第32回東京モーターショー・安全性 (日本・千葉/幕張)

視察日:1997年10月30日

 ベンツのブースでは、中型車に小型車が食い込み、斜め正面からの衝突を再現した様子が展示されていました。新型車が所狭しと並ぶ華やかなモーター安全 イメージショーの中で、めり込んだバンパーとむき出しのラジエーターにしぼんだエアバッグなど、ひときわ異彩を放っていました。

 この衝突している車種は、ベンツの中型車Eクラスと来春日本で発売予定の話題の小型車Aクラスです。時速50キロで衝突された実車を持ち込んだもので、見てわかるように、小型車のAクラスも、車内スペースは事故前とほぼ同じだけ確保されており、Eクラスと同等の衝突安全性を確保しています。

 日本における運転免許人口は6,800万人強おり、狭い国土に6,700万台近い自動車がひしめきあっています。クルマに依存している日本の交通社会は、41秒に1件の割合で人身事故が発生し、34安全 イメージ秒に1人が負傷、49秒に1人が死亡するという事態を招いています。事故死者の比率は、10代から20代の若者が中心となっています。少子化が叫ばれる中においても、事故死を減らす努力はメーカーにとって責務ともいえます。しかし、一番大切なのは、ひとりひとりのドライバーが、細心の注意を払って、安全走行をすることです。

 自動車の安全対策を考えた場合、アクティブ・セーフティー(予防安全)とパッシブ・セーフティー(衝突安全)の二つに分かれます。アクティブ・セーフティーは、危険な状況を回避し、事故を未然に防止するための安全対策を意味します。例えばドライバーにとって、死角が少なければ、それだけ事故の危険性は減少安全 イメージしますし、ハイマウントストップランプは後続車に自車のブレーキング操作をより確実に知らせることができます。パッシブ・セーフティーは、衝突時に乗員を保護するための安全対策を意味します。パッシブ・セーフティーの最大の対策は、ボディー設計です。衝突のエネルギーと衝突を吸収するクラッシャブルゾーンと、乗員の生存空間を確保する高い強度のキャビンスペースの組み合わせ構造がポイントとなります。

 シートベルト、エアバック、アンチロックブレーキ(ABS)、トラクションコントロール、ナビゲーションシステムと連動して居眠り運転など注意力が散漫な運転時に起きる車両の微妙なふらつきを検知、警告するふらつき運転検知機能など、次々と実用化されてきていますが、それらの装備に過信せずに、安全運転に心掛けたいものです。

 また、モーターショー全体を通してのコラム「第32回東京モーターショーを見てきて」、その他のレポート「国産車」「外国車」「テーマ館」「部品関係」「環境」も合わせてご覧いただければと思います。

By Nagura

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