学生たちが商店街で活躍する
大垣市中心市街地を訪ねて 
(日本・岐阜)

視察日:2002年11月14日〜15日

 岐阜県第2位の都市である大垣市(人口154,085人、54,669世帯:2002年11月1日現在、面積79.75平方キロメートル)を訪ねて大垣の駅前商店街参りました。大垣市へは、日本商工会議所主催の第8回地域振興セミナー「地域の活性化は、まちなか研究室から!」で行ってきました。大垣市は、名古屋駅からJRの特別快速で30分ほどの便利な立地にあり、水の都と呼ばれ、城下町の名残りをとどめているまちです。

 セミナーは2日間にわたって行われ、初日は、座学で岐阜経済大学の学生たちの取り組み(岐阜経済大学大学院・地域経済学の鈴木誠教授より事例発表)と名古屋学院大学の学生たちの取り組み(名古屋学院大学経済学部の水野晶夫助教授より事例発表)が紹介され、翌日は実際に大垣市の中心市街地の商店街に出て、岐阜経済大学の学生たちがまちづくりに取り組んでいる様子を視察してきました。今回の視察レポートでは、学生たちの取り組みに焦点をあてて紹介していきます。

 また、これまでに学生たちが積極的にまちづくりに参画している姿を視察レポートとして、上記でも紹介しました名古屋学院大学の学生たちがまちづくりに取り組んでいる学生たちが商店街で活躍する瀬戸市中心市街地を訪ねて」と豊橋技術科学大学の都市・地域計画研究室(大貝彰助教授)のまちづくりボランティア「まちづくり工房KAI」が取り組んでいる「学生たちが商店街で活躍する豊橋市中心市街地を訪ねての二つの地域を紹介しています。併せてお読み頂けましたらと思いますマイスター倶楽部。今回の大垣での学生たちの取り組みは、視察レポートにおける学生特集の第三弾となります。

 それでは、岐阜経済大学の学生たちの取り組みを紹介していきます。彼らのまちづくり活動の拠点となる施設“マイスター倶楽部”は、大垣市中心市街地商店街のなかにあります。“マイスター倶楽部”とは、1998年10月6日、岐阜経済大学、大垣駅前商店街振興組合、大垣地域産業情報研究協議会(大垣市と大垣商工会議所が共同で運営する任意団体)の3者が共同でJR大垣駅南口の共同ビルの一角に設置した「まちなか研究室」です。一番上の画像は、大垣市中心市街地の商店街を写したものです。そして、上から2番目の画像が、商店街の中にある“マイスター倶楽部”の入り口部分の外観を写したものです。ちなみに、画像には、鈴木教授(右手)と大垣駅前商店街振興組合の北野理事長も小さくですが隅に写っています。

 “マイスター倶楽部”は、大垣というまち、岐阜という地域をどう活性化していくのか、その課題に岐阜経済大学の学生、そして地域の多くの方々が一体となって取り組むコラボレーション(collaboration:共同作業、共同製作などの意)の拠点としての機能を果たしています。当初は、商工会議所による空き店舗対策モデル事業として始まったため、補助金の切れる半年後には終了する予定でしたが、学生たちの活動が中心市街地の調査活動から徐々に商店街の事業者との協働イベントの企画、実施に及び、次第に全国的にも注目される成果を生み出すようになったことから事業は継続され現在に至っています。

 セミナーの初日の夜に懇親会があり、そこには、“まちの駅子育て支援施設マイスター倶楽部”の学生たち(代表の山口君、副代表の谷君はじめ5名ほど)も来ており、話を伺うことができました。“マイスター倶楽部”の取り組みを生き生きと話す彼らの様子が印象的でした。仕事柄多くの学生に接する機会がありますが、彼らのこちらの質問に対する受け答えが社会人を思わせるほどしっかりしていたことも印象に残っています。中心市街地商店街において、まちづくり活動を通して、いろいろな方と接していく中で、自然に身に付いた“社会性”なるものと思います。このような受け答えがしっかりしている様は、瀬戸の商店街で活動する学生たちにも同様な感覚を覚え、アルバイトで接する学生たちとはひと味違った印象を受けた次第です。

 商店街が全盛だった時代を知らない彼らが、自らの活動の場として、積極的に中心市街地商店街を活用する姿は、学内における机上の勉学とともに、“実践教育”の必要性、素晴らしさを伝えているとも言えます。また、上記のような観点から昼間の講座の時に、指導されている先生方に、まちづくり活動を積極的にしている学生たちの就職率は他の学生に比べて良いのではないでしょうか?と質問したところ、実績データはまだそれほどないが、面接時の受け答えもしっかりとでき、就職率は良い傾向にあるという旨を述べられました。机上の勉強ももちろん大切ですが、このような実践的な場で、多くの人のなかで揉まれることにより“学生たちの持っている個性”自噴井 加賀野八幡神社が磨かれていくのだろうと思います。そして、次の世代を担う“まちづくりのプロ”が巣立っていくことも大きいです。

 “マイスター倶楽部”の具体的な取り組みを紹介しますと、現在5つのプロジェクト(TMN(土まるけネットワーク)チーム、イベントチーム、バリアフリー研究チーム、新聞チーム、スポーツ交流チーム)が動いています。ざっと、各プロジェクト概要を示しますと、TMN(土まるけネットワーク)チームは、「もう一度、食と土と空気の大切さを感じ合おう」をテーマに、大垣市近郊の農家の方々と連携して、アグリーツーリズム(自然体験観光)を実践しています。イベントチームは、大垣市中心市街地にある商店街で繰り広げるイベントです。商店街のシャッターペインティング事業や商店街と共同で、真夏の雪像コンテスト、新春もちつきフェスティバルなど行っています。バリアフリー研究チームは、障害があろうとなかろうと、ともに楽しめ、利用できる中心市街地を目指して、「高齢者トイレマップ」「大垣市まちなかバリアフリーマップ」などの製作をしています。新聞チームは、中心市街地に眠ったままの生活情報を買い物、文化、観光、人材の面から掘り起こし、市民のみなさまへ情報を発信しています。スポーツ交流チームは、スポーツ交流による地域活性化を目指すプロジェクトで、岐阜経済大学の体育館を利用してフットサルのリーグ戦を行ったり、スポーツイベントへのボランティアスタッフとして参加しています。

 上記で紹介しました“マイスター倶楽部”の拠点は、空き店舗を活用したものですが、他に大垣市の中心市街地において、空き店舗を活用した取り組みとして、「コミュニティプラザまちの駅」「リサイクルプラザクルクルワールド(不用になった家具を修繕して販売)」「農家の店(西濃地域の新鮮野菜を販売)」などを展開しています。「コミュニティプラザまちの駅」は、1階に総合的な子育て支援拠点として大垣市子育て交流プラザが、2階はサークル活動や展示会、セミナー会場として市民に開放するとともに、まちづくり市民活動の拠点として活用されています。上から3番目の画像は、1階の大垣市子育て交流プラザを写したものです。ここの運営は、大垣市が委託する形で、「NPO法人 大垣子育て支援ネットワーク くすくす」が行っています。

 最後にその他大垣市で訪ねてきましたところを少し紹介します。大垣市は水の都と呼ばれるだけあり、大垣城を囲むように水郷が張り巡らされており、“奥の細道”で有名な松尾芭蕉のむすびの地でもあります。また、市内いたるところで自噴井が湧き、夏の風物詩として“水まんじゅう”も有名です。上から4番目の画像は、加賀野八幡神社にある自噴井を写したものです。深さ136メートル、口径150ミリメートルの井戸から水温14度の清らかな地下水が1年中こんこんと湧き出て、岐阜県の名水にも指定されており、おいしい水を求めて遠方からも多くの方が訪れ賑わっています。また、加賀野八幡神社の近くにある「ソフトピアジャパン」も視察してきました。ここでは、情報関連産業を中心とした先端産業の育成や地域産業の高度情報化、地域や生活の情報化、国際的なソフトウェアの研究開発を進めており、現在では、144社、約1,700人が集積する日本でも有数の情報集積拠点となっています。

 皆様方も一度、学生たちが積極的にまちづくりに取り組んでいる“水の都”大垣市を訪ねてみられてはいかがでしょうか。今回、大垣市を訪ねるにあたりまして、主催の日本商工会議所、開催地の大垣商工会議所はじめ、岐阜経済大学の鈴木先生、名古屋学院大学の水野先生、駅前商店街振興組合の北野理事長、岐阜経済大学の“マイスター倶楽部”の学生たちにご説明いただくとともに、ご案内いただきました。最後に、紙面(ホームページ・メールマガジン上)を借りまして、お礼申し上げます。ありがとうございました。

By Nagura

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