郊外型商業施設・トリアス久山 (日本・福岡)

視察日:1999年8月22日

 トリアス久山は、福岡県糟屋郡久山町に今年(1999年)4月23日にオープンしたばかりの郊外型立地の大規模ショットリアス久山イメージピングセンターです。福岡市の中心部から車で約30分ほど郊外に行ったところにあります。総敷地面積は25万平方メートルあり、駐車場はなんと4,500台もとめられ、本当に広いです。10時からオープンなのですが、10時少し前にトリアス久山に着いたこともあり、まだ駐車場には車が数台とまっている程度の状態を見ただけに、より広さが際立ちました。トリアス久山施設内に置いてあるマップには、けた外れのスケールを表わす言葉として「博多駅からキャナルシティまでがすっぽり入る広さ」「東京ドームなら5個分にあたる」と書かれています。

 トリアス久山は、幹線道路を挟んで、ウエストゾーンとイーストゾーンに分かれています。ウエストゾーンとイーストゾーンの間には、2本の橋が架かっています。施設内の店舗配置は、中央に駐車場があり、主にその駐車場を囲むように店舗が配置されています。端と端にある店舗に行こうと思うとかなりの距離がありますが、そんな時に便利なのが施設内を循環している無料のバスです。バスの停留所は施設内に7カ所あり、15分ごとに循環しています。一番上の画像は、ウエストゾーンにあるトリアス久山のシンボルとも言える「トリアスモール」の外観を写したものです。トリアスモール内には、ファッション、雑貨の店をはじめ、広いフードコートがあります。この外観の建物は、ロサンゼルス郊外にあるアウトレットモールのオンタリオミルズを彷彿させるものがあります。
 ウエストゾーンの目玉は、アメリカ最大の会員制ホールセールクラブの「コストコ」です。アメリカのホールセールクラブの上陸は初めてで、第1号店でもあります。会員制ホールセールクラブを日本語訳すれば、会員制倉庫型安売コストコイメージり店と言ったところです。日本でもダイエーが会員制ディスカウントストア「Kou’s」(コウズ)の第1号店を1992年にオープンし、最近では名古屋にもオープンしてますから利用されていらっしゃる方もいると思います。システム的には、名前の通り会員になった方に安く商品を提供するという形です。ここコストコの場合は、年間の会費が3,500円〜4,000円(法人と個人で会費が違います)です。申し込む際は、その場で、デジカメで顔写真を写してくれて、数分で顔写真入りの会員証ができます。ここでカードを作ってしまえば、世界中のコストコ(アメリカ217店、カナダ58店、英国7店、韓国3店、台湾1店)で使用することもできます。海外旅行中でも買い物が可能なわけです。

 今回私は、見学という形で見学用のカードを作って入った次第です。この見学用のカードは、あくまで見学用で、残念ながら買い物をすることはできません。上から2番目の画像が、コストコ店内を写したものです。棚が天井に届くほどまであり、その棚に入っている商品は、木製のパレットのまま置かれているのが画像からわかると思います。私はアメリカに視察に行った時にウォルマートの一事業のホールセールクラブ「サムズ」を見たことがありますが、まさにその時の雰囲気そのものでした。サムズとコストコは、98年度の売上高を見ると、サムズが228億ドル、コストコが242億ドルと若干コストコが上回っていますが、ほぼ拮抗している状態です。

 トリアス久山のコストコは、コンクリートの床からパイプむき出しの天井までの高さが約8メートル、売り場面積約1万3千平方メートルの平屋建てで大きな倉庫そのものです。商品は、食品、トリアス久山イメージ日用品、家電、衣類、文具、レジャー用品、医薬品など約4,000品目が揃えられています。一つ一つのパッケージの商品量は多いですがかなり安く買えます。個人よりも、小料理屋、飲食店などを営んでいる人たちにとっては、重宝するのではないかと思います。ほぼ仕入れ価格、仕入れ価格以下で購入できるものもあると思います。しかし、コストコの出足はいま一つのようです。日本人の場合、アメリカほど大量にものを買うという習慣もありませんし、日米の冷蔵庫の大きさを比較しても日本の冷蔵庫は小さいです。これからこのようなホールセールクラブが日本において浸透していくには、活用の仕方をまず示さなければならないのかも知れません。個人では多いけれども、近所隣で共同で購入すれば利用価値が高まりますし、先程出しました小料理屋、飲食店など業者にしても、今までの仕入れルート以外に、ホールセールクラブを利用するメリットを認識していないのかも知れません。ホールセールクラブに関しては、消費者から見てまだ、どうような店なのか浸透していないというのが現状かも知れません。これからのどのような展開を見せるのか楽しみなところです。ひょっとすると、日本人の買い物行動を買えるかも知れません。

 トリアス久山への入店者数を見ると、最初の1カ月で175万人が訪れ、2カ月の累計では270万人に上っています。売り上げは、1日平均1億円弱のペースで推移しています。大型商業施設は、通常平日の客数は日曜日の5分の1程度ですが、ここトリアス久山は3分の1と平日もかなりの集客を見せています。私が行った時は、ちょうど4カ月目を迎える日曜日でしたが、11時過ぎには、駐車場のほぼ8割ほどが埋まり、午後からは入る車の渋滞も見られました。まだまだ、オープン効果が続いていると思われますが、よく人が集まるものだなと感心したものです。本当の勝負は、これから冬を迎え、1年後にどうなっているかだと思います。

 コストコの説明が中心になってしまいましたが、ウエストゾーンには、その他にホームセンター、アウトレット&カジュアル、生鮮市場&ドラッグなどがあります。イーストゾーンには、日本初上陸の14のスクリーンを持つシネマコンプレックス「ヴァージンシネマズ」はじめ、100円ショップのダイソー、ペット専門店、文具・書籍・CD店、スーパー銭湯、アミューズメント、飲食店などがあります。

 トリアス久山は、全体的な店舗配置、入っている業種などを見ても、バランスがよくとれていると思います。大きく分けて、ウエストゾーンが買い物ゾーンで、イーストゾーンがゆったりと過ごす空間となっています。感覚的に今までの郊外型ショッピングセンターに比べ“華”があるように感じました。ただ単に買い物するというよりも、買い物を楽しむという雰囲気づくりが、トータル的に見てうまくできていると思います。
 今月(8月)25日に、東京・臨海副都心のパレットタウン内にオープンしたヴィーナスフォートは、20〜30歳代を対象にした女性のためのテーマパーク型ショッピングセンターを謳っており、ショッピングプラスアルファを提供しています。同様にトリアス久山も謳っているテーマは違うにしてもショッピングプラスアルファを提供しています。トリアス久山は、消費者にうまくマッチングしたショッピングセンターではないかと思います。また、敷地内の余裕度を見ても、消費者の志向が変わっていけば、それに対応した業種業態を入れ替える作業もけっこう柔軟にできるのではないかと思います。これからのショッピングセンターは、ディズニーランドのように常に魅力度アップしていくことが必要になってくると思います。

 最後にヴィーナスフォートの補足説明をしておきます。ヴィーナスフォートの最大の売り物は、館内の内装で、天井部分を空に見立てて、その下に17〜18世紀のイタリアや南フランスの街並みを再現して店舗を配置されている点です。天井部分は、青空から夕焼け、夜、朝焼けへと変化して、あたかも屋内にいながら屋外にいる感覚が楽しめます。実際に私は、まだヴィーナスフォートには行っておりませんが、テレビなどで紹介されている画像を見る限り、ラスベガスにあるフォーラム・ショップスにイメージがよく似ています。

By Nagura

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