スチューレオナード (アメリカ・コネチカット州)

視察日:1999年2月12日

 スチューレオナード(StewLeonard)は、1969年に1号店(本店)をオープン、そして1991年に2号店をオープンした生鮮食品中心のスーパーです。スチューレオナードは、徹底したユニークな顧客サービスチューレオナードイメージスを行っていることで評判な店で国内外の視察団がひっきりなしに訪れるところです。

 今回は、1号店である本店と2号となる支店の両方を見てきました。もちろん店舗そのもののユニークなレイアウト、サービスには驚かされますが、アメリカ人の1回の買い物で購入する量が半端でないほどの多さには、今までに数店舗スーパーを見てきましたが、いつも驚かされます。

 一番上の画像は、スチューレオナードの支店の方の外観を写したものです。外観は、特に奇抜ということはなく、納屋風の建物でまわりの風景に自然ととけ込んでいます。本店の方もほぼ同様のつくりとなっています。今回ホームページ上に載せてあります3枚の画像は、すべて支店のダンバリー店のものです。本店も支店も同じオペレーション、雰囲気がしっかり作り上げられていることに、経営者の姿勢というか思い入れが感じられます。店舗の大きさ的には、支店の方が大きくゆったりと作られています。

 スチューレオナードの本店、支店(ダンバリー店)ともに、コネチカット州にあり、ニューヨークのマンハッタンからですと、イーストリバーをわたって車で1時間半ほどかかります。スチューレオナードのもともとの創業は牛乳屋さんでした。ですから店内(本店)には牛乳の製造工場があり、ガラス越しに買い物しながら製造工程を見ることができます。また、さすがに牛乳の品揃えは豊富です。

 それでは、スチューレオナードの店内に入っていく形でレポートを進めていきます。入り口に立ちますと、まず顧客志向の姿勢が刻みこまれたスチューレオナードイメージ大きな御影石が目に飛び込んできます。その御影石には、企業の考え方・姿勢を宣言する2つのルールが刻みこまれています。日本語訳で載せますと、「1.お客様は常に正しい」「2.お客様がもし間違っていたらルール1.を読み直しなさい」というシンプルなものです。そう簡単には動かせない大きな石の上になおかつ彫り直しがきかないことを考えますと、そうとうな意気込みでお客様に宣言していることが伺えます。上から2番目の画像が、その入り口の御影石を写したものです。英文そのものを読むことができると思います。
 そして店内へと進んでいきますと、迷路に入っていくような感じで前方からの人の流れがないことに気付かされます。ここは、ワンウェイコントロール(一方通行)のレイアウトがされており、くねくね回りながらレジへと導かれていきます。日本に今後進出が予定されている大型家具専門店チェーンのイケアも同様な全ての売り場を回遊しなければならないような独特のレイアウトが取られています。また、ワンウェイコントロールは、かなり混雑していても客同士がぶつからないという利点もあります。

 スチューレオナードは、“スーパーマーケットのディズニーランド”と呼ばれており、その由縁は迷路すなわちワンウェイコントロールの通路上及び店外でエンターテイメント性を見ることにより理解することができます。買い物をしながら、ワンウェイコントロールに沿って進んでいきますと、ところどころに牛乳の製造工場(本店)があったり、3匹の動物のご挨拶、鶏の楽団、牛のモー君など子供がまた来たくなる楽しい仕掛けがたくさんあります。頭上の上に線路が通してあり、汽車が走っていく(本店)様子も見られます。ここでは、見て楽しむ、音を楽しむ、触れて楽しむなど様々な工夫が施されています。上から3番目の画像が、鶏、牛乳たちの楽団を写したものです。そして、レジを済ませて外に出ますと、牛をあしらった遊具やちょスチューレオナードイメージっとした小動物園のようなものもあり、先ほど店内で買い物したものを、屋外で食べることもできる仕掛けがされています。

 入り口にどーんと置いてある顧客志向の姿勢が刻みこまれた大きな御影石は、店内で手のひらサイズの同様に刻みこまれた御影石が売っています。併せてスチューレオナードの姿勢をアピールするビデオも売られています。何とも商売じょうずというか商魂たくましいという感じがいたします。もちろん、有料の店舗案内のガイドを頼みますと、お土産として顧客志向の姿勢が刻みこまれた御影石のオブジェはもらえるようですが・・・。ちなみに、御影石のオブジェは9.99ドルで売られています。(見たところ本店のみのようですが)

 アメリカの流通業と言えば、食料品併設型ディスカウントストア(DS)のスーパーセンターを軸に急速に勢力範囲を広げているウォルマートが快進撃を続いていますし、アメリカの食品スーパー業界そのものも大再編時代を迎えており、オランダのロイヤル・アホールドなどの欧州系外資も攻勢をかけてきています。そんな状況の中、地域密着型の従業員は大勢いますが家族(一族)経営の地域食品スーパーのスチューレオナードがお客様に支持されてがんばっている姿には共感を覚えます。2号店のダンバリー店の出店に関しても、地元から出店して欲しいという声が高まってきて、決めたそうです。日本においても、地域食品スーパーで地元住民の支持を集めてがんばっている食品スーパーもありますが、スチューレオナードには、チェーン展開ではない地域密着の食品スーパーが生き残っていくためのキーワードがちりばめられているように感じました。

 また、今回のニューヨーク・アトランタ視察全体を通してのコラム「’99ニューヨーク・アトランタ視察を終えて」も合わせてご覧いただければと思います。

By Nagura

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