ジャスコ小牧店 (日本・愛知)

視察日:1998年1月16日

 1997年11月に、ここジャスコ小牧店において、米国流HMR(ホーム・ミール・リプレイスメント)に本格的にジャスコイメージ取り組んだ独立した惣菜売り場「レディーミール」が誕生しました。米国の食卓革命と言われるHMR、直訳すれば「家庭料理(内食)の代用品」となり、要するに、持ち帰りすぐに食べられる惣菜などの調理済み食品のことを指します。女性の社会進出が強まる中、米国の食品スーパー業界はHMRを旗印に惣菜などの調理済み食品の強化に乗り出しています。実際にロサンゼルスで見てきた高級スーパーの「ブリストル・ファームズ」においても、前菜から主菜まで幅広く品揃えされていたのが印象に残っています。
 外で仕事を持つ主婦が増え、調理時間の短縮や手軽な惣菜の味の向上を望む消費者の声は、何もアメリカに限ったことではなく、今、日本でも同様の変化が起きています。食卓の主役が手作り料理からHMRへ多様化の動きを見せています。各スーパーでもHMRに対応した惣菜売り場の改革に乗り出しています。ダイエーでも宝塚中山店(ジャスコイメージ兵庫県)で、惣菜を1カ所に集約し、HMR色を打ち出しています。イトーヨーカ堂、ユニーなどでも惣菜売り場を前面に出したり、内容の見直しなどの強化が図られています。

 従来のスーパーの店舗ですと、惣菜というと鮮魚、精肉売り場で惣菜も一緒に取り扱っているのが普通だったと思います。しかし、ここジャスコ小牧店の惣菜売り場は、独立したレイアウトになっています。店内キッチンで作った惣菜を売る対面コーナーが壁一直線にあり、箱型に入ったチルドレディーミールの専用冷蔵ケースがずらーと並んでいます。ジャスコでは、このチルドレディーミールの開発に2年間をかけたそうです。食品メーカーや卸が提案した商品ではなく、バイヤー自身が全国各地で評判の飲食店を回り、そこの商品を目標に自社内ジャスコイメージで開発した商品群ばかりということです。容器ごとに温めて皿に盛りつけでき、タラのサフランソースや海鮮焼そばなど和洋中の85品目が揃えられています。味を大切にするため、冷凍やレトルト加工はしていなく、保存性に配慮して調理を終えてから店頭までの流通段階を摂氏4度以下に保つなど徹底した管理がなされています。
 また、惣菜の隣では、焼き立てパンを売っている「パン工場」もあります。

 この間、流通新聞(1月13日付)を見ていたら、今年は、「失楽園」ならぬ「室楽園」消費が大きく開花しそうであるという記事がでていました。この「室楽園」というのは、家庭で楽しむものが人気があり売れている(売れそう)ということを言っています。たとえば、ガーデニング、リフォーム、アロマテラピー、快眠マクラ、マッサージチェア、音が静かな掃除機、ファクシミリ付き電話、洗浄機能付きトイレ、生ごみ処理機などです。すべてに共通しているのは、家庭の中で楽しんだり、使ったりするもので、家庭における快楽には投資も惜しまないという人が増えているということでしょう。
 この「室楽園」現象は、バブル崩壊後の家庭回帰が原点になっているのでしょう。それに伴いホームパーティーを開く機会が多くなった家庭も多いようです。ホームパーティーには、プロのシェフが調理した高品質化している惣菜などはもってこいでしょう。
 家庭の食卓への回帰が進む中、現実には「調理する時間がない」「面倒くさい」という現状が変わりない以上、今回ジャスコ小牧店で見てきたような新コンセプトHMRは、惣菜市場の需要を大きく伸ばしていきそうです。

 まあ、忙しい現代人ですから、便利なものは便利なものとして利用すればいいと思いますが、残していくべきもの、残していかなければいけないものは、しっかり考えて(認識して)いくべきでしょう。
 山村へ昔ながらの手作りの味を求めて旅行に行ったりする時代です。山村にとって普通に食べている食事が売り物になってしまうのですから・・・。

 手作りの味、昔からの代々の味というものは、大切にし後世に残していって欲しいものです。

By Nagura

リターンイメージリターンイメージリターンイメージリターンイメージリターンイメージ