陶磁文化のまち・多治見市を訪ねて (日本・岐阜)

視察日:2001年10月28日

 “美濃焼”で知られる陶磁文化のまち・多治見市(人口約10.5万人)を訪ねて参りました。多治見へは、JR中津川駅前中央線の快速を使えば名古屋から約35分、金山(名古屋市)からなら約30分です。多治見市は岐阜県ですが、岐阜市よりも名古屋市のベッドタウンとして急成長している都市です。多治見市は、愛知県の春日井市、瀬戸市に接する県境に位置します。

 多治見は、奈良、平安の時代から陶器産国として知られ、釉薬、焼成、技法の上でも一大進歩を遂げたところです。特に、安土桃山時代の茶陶、江戸時代の日用食器の生産を経て、明治以降は集散地の機能を併せ持つ、独自の陶都が形成されて現在にいたっています。この界隈には、焼き物の産地が多く、県は違いますが、隣接してせともののまち・愛知県の瀬戸市があります。また、きゅうすなどで有名な常滑焼きの常滑市(愛知県)も比較的近いです。また、前回紹介しました高浜市(愛知県)も瓦ですが、伝統の技として“三州瓦”の産地として有名です。

 しかし、陶磁器産業は、近年長引く不況のなか、中国などから安価な陶磁器の大量輸入で、陶磁器業界は厳しい状況下にあるのも事実です。現在、多治見市では、岐阜県が中心となって進めている陶磁器のテーマパーク「セラミックパークMINO」を建設中です。2002年10月の完成を目指しており、3年に1度行っている国際陶磁器フェスティバル美濃をセラミックパークMINOで行う予定にしており、停滞した陶磁器業界の活性化につながっていくことを狙っています。また、岐阜県と愛知県と県は違いますが、多治見市と瀬戸市とは、焼き物という点で共通点も多く、県をまたいだ交流がこれまでなされています。2005年に瀬戸市・長久手町で開かれる愛知万博の際にも、「セラミックパークMINO」を最大限に活用する方向性も土岐川念頭においているようです。愛知万博の話題としては、いろいろ混迷はしておりますが、先日、愛知万博に出展する愛知県パビリオンの総合プロデューサーにノンフィクション作家の山根一真氏を起用すると発表しています。

 多治見市に今年できた施設として、たじみ創造館(2001年4月オープン)があります。たじみ創造館は、中心市街地活性化に向けた中核施設として、製販一体型集客施設として整備されたものです。この施設は、多治見市だけでは整備が困難な製販一体型事業整備を支援するために、地域振興整備公団が事業主体となって施設の整備・運営を行っています。
 また、2001年9月1日には、たじみ創造館内にチャレンジショップがオープンしています。新規起業家を対象に、一般公募により募集(36名の応募者)し、その中から5店が選定されオープンの運びとなっています。5店の事業内容を挙げて見ますと、「組み立てパソコンやパーツの販売・指導」「アジアの雑貨と手作りの店」「草木で染め・織ったもの」「中高年向きの中古本」「子供・ベビー服のリサイクルショップ」です。

 ここで画像の紹介をしますと、一番上の画像は、JR多治見駅前の通りを写したものです。画像奥にユニーの看板もご覧いただけると思います。上から2番目の画像は、中心市街地を雄大に流れる土岐川を写したものです。上から3番目の画像は、JR多治見駅近くにある駅前商店街を写したものです。
 中心市街地には、大きく分けて商店街駅前商店街が5つ存在します。画像の駅前商店街とながせ商店街がJR多治見駅と土岐川の間に広がっています。土岐川を渡って、市役所のある界隈に銀座商店街、小路町商店街、広小路商店街が広がっています。先ほどのたじみ創造館は、多治見橋を渡ったところにあります。

 多治見市は、中心市街地活性化基本計画を1999年3月に提出しており、その後、TMO構想原案策定事業報告書を今年(2001年)3月に作成して、現在、進行形でTMO(まちづくり機関:Town Management Organization)が立ち上がりつつあります。
 TMOは、中心市街地全体を一つの商業集合体(ショッピングセンター)と捉え、適切な業種構成、店舗配置やソフト事業による商業機能の強化、商業基盤施設の充実、商業空間の魅力化をはかるための事業を一体的・総合的に推進していく組織です。
 多治見市の中心市街地商業活性化の目標として、「東濃西部の拠点都市にふさわしい生活文化を提供する都心商業の確立」「陶都1000年の歴史・文化や豊かな自然を生かした観光商業の定着化」「心のかよう都市 多治見市の中核となる豊かな市民コミュニティの創造」が掲げられています。具体的には、土岐川を活用したイベント、個店の魅力づくり事業、商店街店揃え事業(空き店舗対策・中核店舗づくりなど)、シャトルバスの運行、駐車場整備・管理運営、歩行者導線の強化、建築物・史跡の調査・活用、市民との協働でのまちづくり活動、商店街合同PR事業など行っていくべきことは盛りだくさんです。その中で、優先順位、事業の到達目標の期間など定めて行っていくことになると思います。

 多治見市は、これからTMOが設立されて、さまざまな事業が具体的に動き出していくと、大きく中心市街地も変わっていくことと思います。この先、3年、5年、10年先が楽しみなところです。事業展開にあたって、国、県はじめ市、商工会議所、商店街、陶器の組合など一致協力してやっていって頂きたいものです。また、欠かせないのが、住民の力でありで、住民の方の積極的なまちづくりへの参加を望みたいところです。TMOの事業推進にあたっては、一般に設立された新企業と同じですが、最初の要ともなる事業計画がまず重要であり、なおかつTMOの安定基盤となるものをつくりあげる最初の3年間の事業運営如何にかかっていると言えます。多治見市TMOの成功をお祈り申し上げます。

 最後に、直近の情報として、今週末、11月3日(土)文化の日に、秋を彩る“多治見まつり”が行われます。多治見まつりでは、戦国時代の武者行列が見物です。多治見国長や足利尊氏、土岐頼貞などの戦国時代の勇敢な姿や和太鼓や子どもみこしなど市民参加の武者行列が見逃せません。是非、お近くの方は、行かれてみてはいかがでしょうか。

By Nagura

リターンイメージリターンイメージリターンイメージリターンイメージリターンイメージ