門司港レトロ 〜 小倉駅界隈 (日本・福岡)

視察日:1998年11月11日〜13日

 門司港レトロは、福岡県北九州市門司区にあり、JR鹿児島本線の門司港駅そのものもそうですが、門司港駅周辺にレトロタウンが広がっています。小倉からですとJR鹿児島本線を使って15分程で行くこと門司港イメージができます。今回は(小倉で行われたあきない街づくり企画塾に参加することもあり)新幹線を使って行ったのですが、名古屋から小倉までは“のぞみ”で3時間かからない程です。博多に行く時には、さすがに飛行機を使っていきますが、小倉ですと両空港までの時間を考えますとほとんど新幹線を使った場合と飛行機を使った場合の時間の差はないくらいです。

 門司港の歴史を少し紐といて見ますと、明治22年(1889年)に九州の陸海の玄関口として特別輸出港に指定され、大陸貿易の拠点として繁栄していきます。そして、数々のレトロ調の建物が、かつて門司港が港町として栄えた歴史を今も物語っています。戦後消失した建物を復元し、JR門司港駅から始まるレトロタウンの開発は目覚ましいものがあります。今年に入ってからでも、レトロとモダンを調和させた建物の門司港ホテル(1998年3月開業)、門司港レトロ観光物産館(1998年7月にオープン)などが新しく建てられています。 
 行った時は、水曜日の午前中でしたが、バスツアーの50〜60代の観光客の団体、修学旅行と思われる中学生などで込み合っていました。小倉から門司港に向かう電車内は空いていただけにかなりのギャップがありました。上の画像の赤レンガ造りの建物は、明治45年建築の旧門司税関です。そして、その背後に高層マンションが建設中で、最上階の展望台は一般開放されるそうです。あきない街づくり企画塾のレセプションの時、株式会社西広の北九州支社長の柴田さんにお伺いしたところ、マンションの売れ行きは好調のようです。しかし、実際に歩いてみますと、どうも門司港レトロの景観には似つかわしくないような気がしてなりませんでした。門司港イメージ対岸の下関にある高さ153mの海峡ゆめタワー(私も登りましたが)に対抗する思惑もあるのでしょうか。
 また、小さくですが、上の写真の左端に本州と九州を結ぶ関門橋も見られます。実際に関門橋の辺りまで歩いていきましたが、アメリカのノーフォーク市の海浜公園をイメージして造られたノーフォーク広場からは、関門海峡、開門橋が真近に見られ、雄大な景色が広がっています。海岸線に沿ってつくられためかり観潮遊歩道も水しぶきがかかりそうなほど、水辺に近くなかなか迫力があります。関門海峡の流れをしばらく見ていましたが、流れはかなり速く、目と鼻の先に下関が見えます。関門海峡で最も狭いところは720mほどです。
 全長1068mのつり橋(片側3車線)の関門橋は1973年11月14日に開通し、私が行った時は、ちょうど25年目を迎えようとしているところでした。ちなみに25年前の関門橋が開通した頃の出来事としては、いまや日本人にすっかり定着したコンビニのセブンイレブンジャパンが設立した年でもあります。今や多くの人が、ごく自然に使っているコンビニが、25年前は珍しいものだった思うと大躍進とともに不思議なものが感じられます。

 また、門司港駅から少し離れますが、地元の台所となっている商店街“栄町銀天街”も歩いてきました。さすがに観光地だけあり、商店街内にも観光案内所がありました。買い物をされている方は、高齢者の方が目に着きましたが、けっこう観光客風の方も訪れていました。1本裏にそんなに大きくはないのですが、サティ(マイカルグループ)があり、ここはセールをやっていたのかかなりの人でにぎわっていました。

 上から2番目の画像は、旧大阪商船(大正6年建築)の建物の内部を利用した「海・港・船」をテーマにした海事資料館を写したものです。その他の見所としては、全国でただひとつの歩行者専用のはね橋の“ブルーウィングもじ”が1日に4回開閉します。また、門司レトロの旅の始まりとなるJR門司港駅は、大正3年の建築で、ヨーロッパの主要駅をモデルにしたといわれるネオ・ルネッサンス様式の木造2階建てで、特に駅前広場の噴水ごしに眺めるのが趣があります。今回は、昼間に行きましたが、夜間ライトアップされた建物はより幻想的な趣が感じられることと思われます。たいへん充実してきていますので、皆様方も一度、異国情緒あふれる門司港レトロに行かれてみてはいかがでしょうか。

 話は小倉駅界隈に変わります旦過市場イメージが、新小倉駅ビルは、今年(1998年)4月に開業したばかりです。新駅ビルの建設に併せ、都市モノレール小倉線がJR小倉駅に乗り入れられ、駅前にはペデストリアンデッキがつくられ、新駅ビル内にはステーションホテル小倉と商業施設のアミュプラザが入っています。地下1階から地上8階がアミュプラザとなっており、200店ほどの店舗が入っています。9階から14階がステーションホテルとなっています。今回、ステーションホテルの南側の12階に泊まったのですが、駅前のペデストリアンデッキが見下ろせるとともに小倉城も眺めることができました。

 小倉駅周辺の商業空間を見ていきますと、駅ビルのアミュプラザ、駅前にペデストリアンデッキで接続されている“小倉そごう”があり、そして商店街・市場のアーケードが南に向かって長く伸びています。また、小倉駅の北側には“ラフォーレ原宿小倉”もあり若者の人気を集めています。
 平日の午後6時ころに小倉駅前から南に伸びる商店街(魚町銀天街、京町銀天街、旦過市場)を歩いてきましたが、かなり人が出ており活気が感じられました。駅前から端の旦過市場まではけっこう距離があるのですが、人並みが跡絶えることはありませんでした。また、翌日の正午ころにも行ったのですが、旦過市場は、通路が狭いこともありますが、擦れ違うのもたいへんなほどのにぎわいでした。上から3番目の画像が旦過市場の様子を写したものです。
 しかし、よくよく考えてみますと、北九州市は100万都市であり、小倉はその中心・核となっているところです。どうも私自身が馴染みが薄いということもありますが、30万〜50万人くらいの地方都市のイメージで見ていたので、予想以上の活気が感じられましたが、100万人を抱える政令指定都市と考えれば、このにぎわ小倉城イメージいは普通といえば普通と言えます。また、あきない街づくり企画塾のレセプションの時に地元の方、数人にお聞きしたところ、新駅ビル完成によって以前に比べ、活気・にぎわいの面で大きく変わったとそれぞれの方がおしゃっていました。

 一番下の画像が、小倉城を写したものです。小倉駅から歩いて15分ほで行くことができます。今年(1998年)8月に小倉城がある公園内に、北九州出身の作家・松本清張の資料や遺品を展示する松本清張記念館がオープンしました。多くの方がお読みになったこととは思いますが、私もたしか中学校のころだと思いますが、松本清張著の推理小説「点と線」をわくわくしながら読んだことが記憶に残っています。その思いもあり、松本清張記念館を覗いてきた次第です。ちょうど観光バスが着いた時間と重なってしまい、中はかなり込み合っていました。この記念館の一番ユニークな点は、東京・杉並にあった松本清張宅「仕事の城」をそのまま再現している点です。ガラス越しに見える書斎、約3万冊ある膨大な蔵書には創作のすごさが伺えます。入場料は500円ですが、ファンには一見の価値があると言えます。ちなみに松本清張記念館、小倉城、小倉城庭園の3施設共通入場料は700円と別々に買うのに比べ450円お得となっています。松本清張について少し書き加えておきますと、社会派推理小説、歴史小説、現代史、古代史の研究など広範囲な創作活動を続けた作家であり、1909年現在の北九州市に生まれ、1992年8月4日に亡くなっています。最後まで作家として全力で駆け抜けた巨人と言えます。

 最後に北九州市で最も旬な話題を乗せておきます。それは、1998年10月にオープンしたばかりの北九州メディアドームです。北九州メディアドームは、競輪発祥の地でもある小倉競輪場が老朽化したため新たに改築したものです。メディアドームという名が示すように、競輪場を再整備するだけにとどまらず、コンサートやスポーツ、文化イベント、マルチメディア体験館などが楽しめる全天候型の多目的ドームとなっています。北九州メディアドームの周りを歩いて回りましたが、なかなか斬新なデザインの建物で、競輪場とは思えないほどです。

By Nagura

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