米国における地震災害の対応(FEMA)

 米国における緊急事態に対応するのが、連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency)です。FEMAと呼ばれています。1979年に設立された米国の官庁です。アメリカイメージ

 FEMAの組織は、緊急事態管理の諸機能を映したものになっています。準備(Preparedness)、対応(Response)、復旧(Recovery)および被害軽減(Mitigation)の部局に分けられています。また、全米の消防署を支援する消防庁と洪水保険を管理する連邦保険局も傘下に置いています。
 FEMAの本部はワシントンにあり、全米に10カ所の地方局があります。各地方局は幾つかの州を担当し、その職員は、州の災害対応計画や被害軽減計画の策定支援および大災害が発生した場合には、支援・救援活動に従事します。1995年1月現在、FEMAの常勤職員数は2,500名を超えています。
 FEMAは常勤職員のほかに、およそ4,000名の臨時職員を抱えています。この臨時職員は「災害支援職員(Disaster Assistance Employees)」と呼ばれ、2年契約で雇用されています。災害時のみにその特殊技能に応じて緊急時活動に従事します。具体的な仕事は、被害家屋・施設の調査、電話の対応、コンピューターネットワークの構築と運営などであり、FEMAの緊急時対応にとって欠かせない存在となっています。

 FEMAの任務は、緊急事態対応というだけあって、地震・ハリケーンなどの自然災害から核戦争・国家安全保障まで非常に範囲が広く、1省庁ですべて対応することは不可能であるため、国防総省、エネルギー省、環境保護庁などと密接な関係をもっています。

 地震災害については、FEMAでは通常次の4つの対策が講じられています。

  ・ 被害の軽減対策(Mitigation)

  ・ 事前準備対策(Preparedness)

  ・ 緊急時対応対策(Response)

  ・ 復旧対策(Recovery)

 具体的に説明を加えると、

        地震による被害を軽減すること(Mitigation)
 震災による人命や財産に対する脅威を除去または軽減する対策、建物などの構造上の危険性、什器・備品など構造物以外の物の危険性、危険物などによる脅威などを対象とした主にハード的な対策を指します。その効果は対策を講じれば持続するものです。

      震災にうまく対処できるように準備すること(Preparedness)
 地震発生時に安全な行動をとり、災害に効果的な対応を行い、その後平常状態に復旧・復興する手順等を事前に準備することを指します。主に、ソフト的な対策をいいますが、被害軽減対策(Mitigation)を含めて緊急事態の準備(Preparedness)ということもあります。

          緊急事態に対処すること(Response)
 事前に決めた対応手順を実行に移すことを指します。通常、応急修理・応急復旧まで含めます。

      地域社会や企業などを平常状態に復旧させること(Recovery)
 事前に決めた復旧手順を実行に移すことを指します。

(参考文献:企業と自治体のための総合地震対策指針)

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