手づくり感覚の安城七夕まつりを訪ねて (日本・愛知)

2006年8月4日〜6日

 2006年8月4日〜6日までの3日間「安城の元気と笑顔と七夕まつり」をキャッチフレーズに第53回安城七夕まつりが安城七夕まつり風景開催されました。安城七夕まつりについては、2年前に視察レポート「市民参加の安城七夕まつりを訪ねて」、6年前に視察レポート「第45回安城七夕まつり」で紹介しておりますので併せてご覧頂けましたらと思います。

 さらに、安城という街を良く知って頂くために、以下の視察レポート&コラム「安城の歴史・文化探訪」「安城の“食”と“農”を考えるシンポジウムに参加して」「デンパーク」「丈山苑」「三河地方の“農業”“工業”を支えている明治用水を訪ねて」「安城の中心市街地の学校と商店街挙げてのお祭り“サンクスフェスティバル”を訪ねて」「安城市の都市再生を考える学生たちの取り組みを訪ねて」も併せてお読み頂けましたらと思います。

 今年(2006年)の安城七夕まつりには、3日間で約121万人の人が訪れました。JR安城駅界隈が七夕まつり会場で、約1,000本の竹飾りが道路の両側から覆いかぶさるように立てられています。今年の七夕まつりの3日間は快晴続きで、たいへん蒸し暑かったです。このような状況の中、今年初めての試みとして、ミス七夕、ゴミボランティアの方々はじめ老若男女が参加して「七夕を冷やせ 打ち水大作戦」のイベントが夕方に行われました。

 最終日の夕方に行われた時は、34度あった気温が打ち水をしたことで、31度に下がりました。古くから涼を得る知恵として知られる「打ち水」を実感しました。ちなみに、打ち水の水は、水道水ではなく、安城環境クリーンセンターのし尿処安城七夕まつり風景理した放流水を利用しており、環境にも優しい取り組みとなっています。世界に誇る江戸の知恵「打ち水」は、一斉に行うことで真夏の気温を下げたり、電力エネルギーを節約できる地球に優しい活動であり、2003年から全国的に取り組まれています。

 打ち水をすると、まいた水が蒸発するときに、地面から熱をうばって蒸発します。(この熱のことを気化熱といいます)これが打ち水で涼しくなるしくみです。また、水にふれたり、浴衣をみたり着たりすることで人間の五感に訴えて体感温度を下げ、涼しく感じさせることも要因のひとつです。今回は、し尿処理した放流水を利用しましたが、水道水を使うのはタブーで、一般的にお風呂の残り湯、エアコンの室外機にたまった水、雨水など二次利用水を活用します。

 特に都市部では空調機器や自動車からの人工排熱増加や道路舗装などの地表面人工化によるヒートアイランド現象が問題となっています。打ち水と同じ原理で、昨年(2005年)の愛・地球博(愛知万博・国際博覧会)で脚光を浴びた霧が吹き出す「ドライミスト」を覚えていらっしゃいますでしょうか。ドライミストが吹き出している様子は、レポート「愛・地球博(愛知万博)を訪ねて」の画像でご覧頂けます。東京都は2006年度からドライミスト装置の設置について補助対象としています。愛・地球博の開催地でもあった中部地区を中心にドライミストの採用が増えており、中部国際空港・セントレア名古屋・栄の複合商業施設「オアシス21」など30箇所で使われています。

 以前の視察レポート「市民参加の安城七夕まつりを訪ねて」でも少し紹介しておりますが、安城七夕まつりは、町内会の役員、婦安城七夕まつり風景人部、こども会、そして、七夕まつりを楽しもうという有志のグループなどの協力を得ながら商店街とともに手づくりで作り上げています。中でも、力仕事は、竹を立てる作業です。上から3番目の画像は、大勢で協力しながら竹を立てて、固定している風景を写したものです。この時で、午前0時をまわっており、終わったのは午前2時頃でした。そして、数時間寝るだけで、七夕まつりの本番が始まります。

 上から2番目の画像は、七夕まつり開催中の昼間の風景を写したものです。画像上の上の方に見えるアーチ飾りに注目していただきたい。このアーチ飾りは、夜になると、灯りが付き、より鮮やかで幻想的になります。このアーチ飾りも、町内会の人たち、七夕まつりを楽しむ有志の方々と商店街が協力してつくりました。画像上のアーチ飾りに見える四角の筒のあんどんを作っている風景が、上から4番目の画像です。画像から少し見にくいかも知れませんが、あんどんには、裏側から切り絵が張ってあります。奥の方に出来上がったあんどん、まだ骨組みだけのあんどんが見えると思いますが、ちなみにこのあんどんを12本つくりました。色紙の切り絵だけもかなりの作業です。灯りが入るとこの切り絵が映えます。

 上から2番目のアーチ飾りの両側のあんどんの真ん中にある「だんご3兄弟」のような玉が3つ見えると思いますが、そこには布地でつくった花がついています。その花を開いている作業をしている風景が、上から5番目の画像です。画像からご覧頂けますが、子どもからお年寄りまで作業を手伝っています。「だんご3兄弟安城七夕まつり風景」を5つ作り、花を3000個以上使っています。3000個以上の花を開く作業は、2週間近くかけて、皆さん、仕事を終わった後に集まって、毎夜、少しずつ地道につくっていきました。

 そして、七夕まつり開催期間中は、商店街の会場で、町内会の人たち、七夕まつりを楽しむ有志の方々が商店街と協力して露店も手伝っています。ビール、ジュースなどの飲み物、元祖七夕やきそば、綿菓子、駄菓子の他、射的、ヨーヨー釣り、スーパーボール釣り、エアー抽選などの露店を協力しながら運営しています。一番上の画像は、駄菓子屋でミス七夕たちが買い物している風景を写したものです。

 また、各商店も独自に工夫した飾り付けを競い合っています。飾り付けコンクールが毎年、恒例で行われています。飾り付け大賞(経済産業大臣賞)、特選(愛知県知事賞、愛知県議会議長賞)、準特選(安城市長賞、中日新聞社賞他4つ)、入選(中部電力賞、安城郵便局長賞、明治用水土地改良区理事長賞他12つ)などが選定されます。ちなみに、今年(2006年)の飾り付け大賞はホソイメガネさんで、特選は、両口屋菓匠さんと吉野屋さんです。

 賞の常連のお店を二つ紹介いたします。店主がお店が閉まった後に、深夜まで飾り付けの作業をしているのを何度もみました。両店に共通するのは、地元の食を生かした取り組みをしており、まさに地元で採れたも安城七夕まつり風景のを地元で消費する「地産地消」を実践しています。一店目が、JR安城駅前の通りにあるうどん屋さんの「めん処 丸長(まるちょう)」さんです。うどんがうまいことで有名で、地元の安城産の小麦を使って、うどんづくりを行っています。すごいのが、うどんに適した小麦を農家の方と協力しながら行っている点で、商売人と生産者の連携が図られています。

 二店目は、老舗のうなぎ屋さんの「吉野屋」さんです。JR安城駅前の通りをまっすぐ行って、最初の信号を左に曲がって少し歩いたところにあります。うなぎが、うまいのは言うまでもありませんが、4代目が考えだした安城産のいちじくをふんだんに使った「いちじく会席」が人気です。ちなみに、安城は、いちじくの生産量が日本一です。高級いちじくとして、東京などに出荷されています。いちじくには、旬があり、いちじく会席(4725円:2006年9月現在)の今年(2006年)の提供期間は、8月8日〜10月7日までです。いちじく会席は、美容・美肌などに効果があるいちじくだけに、女性からの人気が非常に高いです。

 安城七夕まつりは年に1回ですが、来年(2007年)是非、ご覧いただき、飾り付けの手づくり感覚を楽しんで頂けましたらと思います。一つ一つ、町内会の役員、婦人部、子ども会の方々や七夕まつりを楽しむ有志グループ、そして、商売人が商売を終わった後に、夜中まで製作しており、安城のまちを愛する愛着心の結晶でもある飾りを見て頂けましたらと思います。あと、今回、紹介しましたうどん屋さん、うなぎ屋さんにも是非、足をお運び頂けたらと思います。

By Nagura

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