街びらきした“さいたま新都心” (日本・埼玉)

視察日:2000年5月17日

 今年(2000年)5月5日に街びらきした埼玉県の新たなシンボルとなる“さいたま新都心”を見てきましさいたま新都心イメージた。さいたま新都心は、浦和、大宮、与野の3市にまたがる旧国鉄大宮操車場跡地を中心とした47.4ヘクタールに、18の関東ブロック機関が移転したほか、さいたまスーパーアリーナ、健康増進施設、けやきひろばなどからなっています。

 一番上の画像は、さいたま新都心駅のイトーヨーカ堂がある東口の広場からさいたま新都心を写したものです。画像に見える二つの大きな建物は、手前側がさいたま新都心合同庁舎1号館で、その隣の屋上にヘリポートが設置されている建物が合同庁舎2号館です。建物内には、主に関東甲信越地方を所掌する国の行政機関が集中しており、警察庁、総務庁、防衛庁、法務省、大蔵省、厚生省、農林水産省、通商産業省、郵政省、建設省、人事院の省庁等の18機関(職員数約6,300人)が入っています。これだけの国の機関が移転するのは、明治以来はじめてで、東京都区部への行政、経済などの過度の集中を是正する意味合いがあります。

 関東近隣の新都心と言いますと、千葉の幕張新都心、横浜のみなとみらい21などが挙げられますが、どちらも臨海部にあります。また、東京のお台場の副都心も臨海部です。さいたま新都心が他の新都心と違うのは、内陸部に立地していることです。これまで歴史的な流れをみますと、産業構造もあると思いますが、海岸線上における都市部に集中する傾向がありましたが、この新しくできた内陸部となる“さいたま新都心”を歩いていますと、21世紀に向けての都市構造の変化もかいま見られるような感じがいたします。
 さいたま新都心を地理的にみますと、東京駅からJR京浜東北線でさいたま新都心イメージ約45分、上野駅からJR宇都宮線・高崎線で約23分、新宿駅からJR埼京線で約35分で、京浜東北・宇都宮線・高崎線を使えば大宮駅からは数分(2〜3分)という距離です。また、半径100キロメートル圏内には、茨城県水戸市、栃木県宇都宮市、群馬県前橋市など県庁所在地都市がすっぽり入り、神奈川県横浜市や千葉県千葉市などは60キロメートル圏内に入るなど、広域行政の拠点としてふさわしい立地と言えます。
 さいたま新都心は、また広域防災拠点としての役割も担っています。東京は中心部に国の諸機能が過度に集中しており、大都市問題を抱える一方、大規模災害に弱い都市構造となっています。万一、東京で大地震が発生した場合、さいたま新都心は広域防災拠点として災害応急対策、復旧活動、広域後方支援活動などの指示機能を担います。移転機関のうち7機関が災害対策基本法上の指定地方行政機関であり、これらは「南関東地域直下の地震対策に関する大綱」に基づく広域防災拠点として位置づけられています。そのため、さいたま新都心の庁舎は、非常時に備えて耐震性に優れた施設整備が施されています。

 国の移転機関の説明が長くなりましたが、他の施設も紹介していきます。まだこれからオープンするところが多いです。さいたま新都心の中核施設となる“さいたまスーパーアリーナ”は、今年(2000年)9月のオープンです。音楽、スポーツなどのアミューズメントや文化、産業関係など多彩なイベントの開催の場として期待されています。特徴として、世界最大規模の可動システムにより、約6,000席から約37,000席のさまざまなイベントに対応できる点が挙げられます。また、先ほどから内陸部における新都心という点を強調していますが、360度全方位から集客が可能となる強みはあります。あと目をひくところでは、20さいたま新都心イメージ世紀を代表する音楽家、ジョン・レノンの40年の生涯を21世紀に伝える「ジョン・レノン・ミュージアム」が併設される点です。ジョン・レノン・ミュージアムは、ジョン・レノンの生誕60周年にあたる今年(2000年)10月9日にオープンします。

 商業施設に関しては、さいたまスーパーアリーナの南側に隣接し、さいたま新都心駅へつながる埼玉県の木“ケヤキ”で覆われた都心のオアシスの“けやきひろば”に今年(2000年)9月に店舗がオープンします。また、さいたまスーパーアリーナ内には、県内の中小商業など7社が共同で小型テーマパークを開設します。昭和30年〜40年代の埼玉の街並みを再現し、漬物、せんべい、和菓子、地酒などの地場産品を販売するほか、インターネット上に仮想店舗を設け、通販を展開する計画もあります。

 画像の説明が遅れましたが、上から2番目の画像は、各庁舎(建物)をつなぐ通路部分を写したものです。バリアフリーで段差がなく、緑あふれて、さまざまなオブジェがある雰囲気が感じ取られるのではないでしょうか。また、上から3番目の画像は、今年(2000年)9月にオープンする浦和簡易保険新型健康増進施設(仮称)の外観を写したものです。この施設は、健康づくり、生きがいづくりを楽しみながら行えるようにしたかんぽの新しいタイプの施設です。専門医によるメディカルチェック施設はじめ、天然温泉クア、温水プール、フィットネス施設、多目的ホール、宿泊施設などが入るようです。

 行った日は、平日で午後から東京で予定が入っており、早めに出かけ、午前中かけてさいたま新都心を散策してきたわけですが、ガイドさんの案内付きの60〜70歳代と思われる40人くらいの観光客や若い女性同士の姿も見られました。まだオープン前のさいたまスーパーアリーナの前で記念写真をとっている風景も見られました。街びらきはしましたが、建設中のところも多く、これから秋にかけて充実が図られていきます。

 最後にこれからの起こる大きな合併の紹介をします。文頭で、さいたま新都心が浦和、大宮、与野の3市にまたがると述べましたが、この3市が来年(2001年)5月に合併して“さいたま市”となります。3市合わせて人口が100万人を超え、全国で13番目となる政令指定都市への移行も視野に入れています。地方分権の流れの中、各地で合併の話が持ち上がっていますが、100万規模の合併はかなりインパクトがあります。また、各地で合併が持ち上がっている背景には、市町村合併の特例法が平成12年度から5年間に都市の合併があると、国から強力な財政支援が受けられることも拍車をかけています。
 埼玉県は、人口が増えており、平均年齢も最も若い県として知られていますが、江戸時代、天領、旗本領、各藩領と細分化され複雑に配置された名残もあり、市の数は43と全国一多くなっています。来年3市が合併してさいたま市が誕生することにより、埼玉県の顔となる核となるものができて、県内全域に合併・連携の動きが広がっていくことも予想されます。(既に数ヵ所の地域では進んでいるようです)

By Nagura

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