三河湾に面したリゾート地・蒲郡を訪ねて (日本・愛知)

視察日:2001年12月2日

 三河湾に面したリゾート地・愛知県蒲郡市(人口約8.3万人)を訪ねて参りました。蒲郡市には、年間約600万人もの竹島の砂浜観光客が訪れています。渥美半島と知多半島に囲まれた三河湾は国定公園に指定されており、なかでも国の天然記念物に指定されている「竹島」は街のシンボルとして有名です。そして、蒲郡には三谷温泉、蒲郡温泉、形原温泉、西浦温泉といった4つの温泉があります。また、近くにある三ケ根山(愛知県幡豆郡)からの三河湾の眺めは絶景です。

 今回、三ケ根山の頂上から三河湾の眺めも堪能してきました。三ケ根山へは、小学校の時の遠足で登ったことがありますが、その頃、頂上にあった回転展望台は閉鎖されていました。この回転展望台は、昭和38年に建設され、鉄筋地上3階、地下1階、食堂や売店を併設し、直径21メートルの円筒形建物の3階部分が360度回転するのが売り物でしたが、残念なことに利用客の減少により2001年1月に閉鎖されています。

 蒲郡という地名をヨットレースのアメリカズカップのニッポンチャレンジ蒲郡基地として覚えていらっしゃる方もあるのではないでしょうか。1998年に開設されクルーの養成や新艇の練習拠点として活用され、1991年、1995年、1999年と3度のアメリカズカップに挑戦(挑戦艇決定戦準決勝で敗退)しています。しかし、2003年大会への挑戦は資金的に苦しいことから断念しています。それに伴い蒲郡基地も2001年に撤退が決まっています。ハイテクの粋を結集して建造された高速挑戦艇「阿修羅(あしゅら)」と「韋駄天(いだてん)」は、その能力を評価され英国チームへの売却が決まっています。

 閉鎖・撤退という暗い話題続きでは何ですので、明るい話題と竹島橋して、蒲郡市の三河湾沿岸で建設が進められている大型海洋リゾート「ラグーナ蒲郡」の敷地内で温泉が湧出しました。ラグーナ蒲郡を開発、運営する第三セクターの蒲郡海洋開発では、2003年春に温泉施設としてオープンさせ、集客の目玉にしたいと考えています。温泉の掘削工事は愛知県や蒲郡市、トヨタ自動車などが出資する蒲郡海洋開発が2001年春に開始し、約1,500メートルまで掘り進んだところで温泉がわき出ました。愛知県衛生研究所の分析によると、セ氏39.5度のアルカリ性温泉で、神経痛や疲労回復、慢性消化器病などに効用があるということです。ラグーナ蒲郡は900億円弱を投じ、約120ヘクタールの埋め立て地にマリーナや商業施設、遊園地などを集積する複合施設です。2001年4月には、350隻を収容できるマリーナが先行オープンしています。すべての施設が営業を始めるのは、2003年以降で、年間350万人の来客を見込んでいます。

 上から2番目の画像は、国の天然記念物に指定されている街のシンボル「竹島」を写したものです。画像は、逆光で少し白っぽく写っていますが、竹島(面積18,800平方メートル)は温暖性の常緑樹で覆われています。竹島は、陸地部分と橋で結ばれており、画像上のまっすぐに延びる竹島橋は延長387.3メートル、巾4.3メートルあります。一番上の画像は、ちょうど潮が引いている状態だったこともあり、竹島から砂浜がのびている様子がご覧いただけると思います。少し見にくいですが、砂浜で5人の女性グループがたわむれているのも確認いただけるのではないでしょうか。満潮時には、この砂浜はなくなり一面海となります。一番上の画像の砂浜部分は、上から2番目の画像にみえる竹島の右側手前になります。

 竹島では、“竹島名物男”という名刺を持蒲郡プリンスホテルと砂浜った蒲郡市内観光案内人の方に案内していただきました。竹島という名は、820年前に滋賀県の竹生島から運ばれた少し不思議な“竹”があることから付いたそうです。竹島には、弁財天を祭った八百富神社があります。八百富神社の名の由来は、一度に多く(八百倍)の幸が受けられることからきています。御利益は、開運縁結びの神様です。そのため、竹島にまっすぐのびる竹島橋の渡り方は、カップルが二人で歩く時は、真ん中を開けないようにように歩くのが正しい歩き方とのことです。親子で歩く時、グループで歩く時も、なるべく固まって歩いた方が御利益があるとのことです。

 竹島弁天縁結びの言い伝えとして、むかしむかし、ポカポカ陽気の春の日に竹島沖で漁をしていた若い漁師が陽気がいいので、ついつい居眠りをしたところ、そのいびきのもの凄さに竹島の弁天様も起こされたそうです。女房に逃げられるほどのいびきを気の毒に思った弁天様は、信心深いこの若い漁師のいびきを直し、美しい若い娘さんを引き合わせたという話です。以来、竹島の弁天様は縁結びの神様と言われるようになったとのことです。しかし、一方、地元では古来、竹島の弁天様は女の神様だから若いカップルが行くとやきもちを焼き別れさせられるという言い伝えもあるそうです。

 上から3番目の画像は、竹島橋から砂浜でたわむれる家族連れと小山の上に一際目立つ蒲郡プリンスホテルを写したものです。蒲郡プリンスホテルは、以前は「蒲郡ホテル」という名称でした。昭和9年に完成し、当時の鉄道省の第一回国際観光ホテルに認定され、昭和天皇も宿泊された格調高く由緒正しいホテルです。昭和55年に廃業し、経営権がプリンス系に変わり、現在のホテル名になっています。蒲郡プリン生命の海科学館スホテルは、竹島を初めとする三河湾を展望するのに最適な場所です。毎年ゴールデンウィークには“つつじまつり”が開催され、庭園が公開されます。

 上から4番目の画像は、蒲郡情報ネットワークセンター生命(いのち)の海科学館(1999年7月20日開館)の入り口を入ったところにある古代クジラの骨格化石(約800万年前:ペルー)とプレシオサウルス(約9000万年前:アメリカ・コロラド州)を写したものです。

 蒲郡情報ネットワークセンター生命の海科学館は、1階が情報工房、インターネット体験コーナー、2階が地域情報プラザ、3階が生命の海科学館となっています。生命の海科学館以外は、無料で利用できます。ちなみに生命の海科学館では、シーラカンスの化石をみることができます。

 最後に、蒲郡市の市街地を南北に貫く主要道路の中央通り(市民会館から図書館にいたる道路)における新しい“みちづくり”を紹介します。特徴的なことは、十数年前に中央通りの整備計画が浮上した際、その時は住民と行政の間で合意に至らなかったという経緯があり、今回はその教訓を生かし、住民を巻き込んだ「中央通りを考える会」を立ち上げて、話し合って進めてきた点です。平成13年度には、工事区間約700メートルのうちの約270メートルが整備されることになっています。区間全体としては、3年間での完成が見込まれ、平成15年度には新しい“中央通り”が誕生します。

 中央通りの整備計画については、「中央通りを考える会」に加え、歩道委員を中心とした「みちづくりワーキング」において検討されてきました。その中で、実施計画に反映された整備方針の主なものを挙げますと「歩道と車道の段差を少なくし、緊急時には取り外しのできる車止めを設置する」「車の速度を落とすように蛇行した車道とし、空地を停車帯として利用する」「電柱をできるだけ統合し、歩道のバリアフリー化をはかる」「歩道幅員を最低2.5メートルは確保する」などです。

 今回の視察レポート上で紹介した以外に蒲郡の観光スポットとして、世界110ヵ国から集めた約5,000万個の貝で造形された神秘的な世界が味わえる“蒲郡ファンタジー館”、いちご、メロン、ぶどう、みかんと1年中いろいろなフルーツ狩りが楽しめる“蒲郡オレンジパーク”、世界の珍しい海水魚や淡水魚、熱帯魚など約450種類の魚が遊泳している“竹島水族館”、巨木で樹齢1000年を越すと言われる国指定の天然記念物“清田の大くす(幹回り14.3メートル、高さ22メートル)”、2万株を越える(約3000平方メートル)のあじさいで埋め尽くされる“あじさいの里(見頃は6月中旬頃)”などがあります。皆様方も一度、海の幸あり、眺めの良い景色あり、温泉ありの蒲郡を訪ねてみられてはいかがでしょうか。きっと自然への感動が得られることと思います。

By Nagura

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