ホームデポ(アメリカ・イリノイ州シカゴ)

視察日:1997年9月28日

 ホームデポは、日曜大工や家屋の手入れ用の建材や器具を、ウエアハウス(倉庫ホームデポ イメージ)タイプの店舗で販売するアメリカ最大のホームセンターチェーンです。97年1月現在で12州30都市に512店を展開しています。96年度の売上高は195億ドルで、2位のローズの86億ドルを大きく引き離しています。日本にあるいわゆるホームセンターとはちょっと違います。日本のホームセンターは、楽しむ程度の日曜大工と文具、雑貨、カー用品などいろいろ売っていますが、アメリカのホームセンターは、日曜大工や家屋の手入れ用の建材や器具オンリーの品揃えで、ホームデポで家が一軒建てることができるほどの買い物ができます。プロも利用しており、一般DIY顧客とプロ顧客の比率は、80%:20%となっています。

ホームデポ イメージ 取り扱い商品にどんなものがあるか少し挙げてみますと、配管設備、流し、化粧台、台所キャビネット、温水機、照明設備、窓、ドア、雨戸、屋根、ボード、棚、タイル、工具関係、庭園用品など幅広く揃っています。

 店内に入ると、倉庫もかねているためまず天井が高いことに驚かされます。そして、木材関係のところでは、搬入出のため、リフトも動いていました。

 ホームデポの特徴は、第一に品揃えが豊富でなおかつ価格が安いことです。ウエアハウス(倉庫)タイプというローコスト・オペレーションにすることで、一般的なホームセンターよりも安い価格を実現しています。第二に徹底したサービス体制が挙げられます。ホームデポでは、専門のトレーニングスタッフをホームデポ イメージおき、企業内で店舗従業員のトレーニングを徹底して行っています。第三に既存店舗の売り上げの伸びが高いことです。昨年度も前年比7%増と高水準にあります。これは既存店活性化のため絶えず新しい手法を開発しているからです。

 ここで、ホームデポの次なる取り組みをみていきます。「ホームデポ・キッズクラブ」は、将来の住宅所有者であり、顧客ともなる子供たちを対象に工作やおもちゃの修理などを通じてDIYの楽しさを体験しながら学ぶプログラムです。「ホームデポ・エキスポ」は、住まい全体に関わるホームセンターの商品をデザインというコンセプトで品揃えを行ったもので、現在サンディエゴ、アトランタなど5店舗展開しています。「デザイン」を糸口に、エキスポは新しいマーケットを創造しており、コーディネーションされたキッチンやバスをはじめ、カーテンの切り売りのファブリック、多様な床材やデザインもののタイル、ドアや引き出しの取っ手や蛇口、ガーデンツールやカラフルな陶器、鉢やネジ、釘に至るまで、ホームインテリア商品にこれだけデザインされたものがあったのかと驚くほど、エキスポには世界中から多彩な商品が集められています。「ホームデポ・クロスロード」は、イリノイ州クインシー(1995年7月)にオープンした農業・酪農家用商品を集めた超大型ストア(6,460坪)です。品揃えは、作業着・靴・家畜用フード・ヘルス用品、トラック・トラクター用品、カー用品、農作業用品、水力流水機、トラクターなど一般大衆の想定からもれ落ちた農業・酪農従事者の生活をターゲットにしています。農業・酪農地域特化型ホームセンターといえます。

 ホームデポの次々と新しいものを生みだしていく姿勢、消費者ニーズを追及していく姿勢には、客にとって良い店をつくろうという思いが感じらます。飛躍的に成長を遂げたホームデポの企業風土のよさがうかがえます。また、ホームデポの創業者バーナード・マーカスが、ウォルマートの信奉者であり、故サム・ウォルトンとも親交があったといいます。ウォルマートもホームデポも伸びており、伸びている企業には、従業員を大切にし、その人を生かす企業風土ができています。何をするに当たっても、最後は人ということにゆきつきます。適材適所、ひとりひとりの能力を生かしきれるところが、これからの流れを生み出していくようです。

 また、今回のアメリカ視察全体を通してのコラム「'97アメリカ流通業視察を終えて」も合わせてご覧いただければと思います。

By Nagura

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