鳥羽市街地とまちづくりイベント (日本・三重)

視察日:1998年8月23日

 鳥羽へは、3年ぶりに行ってきました。今回は、鳥羽青年会議所主催のまちづくりイベント「天下無敵のまちづくり」に参加するために行きました。中部のウェブマスターが集う「まいどアリーナ!」で知り鳥羽イメージ合った鳥羽で「旅館あらしま」を営んでいらっしゃる籾山征也さんの紹介を受け、行ってきた次第です。籾山さんは、鳥羽青年会議所にも所属しており当日はイベント運営と旅館業に忙しそうでした。また、ウェブ上から予約(オンライン決済対応)も行える鳥羽の隠れ宿「旅館あらしま」のホームページは、FriendsCircleリンク集において紹介してあります。鳥羽へ旅行される機会がございましたら、ご利用されてみてはいかがでしょうか。

 少し「天下無敵のまちづくり」イベントの内容を紹介します。イベントは、1部と2部に分かれており、1部(13:00〜15:30)はまちづくりにおける基調講演とパネルディスカッションが行われ、2部(18:25〜20:30)は歌手の上田正樹氏などによるボランティアコンサートが行われました。私は、翌日の都合もあり、残念ながらコンサートは見られなかったのですが、1部だけ参加させていただきました。
 基調講演は「魅力あるまちづくり」という題目で女優でもあり、WILL国際文化交流センターの代表をされている中野良子氏が話されました。パネルディスカッションは、基調講演を行った中野氏、グラウンドワークの先進地の滋賀県甲良町の教育委員会の山崎義勝氏をはじめ、鳥羽市婦人会連絡協議会会長、地元団体のまちづくり考作所所長を交え、青年会議所理事長のコーディネーターのもと行われました。
 中野氏の基調講演は、話がバラエティー豊富で多岐にわたっており、コミュニティー・つながりという考えが根底に流れていました。中野氏の思いは伝わってきましたが、話が広がりすぎていて、果たして聞いている住民の方々が頭の中でしっかり整理されただろうかと少し心配になりました。パネルディスカッションは、本音のトークがけっこう飛び出しており、コーディネーターの方が大変鳥羽イメージそうでした。時間があまりになく、少々消化不良な面もありましたが、これから取り組むべき課題は見えてきたように思います。しかし、何はともあれ、このような住民を巻き込んだ「まちづくり」について考える場をつくり、スタートさせたということに賞賛をおくりたいです。今回、収穫があった数々の課題をこれからの鳥羽のまちづくりの継続的な展開に生かしていって欲しいものです。
 まちづくりとただ単に言っても漠然としていますから、視点をどこに置くか、どの視点から見るかなどの方向性も一段と必要になってきます。
 ここで、先程出てきました「グラウンドワーク」という言葉について説明を加えておきます。グラウンドワークとは、もともとはイギリスで生まれたもので、住民と企業、行政の三者が協力しあいながら、しかもあくまで住民主体で地域環境をつくっていこうというものです。地域環境の保護や向上など、快適な環境づくりのために住民自らが手足を動かして活動するところにポイントがあります。他の地域では、岩手県胆沢町が積極的に取り組んでいます。その模様は、私も読みましたが胆沢町長でもある千田明著の「日本一の田舎宣言」という書籍に詳しく書かれています。興味にある方は、一度お読みになられることをお勧めします。

 イベントの話はこの辺りにして、鳥羽の町並みについて紹介します。午前中早めに着いて、ぐるっと鳥羽駅周辺を見てきました。鳥羽は、城下町、宿場町、港町、観光都市という多彩な顔を持っています。はるか万葉の昔より、都人のあこがれの地であり、戦国時代には水軍の将・九鬼氏が城を構え、江戸期には伊勢詣の宿場町として賑わいました。また、穏やかな気候と漁場にも恵まれた港町でもあります。そして近年では、世界最大級の鳥羽水族館や真珠のふる鳥羽イメージさとミキモト真珠島など見所も多く、観光地となっています。
 日曜日ということもあり鳥羽水族館は、観光客でごった返していました。中央の写真は、鳥羽水族館の入り口部分を撮ったものです。前の道路は、駐車場に入る車で渋滞しており、車のナンバーを見ると、地元付近(三重、名古屋など)の車に混じって、横浜、神戸、京都ナンバーの車もけっこう目につきました。
 今度は、反対側の線路を挟んだ山側の方を歩いて見ますと、古い町並みがけっこう残っており、路地に懐かしさが感じられます。ここでは観光客はほとんど見かけません。一番上の写真が、商店街の通りですが、ここは昔は堀だったそうです。この辺りから鳥羽城が見えたのでしょう。実際に鳥羽城のあった城山公園に登りました。現在、城はありませんが、天守閣のあった鳥羽小学校のグランドのところには石垣が残っていました。この城山公園からミキモト真珠島辺りの鳥羽港の眺めは絶景です。ここは、まさに穴場です。また、この城山公園は、青年会議所の方が音頭をとられ、住民の方々と共にきれいに整備したところでもあります。
 鳥羽駅周辺に話を移しますと、鳥羽駅北側に通路で隣接する形で「鳥羽一番街」「パールビル」の商業施設があります。一番下の写真が、海の恵み真珠の本場ならではの真珠専門店が軒を連ねているパールビルの様子です。訪れている人は、やはり女性が多かったです。養殖とはいえ真珠づくりは、母貝となるアコヤ貝に真珠の元となる核を入れてつくる生きものだけあって、自然環境に大きく左右され(アコヤ貝の大量死や赤潮発生など)大変な作業です。

 日本経済の停滞の影響もあり、三重県の観光客は減少傾向にあります。鳥羽水族館を見た限りでは、かなり広範囲から集客しており、そんな風には感じませんでしたが、志摩スペイン村オープン当初の一時の盛り上がりから見れば落ち着いているといったところでしょう。
 しかし、水族館が世界的に静かなブームになっているという声も聞かれます。その背景の一つには、水族館専用の分厚いガラスを製造している日本メーカーが2年分の受注を抱えているということがあるようです。

 今、鳥羽市では青年会議所や婦人会などが中心となり、住民を巻き込んだ公園の整備、観光客の通る道路の花の植栽など身近なできるところから「鳥羽市のまちづくり」を始めています。まちづくりには、こうした地道な積み重ねが大切です。老若男女が参加して継続してやっていくことが、人をもつくっていきます。
 鳥羽市のまちづくりは、今回のイベントのタイトル通り「天下無敵のまちづくり」へとなっていくことと思われます。

By Nagura

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