中央アルプスの駒ヶ岳・
千畳敷カールを訪ねて
(日本・長野)

視察日:2011年9月10日

 長野県駒ヶ根市(人口33,587人、12,146世帯:2011年8月1日現在、面積165.92平方キロメートル)と長野県宮田村(千畳敷カール人口9,318人、3,266世帯:2011年11月1日現在、面積54.52平方キロメートル)にまたがる中央アルプスの駒ヶ岳・千畳敷カールを訪ねてきました。一番上の画像は、駒ヶ岳ロープウェイの頂上の千畳敷駅を下りたところから南アルプスの千畳敷カールを写したものです。

 カールとは高山を代表する氷河地形で、今から2万年ほど昔、地球が氷で覆われた古代氷河期に、ゆっくりと流れる氷河に浸食されてお椀形に削り取られた地形のことです。要するに、氷河の浸食で円形に窪んだ谷のことで、千畳敷カールを写した一番上の画像、または上から2番目、4番目の画像から山頂直下の斜面がまるで巨大なスプーンででもえぐられたかのような窪んでいる地形がご覧頂けると思います。

 中央アルプスには、日本を代表する今回行った「千畳敷カール」はじめ、木曽駒ヶ岳の濃ケ池カール、南駒ヶ岳の摺鉢窪カール、空木岳の空木平などのカールがあり、その中でも「千畳敷カール」は、高山植物の宝庫として知られています。千畳敷カールには1年中、登山者、観光客が訪れており、四季折々楽しむことができます。春はスキー客や夏を待ちきれない観光客が訪れ、そして、夏はカール一面に可憐な高山植物が咲き競います。また、秋は山肌一面が黄金色に輝き、冬は紺碧の空と純白の冬景色を楽しむことができます。

 今回、本格的な登山とまでは言いませんが、山登りの装備もしており、駒ヶ岳ロープウェイの頂上の千畳敷駅から少し千畳敷カールを越えて山登りをしてきましたので、その様子も含めて紹介していきます。まず、千畳敷駅までの行程をこれから行かれる方のご参考にでも少し紹介していきたいと思います。今回、車で行きましたが、車で行けるのは、駒ヶ根高原(菅の平バスセンター、黒川平)までです。そこからは一般車両の進入が禁千畳敷カール止されおり、専用路線バスに乗り換えていく形になります。高速(中央自動車道)で来れば、駒ヶ根インターを降りて、3分程度で菅の平バスセンターまで来ることができます。菅の平バスセンターには、大駐車場がありとめることができます。

 また、電車や高速バスなど公共機関で来られる方は、駒ヶ根駅とか駒ヶ根インター入り口にもバス停(女体入口)があり、駒ヶ岳ロープウェイ行きの専用路線バスが出ています。要するに、専用路線バスは、駒ヶ根駅を始点に、駒ヶ根高原の菅の平バスセンターを経由して、駒ヶ岳ロープウェイ乗り場の「しびら平」駅を終点としています。

 標高で見て行きますと、木曽駒ヶ岳は標高2,956メートルあります。駒ヶ岳の名を冠とする山は日本全国に多数あり、千畳敷駅から行ける中央アルプスの駒ヶ岳のことを「木曽駒ヶ岳」と言っています。木曽駒ヶ岳は中央アルプスの最高峰で、日本百名山、新日本百名山、花の百名山に選定されています。それに対し、南アルプスにある駒ヶ岳は「甲斐駒ヶ岳」と呼ばれており、木曽駒ヶ岳より少し高く標高2,967メートルあります。日本に多数ある駒ヶ岳の中でも、甲斐駒ヶ岳が最高峰で、次いで、木曽駒ヶ岳が続いています。中央アルプス、南アルプスの駒ヶ岳がナンバー1、ナンバー2の座を占めています。

 木曽駒ヶ岳と甲斐駒ヶ岳に挟まれた伊那谷では、木曽駒ヶ岳のことを西駒ヶ岳または西駒、甲斐駒ヶ岳のことを東駒ヶ岳または東駒と呼ぶこともあります。また、後ほど、登ってきました中岳(2,925メートル)を紹介しますが、木曽駒ヶ岳に、中岳、木曽前岳(2,826ートル)、伊那前岳(2,883メートル)、宝剣岳(2,931メートル)を含めて木曽駒ヶ岳と総称する場合千畳敷カールもあります。総称した木曽駒ヶ岳には、雪解けの時期にはいくつかの雪形(ゆきがた)が見られ、昔から農業の目安にされてきました。中岳には山名の元になった駒(馬)が現れ、極楽平の南には島田娘と種蒔き爺などが現れます。雪形とは、山腹に岩肌と積雪が織り成す模様を人が何かの形に見立てて名づけたものです。里の村々では、この雪形を合図に一斉に田植えを始めたそうです。

 標高を順に追って見ていきますと、駒ヶ根駅で既に標高676メートルあり、一般車が進入禁止になる駒ヶ根高原の菅の平バスセンターで標高850メートルあります。そして、そこから専用路線バスで40分ほどかけて、駒ヶ岳ロープウェイ乗り場の「しびら平」駅の標高1,662メートルまで登ります。そして、そこから駒ヶ岳ロープウェイで一気に終点の千畳敷駅の2,612メートルまで登ります。約1,000メートルあまりの標高を7分30秒でロープウェイが駆け登ります。駒ヶ岳ロープウェイはわが国最初の山岳ロープウェイで昭和42年に完成し、その後、平成10年に大規模な架け替えや駅舎の改修が行われています。ちなみに終点の千畳敷駅は、日本最高の位置にある駅です。また、高低差950メートルも日本最高です。

 今回、駒ヶ岳ロープウェイで千畳敷駅まで行き、そこから千畳敷カールの遊歩道を歩き、そのまま遊歩道を回遊するハイキングコースもありますが、山登りの装備もしており、そびえ立つ岩山を登る八丁坂を登りました。そして、登り切ったところの乗越浄土(のっこしじょうど)からさらに、宝剣山荘を越えて、中岳の頂上まで登ってきました。画像で紹介しながらさらに登山のイメージが湧くように見ていきたいと思います。

 まず、一番上の画像上から少し見づらいかも知れませんが、千畳敷カールの遊歩道から岩山を登る八丁坂のコースを紹介します。画像の左下あ千畳敷カールたりから画像の下半分のすり鉢上の地形を円を描くように散策コースが広がっています。そして、画像の中央あたりから左斜め上に八丁坂のコースがあり、そびえ立つ岩山を登る流れです。画像の左上に見える稜線のVの字の谷のところが八丁坂を登り切った乗越浄土です。

 上から2番目の画像は、千畳敷カールを周遊する遊歩道のハイキングコースを歩いているところを写したものです。緩やかなコースで、それほど山登りの装備をして来なくても、ロープウェイで気軽に2,612メートルの千畳敷駅まで来て楽しむことができます。画像から多くの人が歩かれているのがご覧いただけると思います。行った日は、土曜日とあって、多くの人で込み合っていました。

 上から3番目の画像は、千畳敷カールを周遊する遊歩道からそびえ立つ岩山を登る八丁坂を登っている様子を写したものです。画像からもでこぼこの岩があり、けっこうな登り坂を登っている様子がご覧いただけるのではないかと思います。日頃の運動不足もあり、最後の方はけっこう辛かったです。この岩山を登り切ったところが乗越浄土です。乗越浄土は頂上でも何でもありませんが、この岩山を登り切ると、登ったという達成感を感じることができます。登り切った乗越浄土を駆け抜ける風は、心地よかったです。

 上から4番目の画像は、八丁坂の中間あたりを登っている途中で、振り返って登ってきた千畳敷カールの麓方向を写したものです。画像の右上あたりに小さく見える建物がロープウェイの頂上の千畳敷駅です。画像から連なっている山々から麓をみることができ、千畳敷駅が日本最高点の2,612メートルにある駅であることが伺えると思います。また、八丁坂の中中岳の頂上間あたりということもあり、緩やかに見えますが、登り切った乗越浄土あたりからは見下ろすようにけっこう急です。こんなところをよく登ってきたなと思えるほどです。

 そして、最後の上から5番目の画像は、2,925メートルの中岳の頂上から写したものです。中岳の山頂からは360度のパノラマ展望を楽しむことができ、御嶽山はじめ、遥か彼方に南アルプスや北アルプスを見ることができます。千畳敷駅からここまで、マイペースで登りましたが1時間少しくらいの行程でした。八丁坂は周りの景色の変化もなく、特に最後の乗越浄土に登り切るところが疲労のピークに来ていましたが、そこから中岳までは、気持ちよく登ることが出来ました。乗越浄土からは吹きゆく風も気持ちよく、連なる山々の雄大な景色を眺めながらの登山で堪能することができました。

 また、木曽駒ヶ岳は中岳の目の前にあり、中岳から少し下り、岩場を登ると木曽駒ヶ岳の山頂に着くことが出来ます。今回、中岳までも登るつもりはなく、八丁坂を登り切った乗越浄土を目指していましたが、周りの絶景にも後押しされ中岳まで行ってしまった次第です。時間の関係もあり、今回は、木曽駒ヶ岳は中岳から眺めただけですませました。また、次の機会があれば、その際は、木曽駒ヶ岳まで登りたいと思います。

 今回、登ってきた中央アルプスは、3,000メートル級の高峰が連なる一方、ロープウェイで一気に2,612メートルまで行けることもあり、初心者でも比較的歩きやすいコースが広がっています。皆さんも一度、行かれてはいかがでしょうか。駒ヶ岳ロープウェイは、通年運行しており、春夏秋冬、様々な千畳敷カールの景色を楽しむことができます。また、今回、中央アルプス観光会社の方にご案内頂きましたが、千畳敷から見る元旦の初日の出も絶景だそうです。

By Nagura

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