門前町・大須商店街 (日本・名古屋)

視察日:1998年9月18日

 大須商店街は、名古屋にあり古くから門前町として栄えている商店街です。“尾張名古屋は城で持つ”と言われますが、こ大須商店街イメージこ大須商店街は、名古屋城の真南(3キロほど)に位置し、江戸時代にはここから名古屋城の金のしゃちほこが見られたことと思います。今は、北側に繁華街・栄が広がっているため、名古屋城を望むことはできませんが・・・。門前町だけあり、大須観音(一番下の写真参照)、万松寺はじめ、多くの寺が商店街のあちらこちらにあります。中でも万松寺は、最も人通りが激しい商店街のアーケード内にあります。中央の写真のお好み焼というノボリの向こう側に万松寺があります。そしてこの新天地通りをさらに歩いて行けば、名古屋一のパソコン街が広がっています。余談になりますが、私はそこで、3年ほど前にMacintoshを購入しました。今回、次いでに展示されているiMacを実際に見てきましたが、思わず欲しくなってしまった次第です。

 大須商店街は、門前町として栄えてきましたが、現在はさまざまな顔をもつ名古屋で最も活気が感じられる商店街です。学生時代から含めますと、ここには何回と訪れていますが、今回改めて見てきた次第です。ここ大須商店街は、若者からお年寄りまで幅広い客層の人が訪れるおもしろい商店街です。代々続いている老舗の店から若者向けの雑貨、古着の店、おしゃれな飲食店、パソコン街までごちゃまぜにあります。名古屋得意の合わせ技の独特の文化が凝縮されているような商店街です。名古屋人、愛知県人にとって、一番落ち着く、ホッとする商店街なのではないでしょうか。
 戦後名古屋は、自動車交通をベースにした近代都市計画の優等生として、広い道路を名古屋市内に張り巡らせてきました。そして、地上よりも地下街の整備が急速に進められ、一時期は地上にはほとんど人並みが見られず、もぐら大須商店街イメージのように地下街に人があふれていました。ここ最近は、栄の南地区(パルコ、ナディアパーク、松坂屋南館など)が整備されてきて、人の流れも地上へと変わってきています。そして、栄の南地区から数分歩けば、もうそこが大須商店街です。今、名古屋繁華街は、点から線、線から面へと広がりを見せています。人間臭さが感じられる大須商店街は、他県から来られて、名古屋文化を感じるには、一番持って来いの場所です。

 行った時は、ちょうど昼時で、お年寄り、おばさん、おじさん、若者、OL、サラリーマン、外国人などさまざまな人が見られました。台風6号の影響であいにくの雨模様でしたが、この日ばかりは全面のアーケードがありがたかったです。大須観音(下の写真)では、雨にもかかわらず、市(いち)が出されていました。見たところ、骨董市のように見えました。
 大須商店街の中でも老舗中の老舗が、名古屋名物でもある“ういろう”の店です。大須観音近くの仁王門通りには、青柳ういろう、大須ういろうが近くに軒を並べています。両社のCMは、まだ記憶に新しい人もあるのではないでしょうか。青柳ういろうの「くやしかったらいってみな、白、黒、抹茶、上がり(こしあん)、コーヒー、ゆず、桜」と続く下りは今でも口ずさめる方もいらっしゃるのではないでしょうか。「白黒抹茶」と言われたら間髪をいれず「上がりコーヒーゆず桜」と言ったのではないでしょうか。現在は、ゆずとコーヒーの製造を中止したため、このCMは流れていませんが、白、桜、黒、抹茶あたりが定番のようです。逆に現在もラジオのCMで使われているのが、大須ういろうの「ぼん、ぼん、ぼ大須商店街イメージんと時計が三つ」という下りで、時報に続いてすぐ流れるので耳についている人もあるのではないでしょうか。ういろうの原材料は、至ってシンプルで、ういろう粉(米粉)、浮き粉(でんぷん)、砂糖、湯が主です。そして、種類にあわせて、黒なら沖縄産黒砂糖、抹茶には抹茶を入れていきます。
 また、大須商店街ではうなぎのノボリもけっこう目につきました。名古屋でうなぎ料理と言えば、「ひつまぶし」が有名ですが、松坂屋南館10階にある蓬莱軒では、昼時にはいつも行列ができています。私も熱田にある蓬莱軒の本店でひつまぶしを食べたことがあるのですが、これはうまいです。名古屋独特に料理の中でも、他県の人にも比較的受け入れられる料理の一つです。ひつまぶしは、うなぎが細かくまぶされて、おひつに入っておりそれを茶碗に取り、1杯目はそのまま食べ、2杯目はのり、ネギなどの薬味をのせて食べ、3杯目はだし汁を注ぎ、お茶漬けのようにさらさらとかき込んで食べるというものです。ひとつの料理で3度楽しめるという辺りが名古屋らしいのでしょう。また、「味噌煮込みうどん」や「味噌かつ」は、最初は引いてしまう人が多いのですが、食べているうちにけっこうはまり込む人もいます。

 最後に栄の情報を少し述べておきます。大須商店街を見てから、栄まで歩いて行ったのですが、1998年11月6日にオープンするパルコ南館もほとんどでき上がっていました。入居する73の専門店のうち、名古屋への初出店が56店と77%を占め、新進のデザイナーの店やガーデニング、ワイン、芳香用品などの新感覚の店舗で独自性を出し、現在の中心客層(18歳〜23歳)より、少し上の世代にも対応した店づくりを進めるようです。
 また、栄地区において残されている最後の開発有望地とされている三越百貨店の南側の土地(現在三越の駐車場になっているところ)に、売り場面積約5万平方メートルの大型商業ビルの開発計画も進んでいます。早ければ2001年にも着工する模様です。

 先日、東急百貨店が日本橋店の閉鎖を決めましたが、スーパー、コンビニ業界含め、外資を巻き込んで今、日本の商業環境が変革の時を迎えています。名古屋においても、2000年4月の名古屋駅に進出する高島屋をにらんで、栄地区の動きも活発化しているような状態です。ついこの間は、京都を見てきましたが、JR京都伊勢丹の進出によって京都の商業環境が大きく動き出しています。ここ名古屋でも、名古屋だけに留まらず、愛知県下全体においても、これから3年くらいで大きく変わっていくことが予想されます。注意深く見ていきたいものです。日本全国でオーバーストアが叫ばれていますが、名古屋地区においては、まだキャパ(余裕)が残されているように感じます。

By Nagura

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