事中でした。また、模様替えが終わった頃に、再度歩いてみたいと思っています。

 駅というものに着目してみて行きますと、先日、新しくなった京都駅を見てきましたが、京都駅はひとつの新しい街が生まれたという印象を持ちました。ここ新しくなった豊橋駅では、原点に戻った取り組みという印象を受けました。これが自然の姿なんだというイメージを持ちました。
 そして、市電を廃止せずに残してきたことには、先見の明があったのだと思います。昭和42年頃の市電路線距離(6.093キロ)がピークだったのを境に減少傾向(昭和52年:4.640キロ)にあった路線も、昨日の150m延長を含め、5.472キロと盛り返してきています。
 これから、21世紀に向けた駅機能も含めた商業都市ならではの豊橋の街づくりが期待されます。

By Nagura

リターンイメージリターンイメージリターンイメージリターンイメージリターンイメージ