サンストリート (日本・東京)

視察日:1998年3月5日

 サンストリートは、1997年11月7日に東京都江東区亀戸に誕生した新しいタイプの広場、道(通路)をゆったりとった2層構造の界隈型商業施設です。亀戸駅から数分で行くことができ、たいへん便利な場所にあります。また、ここサンストリート周辺は、日本屈指の人口密集地(3km圏内42万人、5km圏内112万人)でもあります。サンストリート イメージ

 行った日は、あいにくの雨で寒くもあり(夕方からみぞれになり、そして雪となりました)、周りを店舗に囲まれたっぷりとられたサンストリートの顔ともいえる中央の広場(広さ900F)は、いつもはパラソルにテーブルと椅子、ベンチなどが散在して賑わいのある場所なのですが、この日は雨避けのシートがかけられており、歩く人もまばらでした。
 しかし、店内は木曜日の午後2時半頃でしたが、けっこう人が入っていました。各店舗を覗いていきますと、サンストリートを訪れる客層の幅広さ、バラエティーさに驚かされます。100円ショップの「ダイソー」には、若い女性、「トイザらス」には、子供連れのお母さん、「マクドナルド」「ミスタードーナツ」などのファーストフード店には女子高生、食品スーパーの「ベストスーパーセンター」には、幅広い年代の主婦層、おじいちゃんなどが目につきました。0歳〜100歳以上までの幅広い年代の人が訪れるというサンストリートの一端を見たような感じでした。
 ここサンストリートには、1,800人の人が座れるベンチ、テーブルと椅子がところどころに置かれており、中央の広場を始め、蛇行した逆S字形の通路、迷路サンストリート イメージのような路地などが施されており、その周りに店舗が張り付いています。天気の良い日などは、太陽の光を浴びながら、ぶらぶらと歩きながらショッピングを楽しむ「ランブリング」が満喫できます。そして、疲れたり、ちょっと腰掛けて話をしたい時など、気軽に腰掛けることのできる空間が広がっています。
 この日は、さすがにサンストリートの売りでもあるぶらぶら歩きの「ランブリング」を楽しんでいる人はまばらでした。もっぱら、ぶらぶらと歩いている人は、私と同じように、背広姿にカメラを手にしたいかにも視察という人達の集団が目につきました。

 サンストリートは、セイコーインスツルメンツの工場跡地(24,500F)の敷地に建てられました。この工場跡地には、初めはオフィスと商業施設からなる36階建ての高層ビル案(1988年)が浮上していましたが、経済状況の先行きが不透明なことから高層ビル案が凍結されました。その後(1994年)、セイコーインスツルメンツ社が、土地は売らずに15年間の中期利用計画として検討が再開され、北山創造研究所が総合プロデュースをして、サンストリートの誕生となりました。
 15年間の暫定利用ということもあって、サンストリートは、地価が高い地域では珍しく低層の利用しやすい施設となっています。気になるのが、期限つきとあって15年後に取り壊してしまうのかということですが、15年後にやめるのではなく、見直し、うまく亀戸が活性化していけば、15年先にも現在の発展形で考えていくことになるだろうとのことです。

サンストリート イメージ サンストリートは、従来型の商店街からの発想の延長線上でもなく、かと言って、郊外に次々と出来ているショッピングセンターとも趣が違います。サンストリートを訪れますと、何か懐かしいような、自然な落ち着きが感じられます。決して豪華ではなく、どちらかと言えば、ローコストでいい意味での泥臭さが感じられます。店舗そのものは、外資系を含め集客力のある店も入っていますが、統一性があるようでないようなごった煮のような様相がまた魅力でもあります。ここに来れば、物販、飲食、サービス、その他一通りのものは揃います。そう考えていきますと、ひとつの新しい商店街とも言えます。次世代型商店街として言われている由縁なのでしょう。従来の縦に長かった商店街が、蛇がどくろを巻くようにして、でき上がったのがサンストリートともいえます。

 視察して感じたのが、サンストリートは造られたものというイメージがあまりしなかったことです。ここサンストリートも、ショッピングセンターと同様に人が造ったものであることは確かですが、自然発生的に出来上がったような雰囲気が残されているところが、訪れる人にやすらぎと再び来たくなるような空間を与えているように思います。
 今までの常識、固定観念からの発想ではなく、新しい視点からの取り組みがこれからますます必要となってきます。

 また「'98JAPAN SHOP」におけるセミナーのパネリストの一人としてサンストリートの総合プロデュースを行った北山創造研究所代表取締役の北山孝雄氏が参加されたパネルディスカッションのコラム「中心市街地/商店街の再生化セミナーを受けて」も併せてご覧いただけたらと思います。

 少し余談になりますが、帰りにホームページの立ち上げも含めいろいろとお世話になっているタオヴィジョン・ネットワーク/タウンネット様の新宿オフィスにご挨拶に伺わせていただきました。代表の武田博修さんとは、ちょうど2年ほど前にタウンネットの立ち上げ時の新聞記事を拝見してからのメール上でのお付き合いとなります。実際にお会いするのは今回が初めてでした。武田氏は建築家としてまちづくりや建設プロジェクトの数々を推進してきており、またさまざな方面で多才な方でたいへん魅力的な方でした。
 新宿のオフィスは、明るく、きれいで、ゆったりと落ち着いた雰囲気が感じられました。それがいけなかったのが、30分ほどで失礼するつもりが時間がたつのも早く2時間近くもおじゃましてしまいすっかり落ち着いてしまいました。本当にお忙しい中、ありがとうございました。また、もう少し時間に余裕を持っていけば良かったのですがぎりぎりになってしまい、心配されて携帯に伝言も含め電話いただけたり(地下鉄に乗っており駅に着いたら一度かけるつもりではいたのですが)、女性社員の方がオフィスの入り口まで出迎えていただけるなど、たいへん心配りが行き届いた気持ちの良いオフィスでした。
 タウンネット様のホームページへは、フロントページから説明文付きでリンクが張ってありますので、皆様方も是非、一度ご覧いただきたく思います。

By Nagura

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