ものづくりのメッカ
“愛知県の産業観光”を訪ねて 
(日本・愛知)

2005年7月8日、7月10日

 愛知県名古屋市で開催されました「産業観光国際フォーラム・TICCIH(国際産業遺産保存委員会)中間会議2005in愛知・名古屋(200産業技術記念館iunit5年7月6日〜8日に開催)」に参加した際に、巡ってきました「ものづくりのメッカ“愛知県の産業観光”設施」を紹介していきます。フォーラムの内容そのものは、コラム「産業観光国際フォーラムin愛知・名古屋2005に参加して」で紹介しておりますので、併せてご覧頂けましたらと思います。

 今回、産業技術記念館、ノリタケの森、トヨタ博物館、愛知県陶磁資料館、瀬戸市の瀬戸蔵を訪ねてきました。一番上の画像と上から3番目の画像は、産業技術記念館におけるものです。一番上の画像は、終わってしまいましたが、愛・地球博(愛知万博)のトヨタグループ館でショーをしていた未来コンセプトビークル「i-unit(アイユニット)」を子どもたちが眺めている風景を撮ったものです。「i-unit(アイユニット)」は、産業技術記念館だけでなく、トヨタ博物館にも飾ってありました。

 産業技術記念館は、1994年6月11日にトヨタグループ(トヨタ自動車、デンソー、アイシン精機、豊田自動織機、トヨタ車体、豊田工機、豊田紡織、豊田合成、豊田通商、関東自動車、愛知製鋼、東和不動産、豊田中央研究所)が、次代を担う若い人達に「ものづくり」とそれに必要な「研究と創造」の大切さや素晴しさを伝えるために設立されたものです。愛知県が推し進めている産業観光や愛・地球博(愛知万博)の効果もあり、オープン10年目にして脚光を浴びています。

 産業技術記念館は、積み重ねの改善、改善の地道な努力ならではのトヨタの施設と言えます。上から3番目の画像は、産業技術記念館内の自動車技術と生産技トヨタ博物館術が見られる自動車館部分を写したものです。産業技術記念館は、5年程前に訪ねて、視察レポート「ものづくりの心を伝える産業技術記念館」で既に紹介しております。ここで詳細は省略いたしますので、視察レポートをご覧頂けましたらと思います。産業技術記念館は、名古屋駅から徒歩25分、タクシーで5分ほどです。最寄り駅は、名鉄・栄生駅で徒歩3分ほどです。

 上から4番目の画像は、ノリタケの森を写したものです。ノリタケブランドは世界中で愛されており、約100年前から食器をつくりつづけています。画像からもお分かり頂けると思いますが、ノリタケの森は、ノリタケの工場を陶磁器をテーマとする産業文化施設にリニューアルしたものです。6年程前ですが、ノリタケで陶芸体験をしたことがあります。その頃は、まだノリタケの森はオープンしてなく、当時の工場を見学させて頂いた記憶が残っています。ノリタケで陶芸体験は、コラム「伝統文化・陶芸体験を通して」で紹介しておりますので、併せてご覧頂けましたらと思います。

 ノリタケは、1904年に1枚のディナー皿から生産を始め、創業100周年の記念事業として、2001年10月5日に近代産業技術記念館陶業発祥の地であるノリタケ本社敷地内に陶磁器に関する複合施設「ノリタケの森」をオープンしました。ノリタケの森には、美に触れるミュージアム、体験工房などのカルチャーゾーン、赤レンガ建築の工場の歴史に触れるヒストリカルゾーン、ノリタケ商品をお徳に買えるショップ、レストラン、カフェなどのマーシャルゾーンの3つから成っています。ノリタケの森は、名古屋駅から徒歩15分という利便性のある名古屋市中心部の約48,000平方メートルという広大な敷地にあり、豊かな緑が全体を包み込んでおり、まさにノリタケの森という名前の通り、都心部のオアシスとなっています。

 上から2番目の画像は、トヨタ博物館内にあるトヨタ自動車最初の乗用車AA型を写したものです。トヨタ博物館内に入りますと、この最初の車・1号車がまっ先に目に飛び込んできます。トヨタ博物館は、トヨタ車のみならず、ガソリン自動車誕生から100年の発達史を体系的に展示しています。国内外の名車がずらりと並んでいます。また、館内は、ガイドツアーや日本語、英語、中国語、韓国語に対応した音声ガイドもあります。

 日本車展示ゾーンには、トヨタ、ホンダ、日産などの名車が50台以上、欧米車展示ゾーンでも欧米車が50台以上展示されており、博物館にしては珍しくここでは、館内撮影可能(業務目的は不可)ですので、名車と記念ノリタケの森撮影ができます。また、車以外の生活文化資料を展示したクルマと生活ゾーンは、懐かしさが漂っています。今、全国的にレトロな昭和ブームですが、日本のモータリゼーションの歩みと生活文化の変遷が展示されており、懐かしい冷蔵庫、扇風機、テレビから3輪トラックなど2000点もの文化資料がところ狭しとおもちゃ箱のようにちりばめられています。トヨタ博物館内は、クルマのみならず、クルマの発展とともに、発展してきた日本経済、日本の原風景が垣間見られる施設でもあります。

 上から5番目の画像は、愛知県陶磁資料館の外観を写したものです。愛知県陶磁資料館は、瀬戸市の郊外にあり、名古屋市藤が丘から出ているリニアモーターカーのリニモの駅「陶磁資料館南」から徒歩600メートルと、愛・地球博(愛知万博)のリニモ開通により大変便利になりました。

 愛知県は、ここ瀬戸はじめ常滑などやきものの産地でもあり、愛知県の産業や文化は、やきものと深いつながりをもっています。愛知県陶磁資料館は、愛知県がはぐくまれてきた陶磁にかかわる貴重な文化財を収集・保存・展示するため、愛知県政100年記念事業の一つとして、昭和53年に開館したものです。メインの本館には、縄文土器から現代陶芸に至る日本のやきものの歴史や外国陶磁・現代陶芸作品、全国の古窯陶磁資料など盛りだくさんです。

 ちょうど行った時は、愛知万博記念特別展示でスペインパビリオン主催によるピカソの陶芸が展示されていました。ピカソというと絵画陶磁資料館は有名ですが、ピカソならではの陶芸作品を堪能することができました。愛知県陶磁資料館には、本館以外に広い敷地に、作陶や絵付けが体験できる陶芸館、平安〜鎌倉時代の窯を展示した古窯館、室町・江戸時代の窯を再現した復元古窯、瀬戸や常滑、美濃などの陶芸作家の茶碗で抹茶がいただける茶室陶翠庵などあります。

 上から6番目の画像は、瀬戸蔵の館内に復元された旧尾張瀬戸駅を写したものです。現在は、市街地開発が進み、駅も東に少し移動して近代的になりましたが、昔をご存知の方は、画像の旧尾張瀬戸駅は懐かしいのではないでしょうか。瀬戸蔵は、名鉄・尾張瀬戸駅から徒歩5分ほどのところにあります。旧市民会館を建て替えたもので、尾張瀬戸駅を降りて、川沿いや銀座通り商店街などを通っていけばあります。

 瀬戸蔵は、昭和34年以来、瀬戸市民に親しまれてきた市民会館の後継施設として建て直されたもので、市内はもちろん市外・県外へ瀬戸の鼓動を発信する施設となっています。瀬戸蔵には、産業歴史展示室はじめ、市民ホール、物販や飲食店舗、会議室などあり、多くの市民や観光客が集れる施設となっています。

 なかでも瀬戸蔵の目玉が、産業歴史展示室の2階部分で、せとものの大量生産で活気があった昭和30年代の瀬戸のまちが再現されています。懐かしい旧尾張瀬戸駅が再現されており、駅をくぐると昭和30年代のまちなみや当時走って瀬戸蔵いた電車「瀬戸電(せとでん)」の車両そのものが展示されています。画像に見える尾張瀬戸駅を入ると改札があり、その奥に当時、走っていた本物の瀬戸電が展示されており、中に入って座ることもできます。また、車内では、電車のガタンコトンという音声が流れており、まさに乗っているような錯覚を覚えます。

 尾張瀬戸駅をくぐって駅の外に出ると、せとものを創り出す人々のエネルギーがあふれていて、ものづくりのまち「瀬戸」が再現され目の前に広がっています。さらに、3階では、旧石器時代に始まる瀬戸3万年の歴史を紹介している約2000点もの資料が展示されたミュージアムなどあり、瀬戸蔵は、やきものの魅力が再発見できる施設となっています。

 今回、駆け足で、産業技術記念館、ノリタケの森、トヨタ博物館、愛知県陶磁資料館、瀬戸蔵を紹介してきました。愛・地球博(愛知万博)を契機に、愛知県は観光にも力を入れ始めており、なかでも、愛知県の強みであるものづくりを前面に押した“産業観光”を推し進めています。今回、紹介しました施設は、産業観光の一つと捉えられています。是非、皆さんも、元気な名古屋・愛知にお越し頂き、産業観光という視点でも観光を楽しまれてはいかがでしょうか。

By Nagura

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