イオン岡崎ショッピングセンター (日本・愛知)

視察日:2000年10月9日

 愛知県岡崎市郊外(岡崎市戸崎町)に2000年9月22日にオープンしたイオン岡崎ショッピングセンター(総延べ床面積17西武百貨店外観万4千平方メートル)を視察してきました。今回のオープンは、先行して開店しているジャスコ岡崎南店の敷地を拡張した形でグランドオープンしたものです。ジャスコ岡崎南店につきましては、以前にこの視察レポート上で紹介しておりますので、併せてご覧いただけましたらと思います。

 今回、ジャスコに加え新たにオープンしたのが、西武百貨店と専門店モール、スポーツ施設などです。おおまなか配置は、ジャスコと西武百貨店の二つを核として、その間を結ぶように130の専門店モールが広がっています。大型スーパーと百貨店が組んで、さらに専門店が加わった東海地区初となる二つの核をもった大型ショッピングセンターとなっています。
 建物的(総敷地面積:約5万平方メートル)には、先行オープンした3階建のジャスコを拡張する形で3階建の専門店モール(約25,000平方メートル)と4階建の西武百貨店(約16,000平方メートル)からなっています。物販以外で目を引くのは、プールやトレーニングジムなどがあるスポーツクラブや英語教室、託児ルーム、サークルなどの文化的活動に利用できる多目的ホールなどです。ちなみに、駐車場(無料)は、平面、立体、地下を合わせて3,500台を完備しています。

 今回の西武百貨店のオープンは、愛知県において、JR名古屋駅の高島屋開店で幕を開けた百貨店戦争が、三河地方にも飛び火した形と言えます。愛知県内の西武百貨店は、豊橋に次いで2店舗目で、全国では、25店舗目になります。そごうにも支援を決めていますので、豊田そごう(名鉄豊田市駅前の再開発事業の中核として1988年に開業)を含めますと、愛知県内に3店舗展開となる予定でしたが、豊田そごうは、つい先日、今年(2000年)12月25日に閉鎖することが決まってい西武百貨店店内ます。豊橋西武は、距離が離れていますが、豊田市は隣ですので、支援を決めているといっても、商圏的に近いことが閉鎖に少なからず影響を与えているようです。また、豊田市に隣接する三好町に(2000年)10月28日にジャスコとスポーツオーソリティなどが入った専門店を持った複合商業施設「i MALL(アイモール)」のオープンも拍車をかけたようです。もちろん先程のJR名古屋高島屋の影響も大きく受けています。
 岡崎市街地に目を向けますと、中心市街地に松坂屋、名鉄メルサなどがあります。迎え撃つ形となる松坂屋岡崎店では、4月から市内の各家庭を訪ねて歩いて、前年同期よりカード会員を3割増やすなど、固定客の確保に動いています。

 一番上の画像は、西武百貨店の外観を写したものです。今回、都市部における繁華街ではなく、都市郊外に展開される百貨店というところが目を引きます。郊外型百貨店が果たして経営上うまく成り立っていくのかが注目されるところです。まだ、オープンして数週間ですので、結果がでるまでには、もう少し時間がかかりそうです。西武百貨店側も今回の出店には、「新しい郊外型百貨店のあり方を模索する」と意欲を示しており、パート比率を7割と高め、現在全社的に取り組んでいる自社で商品を仕入れて売り場を構成する自主編集売り場(ディレクションショップ)を全体の約16%に導入して粗利益率28%という高水準を目指すなど、手を打ってきています。このようにローコスト経営の徹底を図ってきていますが、“新しい郊外型百貨店のスタンダード”なるものが確立されていくのか楽しみなところです。

 上から2番目の画像は、西武百貨店の婦人靴売り場を写したものです。何となくアメリカで視察したノードストロームのよう専門店街モールな雰囲気が感じられました。それもそのはず、西武百貨店では、アメリカの徹底した顧客サービスで知られるノードストロームに倣った質の高いサービスを核にした戦略売り場の開発をしており、着実に進めている様子が伺えました。あと、西武百貨店の強みは、1996年から本格導入したメンバーズカード(ハウスカード)の「クラブ・オン」の会員が350万人以上にのぼっていることです。データベースマーケティングを有効に駆使して、会員の売り上げシェアは既に約59%を占めています。

 さらに詳しく「クラブ・オン」のシステムを紹介しますと、基本ポイントは1回1,000円以上のお買い上げで、お買い上げ額の2%分のポイントが貯まります。基本ポイントに加えて、バースデーポイントで200ポイントプレゼント、就職、結婚、出産などを迎えたお客さんにエントリーポイントとして1,000ポイントプレゼントされます。また、プラスポイントとして、年4回さらに+2%分(5万円お買い上げの場合、+1,000ポイント)のポイントが付く期間があり、さらに1年間のお買い上げ金額に応じてボーナスポイント(1年間で20万円お買い上げの場合、+4,000ポイント)も付きます。ポイントの引き換えは、1,000ポイントで1,000円の「クラブ・オンお買い物券」に引き換えできます。
 ポイントの確認は、お買い物時のレシート、店内に設置されているポイント確認機のポイントルックに加え、インターネット(クラブ・オンメンバー限定の専用ホームページ上)で前日までの累計ポイントが確認できます。
 クラブ・オンのカードの種類は、4種類あり、お買い上げ金額によって1年ごとに更新され、普通の「クラブ・オン」カードから、「クラブ・オン・ファースト」、「クラブ・オン・ゴールド」、「クラブ・オン・プラチナ」の順となっています。初めてカードを作成する時は、普通の「クラブ・オン」カードから始まり専門店街モール、後は、前年のお買い上げ金額によって自然にそれ相応のカードが送られてきます。前年1年間のお買い上げ金額の設定は、20万円未満が「クラブ・オン」カード、20万円〜50万円未満が「クラブ・オン・ファースト」カード、50万円〜100万円未満が「クラブ・オン・ゴールド」カード、100万円以上が「クラブ・オン・プラチナ」カードとなっています。ですから、前年お買い上げ金額によって、カードのブランドが上がったり、下がったりするわけです。さらに、「クラブ・オン」カードのボーナスポイントが+2%に対し、一つステップアップするごとに上がり、「クラブ・オン・プラチナ」カードでは、+6%付きます。お客さんの心理をくすぐりながら、システム全体としてよく出来ていると思います。あと目を引くのが、現金のみならず、クレジット、デビット、各種商品券等で支払った場合にもポイントが付く点です。ちなみに、クラブ・オンカードには、クレジットカード機能はなく、単純なメンバーズカードです。

 上から3番目と4番目の画像は、専門店モールを写したものです。3層吹き抜けになっているのが伺えることと思います。行った日は、3連休の体育の日ということもあり、駐車場に入るのも大変で、画像からも大勢の方が訪れているのがご覧になられることと思います。上から3番目の画像は、3階部分から写したもので、上から4番目の画像は、2階部分から1階フロアを写したものです。
 専門店モールには、数店舗挙げますと、スポーツオーソリティ、無印良品、ギャップ、タワーレコード、ザ・ボディショップ、ローラアシュレイ、サザビー、靴下屋、ファンケルハウス、マザーグースの森、ライトオン、コムサイズム、上海湯包小館などが入っています。ロフトは、西武百貨店内にあります。

 以前にジャスコ岡崎南店を視察レポート上で紹介していることもあり、今回は、西武百貨店に関する文面が主となりましたが、最後は商売に直接関係ない話題で締めくくりたいと思います。それは、工事の時にイオン岡崎ショッピングセンター敷地内で発掘された外山古墳群です。学術的・文化的価値も高く、古代文化の象徴として注目される貴重な遺跡のようです。場所的には、今回オープンした西武百貨店の裏になります。「イオン藤さき古墳広場」として整備されており、この広場の名称は地域の皆さんから募集して名付けられたそうです。イオン藤さき古墳広場には、石室や墳丘が配置されています。お買い物に行かれる際は、次いでに、イオン藤さき古墳広場を訪れて、古墳時代に想いをめぐらし、古代のロマンにひたってみてはいかがでしょうか。

By Nagura

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