“クルマのまち”豊田市を訪ねて (日本・愛知)

視察日:2000年6月17日

 愛知県豊田市(人口:約34万人)を訪ねてきました。豊田市と聞くとまずトヨタ自動車を思い浮かべる方が多いのではなトヨタ大橋とトヨタスタジアムいでしょうか。それもそのはず、豊田市は、市の冠にトヨタ自動車の豊田をつけており、市の名前が示す通り、トヨタ自動車の成長と歩調を合わせて発展を遂げてきたまちです。豊田市は、旧挙母(ころも)町、旧猿投(さなげ)町、など西三河の5町村が合併して拡大してきています。豊田市は、1998年4月に中核市となり、来年(2001年)市制50周年を迎えます。

 一番上の画像は、昨年(1999年)3月に竣工した矢作川にかかる豊田大橋を写したものです。また、画像の右手上端にかすかに見えている工事中なのが、来年(2000年)完成予定の豊田スタジアムです。

 豊田市は、製造出荷額等は愛知県第1位であり、愛知県そのものが1977年以来、22年連続で製造出荷額等の日本一の座にあります。豊田市と刈谷市を中心に、その周辺地域は、自動車産業の一大拠点となっています。人口34万都市の豊田市と33万都市の岡崎市を中心に刈谷、安城、知立、高浜、碧南、西尾の各市と山間部の加茂、額田地区、海岸部の幡豆地区にまたがる西三河(愛知県は、尾張地区と三河地区に分けられさらに三河地区の西側)地区全体が工業地帯を形成してようなイメージです。
 私は、豊田市の隣の安城市に住んでおり、トヨタ自動車の発展とともに豊田市が急成長してきたのを見てきておりますが、目を見張るものがあります。西三河地区において、一昔前は、岡崎市が一大拠点で他の周辺都市は、田舎というイメージだったのが、今や人口では豊田市が岡崎市を逆転しており、冒頭で述べましたが中核市に移行しています。西三河地区を時代の流れ的見ていきますと、郊外に大型スーパーなど進出以前の商業ベースが中心だった時代は、岡崎中心に動いており、工業が飛躍的フォレスタヒルズに伸びてくる段階になると豊田市が急成長して、岡崎、豊田の2眼都市から豊田市が一歩抜きでようとしている段階に現在あると言えます。しかし、都市のカラーはまったく違います。おおまかにあえて区分するとすれば、岡崎市が商業都市で、豊田市が工業都市というカラーです。三河に広げれば、豊橋市が商業都市、刈谷市が工業都市安城市が工業都市と農業都市の半々というイメージです。

 上から2番目と3番目の画像は、トヨタ自動車の保養施設「フォレスタヒルズ」内の施設とトヨタの森を写したものです。トヨタ自動車が環境対策の一つとして取り組んできた「トヨタの森」計画が新しい段階を迎えています。「トヨタの森」計画は、都市近郊の里山を再生し、自然の循環系を利用して環境を改善しようというものです。植物の光合成が二酸化炭素を吸収、固定化させることに着目し、自動車が排出する二酸化炭素の浄化の研究の一環としてスタートしています。
 15ヘクタールのモデル林を「昔の人が利用していたような19世紀型の里山の再現」を目指しています。さらに今年から新たに30ヘクタールのモデル林をつくり、バイオマス燃料や自然と調和した住居、ヒーリング(いやし)など「21世紀の新しい里山の使い方や技術」を研究しています。最終的には、自然と都市が共生できる社会システムの構築を目指しています。

 モデル林は、全体を整備、保全、活用の各ゾーンに分けられており、自然林を放置すれば山はどう荒れるか、どう手を入れれトヨタの森ば再生できるかなどを実験しています。ボランティアや市民団体などとも連携しており、モデル林は保全区を除いて一般にも開放されています。環境に強い植物の改良も進めてきており、その結果、遺伝子操作により二酸化炭素を3割、窒素酸化物を2倍多く吸収する4倍体樹木を完成させています。当初は、この木を街路樹に使用して、排ガス対策の一つとする予定でしたが、環境庁や環境団体から新種植物が生態系に与える影響を危惧する声が挙がり、計画は現在凍結されています。いろいろと取り組みが行われており、今後より緑の活用、人間と自然のあり方などが深まっていくものと思われます。

 今回、豊田市をみてきましたが、トヨタ自動車が本社を構えているだけありモノづくりの工業的産業基盤はしっかりしていますが、豊田駅前の中心市街地のそごうが店舗面積を縮小したり、債権放棄の問題もあり商業基盤は揺れ動いておりまだまだ固まっていないのが現状と言えます。豊田市は、昼間人口が多く、トヨタグループの工場で働く若い世代も多いだけに、今後、よりターゲットを絞ったマーケティング、商業的基盤の整備が早期の課題と言えます。

 最後に今月末(7月28日〜30日)に豊田市街地一帯で行われるお祭りを紹介します。今や豊田市の名物にもなっている“豊田おいでんまつり”です。この祭りは、昭和43年に始まった豊田まつりを平成元年にモデルチェンジしたものです。「おいでん」とは、三河弁で「いらっしゃい」という意味合いです。見所としては、市民参加によるロック調の「おいでん総踊り」や夏の夜を彩る全長600メートルのナイアガラやメロディ花火などの花火大会(約17,000発)などです。皆さんも出かけてみられてはいかがでしょうか。その他、隣の岡崎市の花火大会が8月5日、安城市の七夕まつりが8月4日〜6日です。合わせてこちらにも足を運ばれてみてはかがでしょうか。

 今回豊田市を訪ねるにあたりまして、豊田市在住の伴夫妻にお話を伺いました。最後に、紙面(ホームページ・メールマガジン上)を借りまして、お礼申し上げます。ありがとうございました。

By Nagura

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