ジェイアール京都伊勢丹 (日本・京都)

視察日:1998年4月16日

 ジェイアール京都伊勢丹は、1997年9月11日に「新京都駅ビル」の中核商業施設としてオープンしました。前回出張で京都に行った時は、たまたまジェイアール京都伊勢丹が休みだったので見る伊勢丹イメージことができなかったのですが、今回やっと店内をぐるっと見ることができました。
 新しくなった京都駅の全体像につきましては、前回行った時に載せました視察レポート「新京都駅ビル」(1998年2月3日)を読まれますと、よりご理解いただけると思います。

 行った日は、平日でしたが、京都は春の観光シーズンを迎え、人人人で大変込み合っていました。ジェイアール京都伊勢丹の店内を見回しても、一般の買い物客に混じって観光客、修学旅行と思われる中高校生、バスガイドさんたちも多く目につきました。
 また今朝は、名古屋駅から新幹線に乗る時からいつもに比べ並んで人が多く、車内もかなり込み合っていました。4月5日に明石海峡大橋が開通したばかりですし、関西方面へ向かう観光客も多いのではないかと思われます。

 京都駅全体豪華そのものですが、ジェイアール京都伊勢丹の店内も広々として豪華であり、ゆったりとした独自性が感じられるレイアウトになっています。一番の特徴が、2階から11階のレストラン街、さらに屋上まで階段状に一つにつながっているエスカレーターです。左上の写真が、そのエスカレーターですが、まっすぐ歩いていくだけで屋上まで行くことができ、昇るにしても降りるにしても壮観な眺めです。また、写真を見て頂けますとわかりますが昇り降りのエスカレーターは平行に隣同士に設置してあるため、誤って昇って下の階に降りたい時、またその逆の場合などは便利です。普通の百貨店などの場合ですと、1回裏側に廻り込まなければなりませんが、こ伊勢丹イメージこジェイアール京都伊勢丹の場合は、隣に移動するだけで事足ります。ちなみに2階部分へは、新幹線の下り口の南北通路から直接入ることができます。また、3階部分には大きな吹き抜け空間が広がっており、開放感が楽しめます。
 品揃えを見ていきますと、京都ならではの商品構成が目につきます。地下食品売り場では、京都の逸品を集めた惣菜コーナーや京都中央市場直送の京野菜が並べられており、にぎわいの中にも華やかさが感じられます。また9階では京都の紙や竹を使った和雑貨や京都出身の作家の作品をそろえた和洋食器などが並んでおり、こちらは京都ならではの風流さも感じられました。

 ジェイアール京都伊勢丹には、オープンから半年間(1997年9月〜1998年3月)で約1,450万人が訪れたそうです。この数値は、東京ディズニーランドの年間入場客に匹敵するほどの集客数です。売上高も開業半年で260億円と目標額の6割強を上回る勢いを示しています。
 ここ数年の新規百貨店の傾向をみますと、開店後3カ月は好調に推移するもののその後は売上げの伸び足が鈍るといった傾向が見られますが、ジェイアール京都伊勢丹はいまだに快進撃を続けています。オープンの日には、開店前に約8千人が並び、21万人が訪れ1日で4億円強の売上をあげています。昨年の山一証券などの金融機関の経営破綻など経済状況、消費低迷の影響もあり、オープン時の爆発的な勢いは衰えてきていますが、それでも京都市内の他の百貨店伊勢丹イメージをしり目に一人快走を続けています。

 そんな一人勝ちを続けているジェイアール京都伊勢丹に対し、京都の他の百貨店も相次ぎ対抗策を打ち出してきています。高島屋京都店は、30〜40代向けの高級ブランド品売り場を広げ、京都近鉄では、現金顧客に限定したポイントカードの導入を検討しています。その他、大丸、阪急でも対応策を検討しています。
 左の写真は、京都駅のお勧めの絶景ポイントの大階段(幅26メートル、171段)です。また写真の右上端にちらっと見えるのが、空中散歩が楽しめる「空中経路」です。この日は、天気も良かったこともあり、階段上で寛いでいる人も見られました。週末などは、階段を縫って歩かなければならないほど寛ぐ人であふれかえっているそうです。
 ここで少し興味深い数値を紹介します。オープンから3月までのジェイアール京都伊勢丹による来客調査によると、京都市内在住の客が38.8%にとどまったのに対し、大阪府14.2%、滋賀県11.9%、兵庫県5.4%と広く県外から客を集めており「広域百貨店」の様相を見せています。オープン時はもの珍しさもあって広域から来店しているという特殊な事情もありますが、人気スポットになっていることは確かなようです。また、広域からの集客の背景には駅に隣接していることもあり、提携しているJR西日本の協力もあるようです。開業直前にダイヤを改正し、大阪から京都方面行きの電車を高槻駅止まりの電車を減らし、京都駅止まりを増やしたといいます。これが、大阪、神戸からの集客アップに貢献しているとも言われています。

 伊勢丹の関西地区における足場づくりは、始まったばかりですが、一方、東京の伊勢丹新宿本店では、パリ発の高級食料品店エディアールの「クィニィ・アマン」が行列ができるほど女性の間で人気を集めているそうです。「クィニィ・アマン」とは、フランス・ブルターニュ地方に伝わる伝統的な食べ物で、バターのお菓子という意味だそうです。見た目はお菓子ですが、生地を発酵させてから焼くため正確にはパンで、クロワッサンとクッキーの中間といった複雑な食感が受けているようです。1回70個限定のクィニィ・アマンは、15分ほどで風のように売り切れてしまうそうです。

 関東地区では、知名度の高い伊勢丹ですが、関西地区においては初出店ということもあり、開業景気が一段落するこれからが、関西地区にしっかりと根をおろし、京都府民に親しまれ愛されていくかが正念場と言えます。他の百貨店も攻勢をかけてきていますし、京都の流通業界はますます競争が激化しそうな気配です。

By Nagura

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