東京湾臨海部の君津市界隈を訪ねて (日本・千葉)

視察日:2000年12月25日

 千葉県君津市(人口:約9万3千人、面積:318.83平方キロメートル)を訪ねて参りました。君津市は、房総半島における東京君津駅湾岸側に位置し、自然豊かで、気候が温暖なところです。北は、木更津市に接しており、木更津市と川崎市を結んでいる東京湾アクアライン(1997年12月18日開通)を利用すれば、東京都心へのアクセスは非常に便利です。君津市は、東京都心部から直線距離でおよそ50キロメートル圏内に入ります。かつてこの地は、漁師町であり、漁業が中心で、ノリ養殖などが盛んに行われていました。当時の風景が感じられる漁具の展示やノリづくりを体験できる漁業資料館もあります。今は、東京湾臨海部に新日鉄の君津製作所が昭和40年に操業をはじめ、京葉臨海南部工業地帯の一翼を担っています。新日鉄の企業城下町という様相も見せています。

 少し東京湾アクアラインについて説明しますと、多くの方が、名所にもなっている海上に浮かぶぐるりと東京湾を360度望むことができるパーキングエリア「海ほたる」をイメージするのではないでしょうか。東京湾アクアラインは、東京湾を横断する(京浜地区と房総地区)自動車専用道路です。距離にして15.1キロメートル(川崎浮島インター〜木更津金田インター間)で、川崎側約10キロメートルがトンネルで、木更津側約5キロメートルが橋梁となっており、連結部に先程のパーキングエリア「海ほたる」があります。まさに、名前の通り、夜になると東京湾に浮かぶほたるのような光景だろうと思います。東京湾アクアラインは、京浜地区と房総地区両地域の交流促進、房総地区の振興寄与の他に、首都圏の南回りのバイパスとして、都心部の渋滞緩和・環境改善などの役割を担っています。しかし、通行料金が高いということもあり、当初の計画交通量には達していないのが現状です。特に物流面は低調のようですが、観光客などバス利用における人の流れは健闘しているようです。活性化策として、償還期間を伸ばし、平成12年から平成19年まで時限的に料金を下げる(普通車の場合:4000円が300君津駅南北連絡通路0円に)などの試みも行われています。今回、君津市へは、行きは、東京駅からさざなみ特急を使って電車でいきましたが、帰りは、東京湾アクアラインを通る高速バスを利用して東京に戻りました。東京湾アクアラインを通ったのは、夕方6時頃でしたが、木更津から海ほたるの間の橋梁部分の対向斜線を見ていましても、交通料の少なさが目につきました。

 一番上の画像は、JR君津駅の南側を写したものです。君津駅周辺の商業施設としては、画像の左端に見えるイトーヨーカ堂(駅北側に立地)とユニー系のアピタ(駅南側に立地)があります。実際に駅周辺を1時間近く歩いてきましたが、平日の月曜日ということもあり、それほど人通りはありませんでした。君津駅南口から少し行ったところにあるそごうのギフトショップは、隣の木更津のそごうが閉店した影響もあるのか、看板は掛っていましたが、閉店しているようでした。上から2番目の画像は、JR君津駅の改札付近を写したもので、駅の南北を結んでいる連絡通路がご覧いただけることと思います。
 少し広域的に商業動向を見ますと、隣の富津市(ふっつし)にイオン富津ショッピングセンター(ジャスコを核店舗に複数の専門店がある複合商業施設)があり、ここ君津駅からも無料の専用バス(20分ほど)が出ています。また、昨年末(2000年12月1日)に木更津に君津にもあるユニー系のアピタ木更津店(アピタと37の専門店)がオープンしています。木更津そごうの撤退後の今までそごうに流れていた消費者(売上げ)の奪い合いが進んでいるとも言えます。

 次に君津・木更津エリアにおけるプロジェクトを見ていきかずさアカデミアパークからの眺めます。君津・木更津エリアにおいて、「かずさアカデミアパーク構想」が進められています。千葉県(人口:約585万人)のビッグプロジェクトの一つです。千葉県が進めている「千葉県新産業三角構想」は、「幕張新都心構想」「成田国際空港都市構想」「かずさアカデミアパーク構想」の3つのプロジェクトを指し、それぞれの立地が幕張、成田、君津・木更津地域とちょうど三角形の頂点で結ばれていることから千葉県新産業三角構想という名称が付いています。
 君津・木更津エリアのプロジェクト「かずさアカデミアパーク構想」は、現在第一期工事(約278ヘクタール:木更津市約216ヘクタール、君津市約62ヘクタール)がほぼ完了しており、既に稼動しているものもあります。かずさアカデミアパークは、エレクトロニクス、新素材、バイオなど先端技術産業分野の民間研究所を中心とした国際的なサイエンスパークを創ろうというもので、君津市と木更津市の両市にまたがる緑豊かな丘陵地に広がっています。
 中でも、目玉の施設は、1994年10月に開所した「かずさDNA研究所」です。人や動物、植物など、すべての生物の遺伝情報をつかさどるDNA(デオキシリボ核酸)の研究を専門とした世界で初めての研究施設です。21世紀のリーディング産業として期待されるDNA産業の創出拠点として、世界的に注目されています。その他、1997年2月にオープンしたホテル、コンベンションホール、商業施設、スポーツクラブなどから成る「かずさアーク」、賃貸式研究開発施設の「かずさインキュベーションセンター」などがあります。上から3番目の画像は、かずさアークから東京湾を望んだ方向を写したものです。肉眼では、画像の中央辺りに東京湾アクアラインが見えたのですが、画像上ではやや白っぽくなっており、わかりにくいと思います。

 最後に、今、全国各地で市町村合併の話が出ておりますが、この地域におけるパターンを見ていきます。千葉県が示した市町村合併推進要綱の結びつきパターンによると、君津地域の4市(木更津市、君津市、富津市、袖ヶ浦市)による合併のパターンが挙がっています。期待される効果(方向性)として、4市の合併により人口が約33万人となり、中核市移行による権限拡充とイメージアップが図られるとしています。また、東京湾アクアライン等を生かした一体的なまちづくりの展開・地域の一体的整備・振興、行財政基盤の強化、行政運営の効率化などが挙げられています。

 君津・木更津界隈は、かずさアカデミアパークを中核として、これから館山自動車道の延伸など東京湾アクアラインを通しての都心部との接続もよくなり、非常に期待が持てる地域と言えます。今後、人の交流、モノの行き来を活発にするためにも、東京湾アクアラインのより一層の活用策(活性化策)が望まれるところです。昨今ちまたで行われている価格破壊を助長するわけではありませんが、通行料金を一桁下げるぐらいの思いきった策を取るとすれば、一気に交流が促進されることと思います。

By Nagura

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