市 民 協 働 に よ る
半田市の駅前フェスティバル
(日本・愛知)

視察日:2009年2月28日〜3月1日

 2009年2月28日と3月1日の土曜日と日曜日の2日間にわたって半田市(人口120,333人、46,841世帯:2009年4駅フェス撮影体験月1日現在、面積47.24平方キロメートル)で行われました駅前フェスティバルを訪ねてきました。半田市は、名古屋市の南、中部国際空港の東にあり、知多半島の中央部東側に位置し、古くから海運業、醸造業などで栄え、知多地域の政治・経済・文化の中心都市として発展してきています。

 駅前フェスティバルは、名鉄知多半田駅前の再開発に伴い、駅前に複合ビルのクラシティ半田が出来て、その3階フロアに市の市民交流センターが入ったことをきっかけに、始まっており、今年で3回目か4回目くらいです。駅前フェスティバルの主旨は、市民交流センターが主催ということもあり、ボランティアグループや市民活動団体が集まり、ボランティア活動や市民活動を広く知ってもらいたいということが大きな目的です。それとともに、再開発された駅前のまちの活性化もあります。

 駅前フェスティバルの詳しい内容の前に、少し半田市の概要を紹介していきます。半田市の象徴は何と言っても「山車」「蔵」「南吉」「赤レンガ」が挙げられます。多くの半田市民に伺っても、この4つのキーワードを挙げられる方が多いです。山車祭りの歴史は古く、300年余の歴史があり、その伝統や文化を現在に受け継がれています。昨年、私も見に行きましたが、5年に一度、各地区の山車31台が勢ぞろいする「はんだ山車まつり」は壮観です。精緻を極めた彫刻、華麗な刺繍幕、精巧なからくりなど見応えがあります。

 秋の「はんだ山車まつり」は5年に一度の勢ぞろいですが、毎年、春は半田市内の各地区で春の山車まつりが開催されています。昨年は5地区ほど見に行き駅フェス着ぐるみましたが、なかでも亀崎の潮干祭の山車行事は国の重要無形民俗文化財に指定されています。潮干祭の醍醐味は、5輛の山車が潮干の海浜へ曳き下ろされて、浜辺の水の中に山車が入っていきます。

 駅前フェスティバルと同時期に、半田蔵のまち雛まつりも開催されていました。半田蔵のまち雛まつりは、街角のところどころに雛人形の展示、数え13歳の女の子が着物を着て雅楽の行列とともに神社にお参りする十三詣りはじめ、商店街のイベント、國盛の酒の文化館の一般公開、半田赤レンガ建物の一般公開など行われていました。

 数年前に半田赤レンガ建物の一般公開に行ったことがあります。半田赤レンガ建物は以前ビール工場だった建物で、現存するレンガ造りの建物として最大級の規模を誇り、国の登録有形文化財に登録されています。明治時代に当時、既存の4大ビールメーカーに挑戦し、半田という一地方都市のビール会社でつくったカブトビールは、今となっては幻のビールとなっていますが、数年前にいろいろと文献を調べ、復刻カブトビールが出来上がりました。飲んだことがありますが、黒ビールのような感じで、コクがありおいしかったです。

 あと、半田と言えば、小学校の教科書でもおなじみの童話「ごんぎつね」の作者の新美南吉が生まれ育ったところとして駅フェスいちご大福有名です。新美南吉が描いた物語には、ふるさとの豊かな自然、その中で生きる人々の思いやりややさしさがあふれています。半田市にある新美南吉記念館には全国からファンが訪れます。また、新美南吉記念館界隈にある「ごんぎつね」に出てくる矢勝川沿いの堤には、毎年100万本を越す彼岸花が咲き誇ります。矢勝川の彼岸花も昨年見に行きましたが、一生懸命に市民が育てており、ごんぎつねの物語そのものの風景が広がっています。

 また、以前に、半田市を紹介しました視察レポート「駅前再開発が進んでいる半田市のクラシティ半田を訪ねて」と視察レポート「「蔵の街」知多半島の半田市を訪ねて」も併せてお読み頂けましたらと思います。半田の歴史、文化をより深くご理解頂けると思います

 それでは、駅前フェスティバルがどのようなイベントなのか詳しく紹介していきます。主催は市の市民交流センターですが、実行部隊そのものは、参加団体の市民、ボランティアで運営されています。ざっと催し内容を挙げてみますと手づくり品や七五三の衣装などいろんな掘り出しものがある「お楽しみバザー」、オカリナ演奏、コーラス、バンド演奏、演芸会などのステージ企画、参加団体の活動内容のパネル展示や体験コーナーなど様々な企画が開催されていました。

 体験コーナーの手話教室では、子どもたちが「こんにちは」などのあいさつを習い、楽しそうに手話の練習をしていました。その他、点字体験や手づくりおもちゃ体験などもやっていました。おひなさまの顔出しパネルも子どもたちに人気でした。

 その他、子どもたちに人気だったのが「かえっこバザール」です。かえっこバザールは、使わなくなったおもちゃや本、文房具、アクセサリー駅フェス学生ショップを持ってくると「かえるポイント」がもらえます。この「かえるポイント」を使って、他のおもちゃと交換できるというお金を使わない遊びのお店です。また、使わなくなったおもちゃがなくても、体験コーナーに参加すると「かえるポイント」がもらえます。

 半田市には、日本福祉大学の半田キャンパスがあり、駅前フェスティバルにも多くの学生たちが参加していました。一番上の画像は、市民と学生と行政の協働による映像づくりプロジェクトのブースを写したものです。半田市に埋没していた昭和40年頃の16mmフィルムが見つかり、このフィルムには知多半島の昔のまちの姿が映っていました。そこで、古い映像を活用して学生と市民が一緒になり、現在の映像と昔の映像を比較しながら、地域の変遷を学習できる教材づくりに挑戦しようと、地域資源の再発見に取り組みました。

 ブースでは、学生と市民が現在の半田のまちを撮影して、古い映像を活用しながら製作した「映像で見る半田」「南吉の心が宿るまち」「ドキュメンタリー編」などがモニターで紹介されていました。そして、製作した映像の紹介だけでなく、将来を担う子どもたちに映像づくりの楽しさを味わってもらおうとビデオ撮影体験を行っていました。一番上の画像からもご覧頂けますが、日頃ビデオカメラに触らせてもらえないこともあり、夢中になって撮影している様子が伺えます。撮影している映像は、横のモニターで見れるようにもしていました。

 また、上から4番目の画像は、昨年の駅前フェスティバルの様子ですが、半田のまちづくりを話し合う「まちづくりワーク駅フェスジャズバンドショップ」のメンバーである学生と市民がブースを設けて、雑貨やポップコーンを販売している風景です。今年も「まちづくりワークショップ」のメンバーは参加しており、アンケート調査を行っていました。

 また、一番下の画像は、昨年のステージの風景ですが、日本福祉大学のジャズ研究会の学生たちがジャズを演奏している様子を写したものです。ちなみに、奥に見えるのは、名鉄知多半田駅のホームです。今年は、フルートなど吹奏楽系のサークルの学生たちが演奏していました。また、演奏でなく、ホールで行われた寄席で市民と一緒に活動している学生たちも見られました。

 その他、写真の紹介をしますと、上から2番目の画像は、着ぐるみを追いかけている子どもたちを写したものです。上から3番目の画像は、手づくりの「いちご大福」を販売している様子を写したものです。食育や地産地消を推し進めている市民団体の方たちが作ったいちご大福で、毎年、たいへんな人気ですぐに売り切れてしまいます。当方も1パック買いましたが、美味でした。

 半田市は、NPO団体や市民団体が多く、市民活動、ボランティア活動などが盛んで、地域のスポーツクラブの活動も盛んです。半田市では、市内の自治区を主体として、33地区においてコミュニティ推進協議会が組織され、積極的に市民活動が展開されています。また、半田市にキャンパスをおく日本福祉大学においても、学内の机上では学べない社会性を身につける実践の場として、学生たちにとって半田のまちそのものが学びの場となっています。知多半田駅前は大規模な再開発が行われ、更地になった状態からようやく街並みも整いつつ、地域コミュニティも形成されつつあり、これからが楽しみなまちです。

By Nagura

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