豊川サティ 〜 開運通商店街 〜
〜 アイレクステラス界隈 
(日本・愛知)

視察日:1998年12月11日

 豊川サティ(店舗面積約2万5千平方メートル:マイカルが展開している一業態)は、1998年9月末に豊川市の中心市街地(開運通2丁目)にオープンした複合商業施設です。豊川サティは、5階建てで1階と2階が物販・飲食などのスーパー豊川サティイメージ、専門店が入っており、3階にシネマコンプレックス(映画館)、ボーリング場、アミューズメント施設が入っています。3階の一部と4階より上は駐車場(約1,500台分)になっています。
 今回、豊川サティには車を使って行きましたが、JR豊川駅、名鉄豊川駅から商売の神様・豊川稲荷の横を通り抜け、開運通商店街を歩いてきても15分ほどで来ることができます。ちなみに豊川サティの駐車場は、最初の1時間は無料ですが、その後は駐車料金(買い物金額により割引はありますが)が発生します。後ほど述べますが、豊川サティから1キロメートルほど離れたところにあるアピタ(ユニーが展開している一業態)が核店舗となっているプリオ(PRIO)でも駐車場は有料となっています。

 豊川サティの店内は、たいへん明るく広々としています。全体的には、全国各地で展開している大型スーパーとそんなに変わりはないのですが、変わったところを一つ挙げるとすればテーマレストランのギャオ(Gyao)でしょうか。テーマレストランというのは、あるテーマを取り入れ、そのテーマに沿って店内装飾を施し雰囲気を強調しているレストランのことです。ギャオ(Gyao)では、熱帯雨林のジャングルというイメージが打ち出されています。
 上の写真がギャオの外観を写したものです。今回は、昼食をすでに済ませていたこともあり、食事はしておりませんが外観からでも充分イメージが伝わってきます。1階の北出入口を入った角にあり、写真に見えるサンタクロースの横の岩で囲まれた中には、ワニがおり本物そっくりに口を大きく開けたりしています。

 最近、東京・渋谷でも「アメリカから見た50年代のヨーロッパの下町」を再現した1000席を誇る大型のテーマ型レストランのボビーズカフェや「ヨーロッパから見たアジア」をテーマとしたブッツ・トリップ・バーなどが話題になっていますが、テーマレストランというテーマ性で集客を図るという形態は、まだまだ日開運通恵比寿さんイメージ本では少なく、単なる一瞬の人気で終わるか、本当に受け入れられていくかは、これからといったところです。

 アメリカに目を向けますと、様々なテーマレストランが事業展開されています。スティーブン・スピルバーグが店づくりを考案した潜水艦(サブマリン)をテーマにした深海にいるような雰囲気を醸し出している「ダイブ」、アーノルド・シュワルツェネッガーなど米国の有名映画スターが共同出資した映画やスターをテーマにした「プラネット・ハリウッド」の他、熱帯雨林をテーマにした「レインフォレストカフェ」、ハードロックをテーマにした「ハードロックカフェ」などが挙げられます。
 実際にアメリカに行った時に、「ハードロックカフェ」「プラネット・ハリウッド」で食事をし、「ダイブ」「レインフォレストカフェ」の外観を見て参りましたが、一般のレストランに比べ価格が少し高めなのですが、味を楽しむというよりも、展示されているものを鑑賞するなどの視覚、聴覚で雰囲気(娯楽性)を楽しむといった感じでした。ただ、テーマレストランは、繰り返し利用すると新鮮味が薄れるという弱点もあります。飲食メニューの他に「テーマ」という集客手段を持っている二刀流は強みでもあるとともに弱みにもなりえます。米外食産業の中でも、テーマレストランは最も人気の移り変わりが早いと言われているだけに、テーマそのものの競争力が今問われています。日本でもゆくゆくは競争力が問われる時を迎えることでしょう。

 豊川サティ前に広がっている開運通商店街(豊川稲荷から陸上自衛隊豊川駐屯地までの約850メートル)では、豊川サティのオープンに合わせ、豊川サティに集まる大勢のお客さんを商店街に呼び込もうと活性化に乗り出しています。その一弾として1998年10月4日に七福神の石像が商店街一帯に7体が配置され、スタンプラリーや七福神踊りなどの「豊川ぶらり開運フェスティバル(10月3日〜4日)」が行われました。中央の写真が豊川サティの斜め前の交差点近くにある恵比寿さんの石像を写したものです。高さは約1メートルほどです。フェスティバル開催中には、縁起を担いで、早くもさい銭を置いていく人もあったそうです。
 全国の中心市街地で見られるように、開運通商店街も中間あたりに駐車場(無料)付きのユニーはありますが、商店は点々としている状態でした。“運を開く”という縁起の良い開運通という名前といい、新たに設アイレクステラスイメージ置された福を呼ぶ七福神、そして商売繁盛のおいなりさん(豊川稲荷)も近くにあり、何とも運が開けそうな土地だけに、相乗効果を利用して盛り上がっていって欲しいものです。

 文頭で述べましたアピタが核店舗となっているプリオは、地下1階から地上5階のフロアにスーパー(アピタ)と専門店が入っており、形態としては豊川サティと似ています。なおかつ両店の距離は約1キロメートルと極めて近いところにあります。プリオでは、豊川サティオープンに合わせ、食品売り場の改装、1階と地下を結ぶエスカレーターの設置、自転車置き場の屋根の設置、店の敷地内にタクシー乗り場を設けたりと地元客へのサービスを打ち出しています。豊川サティのオープン効果はしばらくは持続すると思われますが、年末商戦はじめ今後、豊川市(人口約11万4千人)における両社の戦いは激しさを増しそうです。

 また、今回、パティオ豊川、アイレクステラス(豊川)、ヤマサゲストガーデン(豊川)、スピリングスひよし(京都)などをプロデュースされている株式会社ハクヨプロデュースシステム社長の笠原盛泰氏にお会いしてきました。笠原氏は、日本青年会議所の中心市街地活性化委員会の委員長もされており、まちづくりについていろいろとお話しを伺うとともに情報交換させていただいてきました。
 中心市街地・商店街活性化について笠原氏に伺った中で、「私たちは地域生活者であるとともに、消費者でもあり、地元経済人でもあり、まちづくりの担い手でもあるという複眼的視点」「誰かが進んで買ってでていく行動がなければ実現できないという考え方」「人の集まる場としてとらえる切り口」などが共感できるとともに特に印象に残りました。
 上から3番目の写真は、アイレクステラスの中にある店舗を写したものです。アイレクステラスは、1989年8月にオープンし、来年10周年を迎える複合商業施設です。先程述べましたプリオから1.2キロメートルほど豊橋方面に行ったところにあり、生活雑貨、ブティック、ケーキショップ、カフェ、美容院などの店舗を初め、スポーツクラブ、多目的ホールなどが入っています。
 一つ情報として、今年の夏にレポートしました“パティオ豊川”に、来年(1999年)1月中旬にベーカリーレストラン「ラ・カンパーニュ」がオープンするそうです。手づくりパン、手づくりケーキ、ヨーロッパ風惣菜、ワインなどが揃えられ欧風に仕上がる模様です。テイクアウトもできるということです。来年オープンしたら一度舌鼓に行かれてみてはいかがでしょうか。

 少し、マイカルの今後の店舗展開を見ていきますと、駅前への大型店出店計画が目白押しとなっています。地価の下落、都心部に人が戻ってきていることなどの状況を反映してか、駅前立地が再び脚光を浴びつつあります。その中でもマイカルは、橋本(神奈川県相模原市)、東武東上線東武練馬駅前(東京都板橋区)、JR浦和駅東口再開発(埼玉県浦和市)、有松駅前第1種市街地再開発ビル(名古屋市)へ、そして2001年1月に誕生する新駅「妙典駅(仮称:千葉県市川市)」にも1999年春の開業を目指して建設が進められています。マイカルの小林敏峯会長は、“駅前”にかける期待の大きさを「高齢社会を迎える日本では米国ほど車社会は進まないし、今後は鉄道の重要性が増す。新線や新駅の計画も多いので、今は百年に一度のビッグチャンスだ」と表現しています。

 最後に豊川におけるまちづくり関連情報を載せておきます。豊川市は、中心市街地の活性化に向けた基本計画を策定するため、地元商店主や学識経験者らを含んだ「中心市街地商業等活性化基本計画策定委員会」を組織しました。国が推進する中心市街地活性化法の事業認定を目標に、豊川稲荷の門前町としての風情を生かした景観づくりなど、都市整備や商業振興などの基本政策を1999年春までにまとめる予定です。JR豊川駅から豊川稲荷、名鉄諏訪町周辺までの約116ヘクタールを、豊川地区、中央通地区、諏訪地区の3地域に分け、小公園の整備やイベント開催など各地域に応じた対策を検討する模様です。
 また、豊川市内2店目となるカーマホームセンター豊川東店(店舗面積4,712平方メートル)が1999年11月3日のオープンを目指しています。

By Nagura

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