秋の鈴鹿山脈(藤原岳)を歩く (日本・三重)

視察日:1999年11月14日

 四季を通じて、登山やキャンプ等で多くの人々に親しまれている標高1,000メートル級の山々が連なる鈴鹿山脈西藤原駅に位置する藤原岳(標高1,120メートル)に登ってきました。鈴鹿山脈は、三重県と滋賀県の両県にまたがる細長い山脈です。古くは、東国と西国の境界として、交通・軍事の両面で重要な位置を占めた山脈でもあります。鈴鹿峠をはじめ数多くある峠は、伊勢と近江を結ぶ間道として利用されているほか、特に戦国時代は、軍事上欠くことのできない要路でもありました。
 歴史的なことはさておき、鈴鹿山脈が人気を博している背景には、初心者でも登りやすい山々が連なっていることと豊かな植物に恵まれていることが挙げられます。鈴鹿山脈は本州の中央部に位置し、日本海からの季節風と太平洋の黒潮の双方の影響によって、中部温帯固有種はもとより、日本海型のもの、高山性のものなどの生育に適しており、植物の種類はざっと1,800種類以上に及んでいます。

 今回、登ってきました藤原岳は、三重県員弁(いなべ)郡藤原町(人口:約7.6千人)にあり、交通の便の良さもあって、鈴鹿山脈の中では、御在所岳とともに、登山者の多い山の一つです。藤原岳には、名古屋を拠点とする異業種交流会TMCの仲間とその友人達含め総勢13名ほどで登ってきました。異業種交流会のTMCの紹介は、コラム「名古屋を拠点とする異業種交流会に参加して」の中で述べてありますので、よろしかったらご覧いただけましたらと思います。
 山登りというのは、本当に久しぶりでした。学生の頃に、富士山(5合目から頂上まで)に登って以来ですから、かれこれ10年以上はかるく経っています。数年前までは、よくスキーに行っており、山頂から雪景色を見ておりましたが、自分の足で苦労して登った上での山頂からの眺めは気分爽快でまた格別でした。紅葉も色づき藤原岳山道はじめており、秋の山を満喫できました。山頂からの眺めの様子は、のちほど紹介します。

 まず、藤原岳の登山口までの交通の便という点で見ていきますと、登山口のすぐ近くまで、電車で行くことができます。名古屋からですと、近鉄を使って、近鉄富田駅まで行き、そこで、三岐鉄道に乗り換えて、終点の西藤原駅まで行けば、そこがもう登山口です。時間的には、名古屋から近鉄富田駅までが約30分、近鉄富田駅から三岐鉄道で西藤原駅までが約1時間です。
 この日は、秋晴れの日曜日ということもあって、近鉄富田駅から出ている三岐鉄道に乗っている方のほとんどが、リュックを持ち、トレッキングシューズを履いている登山客の方ばかりでした。中でも、中高年に人気があるのか、50代あたりの方がけっこう目につきました。一番上の画像が、三岐鉄道の電車と西藤原駅を写したものです。自然の中を駆け抜けていく車中からの眺めも良く“のどか”という言葉がピッタリの電車です。
 また、三岐鉄道は、自転車持ち込みOKのサイクル列車として有名です。自転車をそのまま列車に持ち込んでサイクリングや買い物にも利用できます。自転車と一緒に乗れる列車は、欧州ではよく見られますが、日本においても、JR北海道、JR四国、富士急行(山梨県)など地方において取り組みが見られます。

 上から2番目の画像は、藤原岳の登山口を少しばかり入ったあたりを写したものです。1合目からけっこう急登で、スギの植林と雑木が視界をほとんど閉ざしている様子が伺えるのではないかと思います。頂上まで約2時間ほどですが、イメージ的には、1合目、9合目あたりの最初と最後が急な登藤原岳山小屋眺めり坂という感じがいたしました。登山途中では、大パーティーが小休止をとれるような広場的な空間があったり、北伊勢平野の田園風景が眺めれたりと気分転換を図りながら、楽しみながら登ることができます。

 我々は、西藤原駅を9時20分頃に出発して、藤原山荘に着いたのが、11時半頃でした。途中、2〜3回小休止をとりながら、まずまずのペースで登りました。ここまで来れば、山頂の展望丘までは、あと20分ほどです。山頂の展望丘は、それほど広い空間でもなく、お腹も空いたこともあり、藤原山荘での昼食となりました。上から3番目の画像は、藤原山荘からの眺めを写したものです。画像の右手側が山頂の展望丘になります。
 この辺りは、以前スキー場になっており、スキー場として華々しかった往時は営業小屋であったそうですが、今では無人の“避難小屋”となっています。現在この藤原山荘は、地元のボランティアで運営・管理されています。それだけに、山に対する気持ちと同じだけの愛情を持って、山荘を利用したいものです。

 昼食後、藤原山荘から藤原岳山頂の展望丘まで、登りました。上から3番目の画像を見ていただきますとわかりますが、一度鞍部まで下がってから、再度登り始める形となります。山頂への登りは、今までスギの植林と雑木の中を登ってきたのとは違い、ゆるやかですが、強烈なササのヤブの中を登って行く形となります。20分ほどで山頂の展望丘にたどり着きます。山頂の展望丘からは、360度の大パノラマが楽しめます。伊勢・濃尾の大平野、揖斐、長良、木曽の3河川の流れ、治田峠から銚子岳、静ケ岳を経て竜ケ岳へと続く長大な尾根などを眺めることができます。山頂の展望丘では、腰をかける場所を見つけるのもたいへんなほど、けっこう込み合っていました。子供たちから60歳代と思われる同窓会で来られている方々まで幅広い年齢層の方が見られました。座って休憩していたら、同窓会で来られている方に学校の引率の先生と間違われましたが・・・。

 下山は、登りとは違い8合目あたりに分岐点がある聖宝寺(しょうほうじ)谷道を使いました。途中、すべりやすい急坂や9月の土石流で、ルートが変わっていたこともあり、谷を下ったりとなかなかワイルドなコースでした。下山した後の1杯のビールはさすがにうまかったです。

 山登りから帰ってからの数日間は、筋肉痛でたいへんでした。筋肉痛のため歩き方が、ぎこちなく、傍からみて変な風に見られているのではと思ったほどです。まあ、心地よい快感とも言えます。歳をとると、筋肉痛が出るのが遅くなると言われていますが、翌日に、筋肉痛が出ましたので、まだまだ若いのかなと思った次第です。
 鈴鹿山脈の山々は、日帰りコースで、初心者でも登りやすく楽しめる山が多く、植物の宝庫でもありますので、皆様方も、体力アップも兼ね一度、登られてみていかがでしょうか。これからの季節は、さすがに冬山になりますので、経験のある指導者の方が必要となりますが、来春(3月半ばあたり)、雪解けを促すかのように“福寿草”が真っ黄色の花を咲かせる頃に行かれたら、さぞかしコントラスト鮮やかできれいなことと思います。「汗がうっすらとにじむまでの歩き始めは、押え気味に!」というのが登山の原則だそうです。ご参考まで。

By Nagura

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