駅直結のグランベリーモールを訪ねて (日本・東京)

視察日:2000年11月27日

 2000年4月にオープンした東京都内で初となる本格的アウトレットショップ群を併設したオープンモール形式の巨大ショッピングセンタグランベリーモールー「グランベリーモール」(敷地面積:約8万7千平方メートル、年商目標:170億円、投資額:50億円)を訪ねて参りました。グランベリーモールは、南町田駅に隣接しており非常に便利な立地にあります。今、都心部の郊外等で全国的にアウトレットショップ(モール)がオープンしていますが、ここグランベリーモールは、東京都心部の渋谷から電車で約40分で行くことができます。東急田園都市線が渋谷と南町田を直結しているため、車がなくても気軽に行けるのが強みと言えます。この強みの背景には、事業主であり運営しているのが東京急行電鉄ということがあります。自らお客さんを運んできて、ショッピングしてもらうという流れをつくり出しています。まさに西武鉄道が野球ファン(観戦のお客さん)の方に乗ってもらい、西武ドームへ応援にきてもらうような流れと似ているとも言えます。

 グランベリーモールは、アウトレットオンリーではなく、大きく「フレッシュベリーマーケット」「ホームライフガーデン」「アウトレットモール」の3つのゾーンからなっています。先程も少し述べましたが、グランベリーモールは、東京急行電鉄が田園都市線南町田駅前の土地区画整理事業地約8万7千平方メートルの活用策としてオープンしたものです。アウトレットモールは、今や乱立状態でここ最近、より巨大なものが出来てきており、アウトレットモール部分だけ比べるとグランベリーモールのアウトレットモールは少し物足りないかも知れませんが、グランベリーモールの場合、3つのゾーンのトータルバランスが売りであり、特に「ホームライフガーデン」のゾーンを中核として位置付けています。ホームライフガーデンの最大の目玉が、のちほど詳しく紹介しますグランベリーモールが、日本初出店となるアメリカのアウトドア用品最大手の「REI(レクリエーション・イクイップメント・インク)」です。
 グランベリーモールの敷地内の配置をみますと、南町田駅に最も近いところに日常的に利用されるフレッシュベリーマーケットゾーン、次に中核となるホームライフガーデンゾーン、そして、駅から一番遠い部分にアウトレットモールゾーンが配置されています。もちろん、車で来られる方には、アウトレットモールゾーンに隣接して駐車場があります。利用頻度の高いものが、最も駅に近いところにあり、途中下車してのちょっとした買い物にも便利になっています。

 ここで一つ一つのゾーンをみていきますと、駅前に位置するフレッシュベリーマーケットゾーンは、大型食品スーパー、ファミリーレストラン、コンビニエンスストア、郵便局、銀行の現金自動預け払い機(ATM)、美容院などの施設が軒を並べています。駅前の一等地には、東急のブランド総合力を発揮する東急ストアの高級食品スーパー「プレッセ」があります。鮮度、産地にこだわった生鮮と輸入食品が充実しています。一番上の画像が、高級食品スーパー「プレッセ」の入り口部分を写したものです。この画像の左手側がすぐ駅の改札口になっています。
 ホームライフガーデンゾーンは、「家族」をテーマに、だんらんの時間に必要なアイテムを取り扱う店を中心に集められています。REIはじめ、ガーデニングショップの「マリポサ」、インテリア・生活雑貨・家具の「フランフラン」、アパレルの「コムサ・イズム」などがあります。REIの店内を詳しく紹介しますと、まず驚くのがロッククライミングが体験できる高さ15メートルの巨大な岩(クライミングウォール)が店内にあることです。グランベリーモール行った日は、月曜日ということもあり比較的空いており、クライミングを体験している人が見られませんでしたが、休日は行列ができ、たいへんな賑わいのようです。また、屋外には、マウンテンバイクの試走コースもあります。商品のアイテムとしては、キャンプ、クライミング、自転車、ウエアなど約5千点が販売されています。2001年後半には、首都圏に同規模の2号店を設ける動きも進められているようです。上から2番目の画像が、アウトレットモールゾーンからホームライフガーデンゾーンのある南町田駅方向を写したものです。このまっすぐ伸びた通りがメイン通りで、少し見にくいですが、通りの左手先に見える茶色の建物のREIです。
 アウトレットモールゾーンは、ファッション、服飾雑貨、子供服、スポーツ用品、靴、眼鏡、香水、高級下着にいたるまで、トータルコーディネートが可能な44店舗のアウトレットショップが集積しています。商品は、いずれも市価の5割から8割安となっているようです。ここには、グッチやエルメスといった超高級ブランドはありませんが、リーガル、ラングラー、ファインセブン、ラストコールなどが出店しています。また、東急百貨店初となるアウトレット専門店「キューズ・バスケット」も出店しており、婦人服と服飾雑貨などを扱っています。上から3番目の画像が、駅から見て一番奥に位置するアウトレットショップスの外観を写したものです。

 今回、かなり歩きましたが、グランベリーモールを単純に一回りするだけでも、約2.3キロメートルほど歩くことになります。そのため、至るところにベンチが置かれ、休憩スペースが設けられているとともに、どのゾーンにも、カフェ、アイスクリーム、レストランなどがちりばめられています。

 グランベリーモールは、東京都心から約30キロ圏、横浜の中心部からわずか10キロほどで、基本商圏でもある自動車の実走30分の範囲には約108万人の人が住んでいます。立地的には申し分ないと言えますが、このエリアは強豪が多いだけに顧客の奪い合いはこれから必至と思われます。また、ここから比較的近いところに、同じ東急グループの港北東急百貨店SC(横浜市港北区)があるとともに、さらに1駅(地下鉄沿線)離れた肉眼でも認識できるわずかの距離のところに阪急百貨店モザイクモールがオープンしているだけに、どれだれ差別化を図って、お客様に買い物提案をしていけるかが決め手になっていきます。どれだけ、お客様の財布のひもを緩ませることができるかの提案合戦と言えます。地価が下がり、流通業の都心回帰の傾向が見られるだけに、横浜市郊外を含めた東京都心部郊外の流通業の動向は、これから注視すべきところです。

By Nagura

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