都心の再開発プロジェクト“六本木ヒルズ”
&“汐留シオサイト”&“LaQua(ラクーア)”
を訪ねて 
(日本・東京)

2003年7月2日〜4日

 近年、東京では、都心部の再開発プロジェクトが目白押しです。昨年は、新装オープンした東京・丸の内の“丸ビ六本木ヒルズル”を紹介しましたが、今回、駆け足で、“六本木ヒルズ”“汐留シオサイト”“LaQua(ラクーア)”を見て参りましたので紹介いたします。また、2003年10月には、新幹線品川駅が開業するなど、品川地区の再開発プロジェクトも控えております。

 それでは、2003年4月25日にオープンした“六本木ヒルズ”から紹介していきます。六本木ヒルズは、民間では国内最大規模の再開発プロジェクト(敷地:区域面積約11.6ヘクタール、延べ床面積約75万9100平方メートル)で、多くの複合施設やオフィスビルなどを手がける森ビルが中心となって、17年かけて完成させてものです。高さ238メートルを誇る六本木ヒルズ森タワーをシンボルに、200店以上のショップ&飲食店、住宅、ホテル、シネコン、美術館、テレビ局(テレビ朝日)などが集まっており、大きな“街”が出現したという感じです。“職”“住”“遊”“憩”“学”など生活に必要な全機能を備えた多機能複合都市を形成しています。

 六本木ヒルズに着いたのは、平日(水曜日)の夜8時過ぎでしたが、けっこう賑わっていました。なかでも、飲食関係が賑わっていました。六本木ヒルズには、オープン後、3日間で来街者数が95万人、1カ月で635万人、そして、6月19日のオープン56日目にして1000万人を超えています。六本木ヒルズの情報を網羅したハンドブックの初版5万部も既に完売し、増刷中などものすごい勢いで人々が押し寄せています。

 今年は、関東地域の電力不足が一時期騒がれましたが、六本木ヒルズは、地下40メートルにエネルギー源となる自家発電設備を備えています。都市ガスを六本木ヒルズ燃やしてガスタービン発電機を回すとともに、高温の排ガスで蒸気をつくって冷暖房や給湯に使っています。余った蒸気は発電機に回す手助けもしています。このシステムを運営するのは、森ビルと東京ガス出資の六本木エネルギーサービスです。蒸気の供給先の振り分けはコンピューターが判断し、燃料の利用効率は最高74.6%になります。最新鋭の天然ガス火力発電所の50%強を大きく上回ります。電気と熱の需要ピークは、事務所や店舗が日中、住宅は早朝と夜間の食事時です。ホテルも事務所などより、夜間需要の比率が高くなっています。そのため、総需要の変動が少なく、エネルギーを無駄なく活用されていると言えます。

 一番上の画像は、六本木ヒルズにあるショップの店内を写したものです。上から2番目の画像は、テレビ朝日の新社屋前の六本木けやき坂通りを写したものです。テレビ朝日は、今年(2003年)秋に本格的に始動されます。六本木ヒルズは、広く見どころも多く、約40人のツアーガイドがいます。また、近畿日本ツーリストが森ビルと組み、施設見学だけでなく、都市再生や世界の都市比較、情報技術(IT)に関するセミナーを地方の自治体やデベロッパー、外食業者向けツアーも販売しています。未来都市をガイド付きで巡られるのもいいかも知れません。

 次に東京・新橋と銀座に隣接する鉄道の発祥の地でもある汐留貨物駅跡地の再開発地区“汐留シオサイト”を紹介いたします。昨年(2汐留シオサイト002年)暮れから徐々にオープンしておりますが、2006年の完成を目指しています。旧国鉄の貨物駅跡地と周辺一帯(約31ヘクタール)を、東京都が1995年から1463億円をかけて基盤整備を進め、民間投資は4千億円強、全体で1兆1千億円の経済効果が見込まれています。汐留シオサイトには、高級マンションや大企業の本社など10棟を超す超高層ビルが2005年春までに次々に立ち上がり、全体の完成は2006年度で、就業人口6万1千人、居住人口6千人の街になります。テレビ局では、先程の六本木ヒルズでは、テレビ朝日でしたが、ここには、日本テレビの新社屋ができます。

 これまでに、昨年(2002年)12月1日に「カレッタ汐留」、今年(2003年)4月10日に「汐留シティセンター」がオープンし、ショップ、飲食店街などが賑わいを見せています。上から3番目の画像は、“汐留シオサイト”にある再現された「旧新橋停車場」を写したものです。日本で初めて鉄道が走ったのが明治5年(1872年)10月14日にここ新橋から横浜まで開通しました。当時の列車は「陸(おか)蒸気」、つまり陸を走る蒸気船に例えられていました。そんな「陸蒸気」が発着していたのが、上から3番目の画像のかつてのターミナル駅・新橋停車場の駅舎です。この駅舎は、開業当時と同じ場所に、当時のレトロな外観を再現しています。

 建物内には、1階にカフェダイニングや新感覚の回転寿司、2階にはサロンがあります。プラットフォームを間近に望めるカフェダイニングは、ヨーロッパの駅のカフェをイメージしています。また、入場無料のミュージアム「鉄道歴史展示室」もあります。実際に見てきましたが、分明開化という日本の大きな転換期に登場した鉄道の変遷を視覚的に理解することができる仕掛けがなされています。往時の新橋停車場の雰囲気を作家の永井荷風は「停車場内の待合所は、最も自由で、最も心地よく、いささかの気兼ねも要らない無類上等のカフェである」と記しています。分明開化の往時を思い巡らせながらカフェでもいかがでしょうか。

 最後に、2003年5月1日にオープンしましたLaQua(ラクーアラクーア後楽園)を紹介いたします。ここは、旧後楽園遊園地のあったところを再開発したものです。東京ドームのすぐ隣です。LaQua(ラクーア)は、地下1700メートルから汲み上げる天然温泉を利用したスパを中心に、68店のショップ&レストラン、それと大型ジェットコースターなど5つのアトラクションが併設されています。後楽園遊園地の跡地だけあって、アトラクションもしっかり健在しています。そのアトラクションもかなり度胆を抜くものがそろっています。センターレス大観覧車の間や建物の壁の間をジェットコースターが走り抜けたりと、今回の視察では私は乗りませんでしたが、店舗等視察していても、ジェットコースターからの悲鳴というべき歓声が響き渡っていました。

 上から4番目の画像は、LaQua(ラクーア)の天然温泉のある建物を写したものです。LaQua(ラクーア)は、水がテーマの施設で、天然温泉以外に、画像に見える噴水は、音楽噴水のウォーターシンフォニーです。水、音楽、光が一体となったエンターテイメントです。アトラクションでは、落差13メートルの滝を急降下ダイブするウォータースライダーもあります。

 最近、温泉活用が何処も彼処で引っ張りだこ状態ですが、なぜ、後楽園遊園地の跡地で温泉に行き着いたかを少し紐解いていきます。再開発プロジェクトにあたって、東京ドームシティの利用者に調査をかけたところ、女性の利用が低く、男性のためのエリアという調査結果が出ました。「日本福祉大学東京オフィス女性の滞留時間が短い」という課題が挙がり、そこで、女性に長くとどまってもらうために、「癒し」「ヒーリング」というキーワードが発案され、温泉、店舗、アトラクションの3本柱で施設を構成する案がトントン拍子で固まった流れです。都心で天然温泉を掘ると初期費用だけでも1億5千万円程度はかかり、しかも必ず掘り当てられる保証がない中、やるからには本物志向を貫こうと掘ることに躊躇(ちゅうちょ)はなかったようです。

 また、今回、六本木ヒルズから近いところにある日本福祉大学・東京オフィス(東京都新宿区・日本青年館5F)にも寄ってきました。上から5番目の画像が、日本福祉大学・東京オフィスの受け付け部分を写したものです。日本福祉大学は、2003年度「21世紀COEプログラム(わが国の大学における世界最高水準の研究教育拠点を形成することを目的としたもの)」の社会科学分野でプロジェクト“福祉社会開発の政策科学形成へのアジア拠点”が採択されました。

 大学の生き残りをかけて、地方大学が東京都心に拠点を設けるところが増えています。主に、千代田区、港区、中央区に集中しており、すでに20大学を超えています。拠点づくりの意味合いは、情報集めのアンテナ役から、社会人向けサテライト授業、学生の就職活動支援、受験生集めまで、その役割は多彩です。ちなみに、今回、寄ってきました日本福祉大学・東京オフィスは、社会連携事業の推進、通信教育運営、就職支援、学生募集が主な事業内容です。その他、東京に拠点を持っている大学を少し挙げてみますと、立命館大学、東北芸術工科大学、福岡大学、関西学院大学、愛知大学、金沢工業大学、同志社大学などありますので、今は社会人向けのメニューも充実してますので、東京出張の際など訪ねてみるのもいかがでしょうか。

 今回は、都心の最近の動きということで、旬な情報を駆け足で、“六本木ヒルズ”“汐留シオサイト”“LaQua(ラクーア)”を紹介したしました。冒頭でも述べましたが、10月(2003年)に新幹線・品川駅が誕生するなど、ますます都心部への乗り入れが便利になりますので、遊び感覚とともに、東京都心部の再開発の動きをご自身の目で実際に見て実感されて、考察されるのもいかがでしょうか。

By Nagura

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