名古屋市地域防災計画・骨子

 名古屋市は、阪神大震災の教訓を踏まえて進めてきた地震被害想定と「名古屋市地域防災計画(地震災害対策編)」の見直し作業を終え、1997年6月16日の名古屋市防災会議地震災害対策部会に改訂案を報告、了承された。(1986名古屋城 イメージ年の計画制定以来初めての全面的な改定で、8月下旬の市防災会議で正式に決定される)

 今回改定された地域防災計画は、「初動活動体制」「防災拠点」「ボランティアとの連携」など12の節を新しく加え、充実を図っています。
 早朝の地震発生で初動態勢確立が遅れた阪神大震災の経験から、24時間交代で消防局の主幹を常駐させ、高所監視カメラやヘリコプターの映像で被害状況を把握できる体制を整えています。区役所だけでなく市内259の市立小学校にも地域防災無線を配備して「地域防災拠点」と位置づけ、情報を収集、伝達を行い、人手のいる区役所や保健所には、近くに住む市職員約5,400人を出動させる「指定動員制度」も導入しています。
 また、市内8カ所の大規模公園を、市外からの応援部隊の集結場所、緊急物資の集積場所の「広域防災拠点」として位置づけ、ヘリポートなどの施設を整備、陸海空の輸送ルートを確保しています。現在指定している77の広域避難場所に加えて、97カ所の公園を一時避難場所として指定し、震度5弱以上の地震が起きた場合は、市立小中学校に避難所が自動的に開設されます。
 また、ボランティア確保のため、平時から技術や資格をもつボランティアの登録制度を充実させることや、ボランティア団体のネットワーク化を図り、地震発生後は市役所の災害対策本部のボランティア班だけでなく、各区役所の本部でも受け入れができる態勢をつくる、としています。

■■ 濃尾地震級地震が発生した場合の名古屋市の被害想定 ■■ 

           死者   けが人  被災者  建物の全・半壊 焼失棟数

午前6時発生の場合 2,500人  44,000人 421,285人 153,438棟 3,701棟

午後6時発生の場合 2,200人  56,000人 433,219人 153,438棟 9,773棟

  将来名古屋市周辺で起こる想定地震として、以下の3つを想定しています。
 1. 想定東海地震(駿河湾震源、マグニチュード8前後想定、海洋型)
 2. 東南海地震(1944年、熊野灘沖震源、マグニチュード7.9、海洋型)
 3. 濃尾地震(1891年、揖斐川上流福井県境付近震源、マグニチュード8.0、内陸        直下型)

 想定地震の震源、規模、断層の割れる方向などを具体的に設定、課税台帳からこれまで想定していなかった鉄筋コンクリートなどの木造家屋以外の建物のデータも入力、市内を約1,400の500m四方のメッシュに分割して、地表の揺れを詳細に計算し、被害を冬の午前6時と午後6時に起きた場合として予想されました。市を直撃した濃尾地震級の大地震が起こった場合、西区の一部では震度7の激しい揺れとなる。西区、北区、中村区のほとんどの地域、守山区、中川区、港区の一部で震度6強、その他も震度6弱から震度5強の強い揺れになると予測しています。

 残された課題として、目標や原則だけで具体的方策を示していない部分が多い、災害に強い街づくりへの出発点に立ったに過ぎない、今回火災による被害、地下街の被害など想定から外しているため被害想定も再検討し、補強する必要がある、など指摘されています。

 被害を最小限におさえるためには、もちろん行政サイドの取り組み、整備は必要です。しかし、行政まかせだけでは、本当の防災は成りえないでしょう。住民ひとりひとりが、地震に対して備え、実際に起こった場合には、どう行動するのかをしっかり認識しておくことが必要です。

 地震は、いつやってくるかわかりません。日本人は、とかく大きな出来事を忘れがちですが、阪神大震災の教訓を生かして、次にやってくる地震に備えていかなければなりません。4つのプレートに囲まれた日本においては、地震は避けては通れない道です。

(参考文献:朝日新聞、TVニュース等)

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