日本三名泉にあげられる下呂温泉を訪ねて (日本・岐阜)

2006年2月22日

 日本三名泉にあげられる下呂温泉を擁する下呂市(人口39,434人、12,976世帯、面積851.06平方キロメートル:平成18年3月下呂温泉1日現在)を訪ねてきました。下呂市は、岐阜県の中東部に位置し、北は高山市、南は加茂郡、西は郡上市、関市、東は中津川市と長野県に接しています。下呂市は、山林が全体の約9割を占めており自然豊かなところです。

 今回、下呂へは、電車の特急ワイドビューひだで行きましたが、名古屋から1時間半ほどです。下呂温泉の歴史は古く、平安・江戸時代より湯治場として栄え、草津、有馬と並ぶ日本三名泉の一つに数えられています。ちなみに、日本三古泉は、南紀白浜、有馬、道後と言われています。下呂温泉は、山の頂の湯壷に始まり、河原に湧き出た温泉は訪れる人々の心と体を癒すという飛騨山脈に囲まれた岐阜県随一の大温泉地です。年間100万人以上の人が下呂温泉を訪れています。

 日本三名泉の由来は、徳川家康以下秀忠、家光、家綱に至る4代の将軍に仕えた儒学者・林羅山(はやしらざん)が「我が国には多くの温泉があるが、最も著名なのが、有馬、草津、湯島(下呂)である」と書き残したことによります。また、それより前に、室町時代の僧・万里集九が、詩文「梅花無尽蔵」に優れた温泉地として「草津、有馬、湯島(下呂)」の順で既に書き残しています。全国的に広まったのは、林羅山以降ということで、林羅山の銅像が温泉街にあります。一番上の画像は、阿多野川沿いの温泉街を写したものです。この写真では写っておりませんが、この写真の右側にある白鷺橋の欄干に林羅山の銅像があります。

 林羅山関連でもう一つ挙げますと、林羅山の子である林春斎が挙げたことが、日本三景の始まりとされています。親子揃って、日本三名泉、日本三景と三つにこだわっ下呂温泉の足湯た発言をされたようです。日本三景はご存知でしょうか。林春斎が著書「日本国事跡考」において、日本三処寄観として、「松島」「宮島」「天橋立」と記しています。

 上から2番目の画像は、鷺(さぎ)の足湯に入っている人たちを写したものです。足湯は無料です。下呂温泉街には、画像の「鷺の足湯」はじめ、「ビーナスの足湯」「雅の足湯」「薬師の足湯」「足湯の里ゆあみ屋」があります。

 また、少し山側に入ったところにある下呂温泉合掌村内にも「合掌の足湯」があります。画像の鷺の足湯は、木造りの湯船とベンチのこぢんまりとした和風の造りが情緒を誘います。また、ビーナスの足湯は一転変わって、洋風で、白いビーナス像が足湯の湯船の真ん中にあります。素朴な鷺の足湯、洋風なおしゃれなビーナスの足湯などいろいろ楽しめます。ビーナスの足湯は、一度に15人ほどが利用できます。

 下呂温泉の泉質は、アルカリ性単純温泉で、リウマチ、運動機能障害、神経症などの効能があります。泉温は84度という高温で湧く天然温泉で、無色透明でまろやかな湯は、肌にやさしいと好まれています。上から4番目の画像は、下呂温泉発祥の伝説のある温泉寺を写したものです。温泉寺は、下呂温泉街を少し上ったところから、長く続く173段の石段を上りつめた先に本堂があります。小高いところにある温泉寺からは、下呂の温泉街を眼下に一望でき、桜の名所としても有名です。

 下呂温泉は一千年以上の歴史をもつといわれており、ここ温泉寺には、白鷺に姿を変えた薬師如来が源泉を知らせたという伝説が残って下呂温泉の温泉スタンドいます。地元では、「白鷺伝説」として知られており、温泉寺には薬師如来像が祀られています。白鷺伝説を少し抜粋しながら紹介します。

 「文永2年(1265年)に突然温泉の湧出が止まってしまう。その翌年、毎日、飛騨川の河原に舞い降りる一羽の白鷺に村人が気づく。不思議に思った村人がその場に行ってみると、温泉が湧いていた。空高く舞い上がった白鷺は、中根山の中腹の松に止まり、その松の下には光り輝く一体の薬師如来が鎮座していた・・・」これが下呂に伝わる白鷺伝説であり、白鷺に化身し、温泉の湧出を知らせたこの薬師如来像を本尊とするのが温泉寺です。

 上から3番目の画像は、ガソリンスタンドならぬ、温泉地ならではの温泉スタンドを写したものです。画像は、ちょうど温泉スタンドから温泉を給湯して、車が出ていくところが写っています。ちなみに給湯は、200リットルで150円、300リットルで200円で、午前10時から午後8時まで利用できます。(2006年2月22日現在)

 上から5番目の画像は、湯のまち雨情(うじょう)公園を写したものです。下呂小唄を作った昭和初期の童謡詩人・野口雨情にちなんだ公園です。下呂の山あいから飛騨川へと流れる阿多野谷の清流沿いにあります。下呂駅から徒歩で温泉街の横を通って15分ほどのところにあります。雨情公園には、清流で遊べるように石畳や芝生が整備されており、休憩用のベンチもあります。他に、歌塚、しょうぶ池、子ども広場、野外ステージなどもあり、実際に歩いて来ましたが、周辺が散歩道になっており、観光客が散策している様子も見られました。夏の夜にはホタルを見ることもできるそうです。

 上から6番目の画像は、飛騨川の河原も湧く、野趣あふれる共同浴場を写したものです。入っている人の姿は見られませんでしたが、画像の左下の浴場に小下呂温泉の温泉寺さくですが、人が5、6人いるのが見られます。これから入ろうとしているのでしょうか。この河川敷にある共同浴場は、下呂温泉シンボル的な存在で、自然の形状をそのまま生かした“いで湯の里”ならではの野趣あふれる温泉です。脱衣場や囲いはありませんが、女性は水着の着用も可能なので安心して入浴することができます。

 ここで下呂ならではのご当地グルメを紹介します。丼ものの名物グルメは、各地にいろいろなものがありますが、ここ下呂の名物丼は、“トマト丼”です。下呂の特産品として知られているトマトをアレンジした丼で、たっぷりのトマトと飛騨牛やマイタケなども入って食べごたえ十分のようです。もともとは特産品を使った名物料理を考えようと始まったもののようですが、現在、トマト丼を出すお店が増えてきています。今回は、トマト丼を食べる機会がありませんでしたが、丼ものと言えば、長野県駒ヶ根市でたべた“ソースかつ丼”を思い出しました。駒ヶ根のソースカツ丼も複数の店舗で、少しずつ独自性を出したソースカツ丼を提供しています。

 先ほど、気楽に楽しめる無料の足湯を紹介しましたが、ゆっくり湯に入ってくつろげる“湯巡り手形”という取り組みもしています。将棋の駒の形をした木の手形で、この“湯巡り手形”を持っていると、手形一つにつき、下呂温泉一帯の加盟旅館のなかから3箇所に入浴することができます。手形は、1,200円で購入日より6カ月間有効です。(2006年2月22日現在)入浴時間などの条件は宿によって異なりますので、事前の確認は必要になります。

 今回、時間がなくていくことが出来ませんでしたが、足湯のところで少し名前を出しました飛騨の暮らしを体感できる下呂温泉合下呂温泉の雨情公園掌村を紹介します。ちなみに下呂温泉合掌村の足湯は、和風の造りで16人ほどが一度に利用することができます。下呂温泉合掌村は、少し離れており、先ほどの雨情公園かたは徒歩で行けないこともないですが、下呂駅からですと、車で6分ほどです。

 下呂温泉合掌村には、白川郷から移築した合掌造りの民家10棟が屋外に展示されており、飛騨の文化や工芸、ふだんの暮らしぶりなどを見学することができます。太い梁や柱に飛騨の民家ならではの歴史が感じられるようです。合掌村には、大きく「合掌の里」「民芸の郷」「ふるさとの杜」の3つのゾーンに分かれています。

 「合掌の里」には、茅葺き屋根と切妻様式の民家で、合掌造りとして最大級の規模を誇る重要文化財に指定されている旧大戸家住宅があります。旧大戸家住宅は、合掌村のシンボル的な存在で、大家族制の暮らしを伝える当時の生活用具が展示されています。また、このゾーンには、合掌造りの芝居小屋もあり、月替わりで全国の旅芝居が観劇できます。人情味あふれる歌と踊りと芝居が中心の大衆演劇で、公演は午前と午後の2回行われています。

 「民芸の郷」では、飛騨の伝統工芸が体験できます。コーヒーカップや皿などに絵付けしたり、和紙作りや楮(こうぞ)で絵を描く「絵すき」など気下呂温泉の噴泉池軽に楽しむことができます。「ふるさとの杜」には、森の滑り台やパビリオンなどがあり、子どもたちの人気を集めています。また、合掌村には、かえる神社というユニークな神社も人気を集めています。

 最後に、下呂の季節イベントの情報を載せます。毎年4月から11月下旬にかけて、下呂温泉合掌村下の駐車場では、下呂温泉いでゆ朝市が開催されています。地元産の新鮮な農産物や飛騨の特産品など約20店舗が軒を連ねます。

 また、下呂の一大イベント「下呂温泉まつり」は、8月1日から3日まで開催されます。最終日には、飛騨川河畔で盛大な花火ミュージカルが行われ、温泉街の夜空を鮮やかに彩ります。今回は、仕事で行った関係で、とんぼ返りでしたが、行きの特急ワイドビューひだは、平日にも関わらずほぼ満席の状態でした。下呂、高山に行かれる方が多いように見受けられました。2月の寒い最中の平日ということもあり、観光バスなどはあまり見られませんでしたが、下呂の温泉街を歩いていますと、けっこう若い女性のグループが見られました。お湯につかって、ゆっくりくつろいでいるのだろうと思います。みなさんもリフレッシュに行かれてはいかがでしょうか。

By Nagura

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