国立市のエコロジー商店街を訪ねて (日本・東京)

視察日:2000年3月3日

 東京都国立市(人口:70,334人:平成11年1月1日現在)のエコロジー商店街を訪ねてきました。以前に視察レポート上で国立の紹介をし国立駅イメージたことがありますが、今回は、国立市商工会が事務局となって進めている商店街カード「くにたちカード」の取り組みを中心に紹介していきます。

 くにたちカードは、第9回流通システム大賞の奨励賞に選ばれています。冒頭でも「エコロジー商店街」と書きましたが、商店街カードにエコロジー機能を付けたことのユニークさと後ほど紹介しますが、加盟店業種の多様さが受賞にいたっているようです。

 まず、エコロジー機能はどのようなものかということについて説明していきます。リサイクル・エコロジー機能とも呼ばれており、環境に配慮した取り組みに対して、ポイントなどを還元するものです。くにたちカードにおいては、買い物袋を持参して、レジ袋を必要としないお客さんに1ポイント発行しています。また、毎月1回、全加盟店で牛乳パックを回収して、回収パックに応じて(1リットルの牛乳パック5枚で1ポイント)ポイントを発行するなどゴミの資源化・減量に取り組んでいます。今後、エコポイントの対象を、空き缶や瓶、ペットボトルなどにも広げていくことも検討しているようです。
 くにたちカードのポイント発行還元の仕組みを簡単に説明しますと、お買い上げ金額100円毎に1ポイントが発行され、500ポイント以上たまったら500ポイントで500円、1,000ポイントで1,000円というように買い物時に利用できます。1ポイント=1円の1%の還元率となっています。エコポイントも通常の買い物時のポイントと同様に、カード上に累積されていきます。利用者のカード発行における入会金や会費は一切なく、加盟店においてその場で即発行してくれます。カードは、メモリ大学通りイメージーが埋め込まれたICカードを使った最新の累計データなどが目視できるアイメッセカードです。
 また、たまったポイントを買い物時に利用するだけでなく、各種チケットに交換できるサービスもしています。東京ディズニーランド・パスポートチケット、ハイウェイカード、国立駐車場回数券、バス共通カード、JRイオカード、JTB旅行券などが用意されています。各チケットにおいて、2,100ポイント、3,500ポイント、7,000ポイントなどのように設定されていますが、通常現金で購入するより、ポイントで交換する方が3割〜4割のお徳となっています。そのため、各チケットは毎月先着100名限り(お一人各2枚限り)となっていますが、人気があり交換期間(毎月1日〜10日)の初日でなくなってしまうチケットもあるそうです。

 次に加盟の多様さという観点でみていきます。現在(2000年3月3日時点)、国立市内の231店舗が加盟しています。くにたちカードの場合、国立市商工会の会員なら、業種を問わず加盟することができるため、食料品、飲食など全国の商店街カード加盟店に見られるサービス業以外に、造園業、自動車販売、印刷業、歯科医、新聞販売店、バレエ教室、証券会社なども加盟しており多業種に及んでいます。加盟店におけるポイントの活用方法は、100円につき1ポイントの発行という点が基本的に決められているだけで、各店においてポイントの2倍セール、3倍セールなど自由度はあります。

 以上において、くにたちカードのユニークな機能・取り組みを中心にみてきましたが、カード事業に商店街イメージ乗り出した背景も少しみていきます。くにたちカードは、平成9年(1997年)10月にスタートして、現在2年半近くが経過しており、加盟店舗数は先程記載しましたが231店舗、お客さまのカードホルダーにいたっては4万6千枚を超えています。環境への高まりがさらに強くなっている中、さらなる飛躍に向けて歩んでいると言えます。
 「くにたちカード」発行のそもそものきっかけは、隣接する立川市や国分寺市で大型店攻勢が相次ぎ、「このままでは大型店に押され、経営が危うくなる」という危機意識にあったようです。できるだけユニークさを出そうという考えから、エコポイントの設定や扱い店の業種を広げ、カードのメリットを出すことに主眼がおかれたようです。エコロジー機能の背景には、平成4年(1992年)12月から始まった国立市ごみ問題市民委員会に発端があり、以前から市民レベルにおいて環境に関しての意識が高かったことが伺えます。

 今回、国立市のくにたちカードを紹介しましたが、全国的にリサイクルなど環境保護への取り組みが、行政、商店街、市民レベルで進んでいます。空き缶リサイクルの取り組みでは、コラム「早稲田大学周辺商店街の取り組みを考察する」の中で紹介していますが、早稲田周辺の商店街の取り組みが脚光を浴びています。商店街カードにおける環境という視点では、今回紹介しました「くにたちカード」が市民を巻き込んだ形で先駆的と言えます。これからますます全国の商店街において、環境へのユニークな取り組みが出てくることと思われますが、その際、消費者、地域住民と一緒になって、長期的な視点に立って進めていってもらいたいものです。

 最後に、画像の説明をします。一番上の画像は、西に伸びる商店街の通りから国立駅を写したものです。上から2番目の画像は、国立駅からまっすぐ南に伸びる大学通りの歩道を写したものです。画面上の見える木は、桜の木で桜の名所としても有名ですので、後1カ月もすれば、きれいに咲くことと思われます。上から3番目の画像は、国立駅から東に伸びる通りを写したものです。

 今回、国立のエコロジー商店街を訪ねまして、国立市商工会の實寶(じっぽう)氏、古川氏に「くにたちカード事業」についてご説明を頂くとともに、手芸とDPの店「みどり」の店主にもお話を伺いました。最後に、紙面(ホームページ・メールマガジン上)を借りまして、お礼申し上げます。ありがとうございました。

By Nagura

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