生まれ変わりつつある東京・お江戸の日本橋
(コレド日本橋、三越新館など)を訪ねて 
(日本・東京)

2004年11月05日

 東京・お江戸の日本橋に2年ぶりに行って参りました。今回の視察レポートでは、この2年間の変化をメインに紹介していき三越新館前ます。2年前の視察レポート「もうじき400年を迎える江戸(東京)の日本橋を訪ねて」も併せてご覧頂きますと、日本橋界隈の時系列の変化がよりお分かり頂けると思います。2年前は、今回紹介する三越新館が建設中で、その建設中の画像も載っております。

 今回の日本橋への視察は、東京で行われた「第6回全国商店街情報化フォーラム」に合わせていったもので、フォーラムそのものも2年ぶりで、前回も第4回全国商店街情報化フォーラム」の際に日本橋に行きました。何かと日本橋と全国商店街情報化フォーラムとは縁があります。全国商店街情報化フォーラムの模様は、コラムで載せてありますので、併せてご覧頂けました幸いです。

 前回からの日本橋界隈の大きな変化として挙げられるのが、東急百貨店日本橋跡地にオープンした「コレド日本橋(2004年3月30日オープン」と「三越・日本橋本店新館(2004年10月11日オープン)」の開業です。一番上の画像は、横断歩道を渡る多くの人々と三越新館を写したものです。また、上から2番目の画像は、コレド日本橋の外観を写したものです。今回の視察レポートでは、コレド日本橋の魅力的なテナント紹介と三越を中心とした百貨店業界の動向をみていきたいと思います。

 日本橋界隈の百貨店は、上記のコレド日本橋に生まれ変わった東急百貨店は閉店しましたが、新館オープンで床増した三越と高島屋があります。上から3番目の画像は、高島屋日本橋店の前の通りを写したものです。背後に高島屋が見えまコレド日本橋すが、手前の乳母車をひいている女性は高島屋の袋をもっており、子供とお母さん、そして、おばあちゃんで高島屋への買い物帰りと思われます。親子での消費、孫への消費などが百貨店業界の顧客層であることが伺える一場面でした。百貨店の売上高は、6年連続で前年割れが続いています。その一つの要因として、低価格の衣料量販店や特徴ある品ぞろえの専門店に顧客を奪われていることが挙げられます。これまでの百貨店と言えば、大手アパレルや海外有名ブランドなどに店内の一等地を提供するいわゆる場所貸しが主流でした。その結果、何が起きたかと言えば、どこの百貨店も同じような売り場構成で、同質化してしまい、他店との違いも出せずに、顧客が専門店等に流れていきました。

 このような状況を受けて、ここ数年、百貨店業界が進めているのが、アパレルなどに頼らずに、百貨店自ら品ぞろえし運営も自社で手掛ける「自主売り場」の拡充です。三越では、2006年度までに雑貨などを中心に自主運営売り場の売り上げ3倍増を目指しています。西武百貨店とそごうを傘下に抱えるミレニアムリテイリングは、婦人雑貨、紳士服、インテリアなど6分野に絞って独自に調達した売り場を増やしています。大丸は顧客の声を生かして開発した「カスタマーズビュー」商品を自主運営売り場の軸にすえる方針です。5年ほど前に新宿界隈の百貨店などを視察しましたが、その先駆けが伊勢丹だろうと思います。

 商品の提案力では、定評があり、昨年(2003年9月)の35年ぶりとなる伊勢丹本店のメンズ館の大胆な変身ぶりでも話題になりま高島屋した。埋もれていた男の消費という観点で、新たな消費を生み出し、同質化している百貨店業界に新風を吹き込みました。また、女性という視点では、おばちゃんたちをターゲットとした新宿の京王百貨店の取り組みは、しっかりと固定客がついてきています。京王百貨店のような大衆を狙ったお得感のある百貨店、そして、伊勢丹のメンズ館のリニューアルのように、人気の雑貨ブランドを充実させたこだわりの品ぞろえの百貨店など、同質化からそれぞれの百貨店のカラーというか独自性を前面に出した取り組みに舵を大きく切っています。このような動きは、まちづくりにも同様に言えます。これまでは、どこの駅前の中心市街地も同じような町並み風景が広がっている同質化でしたが、その見直しが始まり、徐々に、そのまちの歴史、風土にあったまちづくりが進められつつあります。

 日本橋界隈では、コレド日本橋オープンの少し前の2004年3月18日より、無料巡回バス「メトロリンク日本橋」が走り始めています。無料巡回バス「メトロリンク日本橋」は、八重洲・京橋・日本橋地域を結んでおり、地域の回遊性を高める狙いがあります。運行ルートは、東京駅八重洲口をスタートし、日本橋交差点を経由して、中央通りを中心に12箇所のバス停を巡回します。2台の車両により午前10時から午後8時まで約15分間隔で年中無休で運行されています。ちょっとした足として、利便性が高い乗り物と思います。

 それでは、無料巡回バス「メトロリンク日本橋」で回遊することのできるコレド日本橋を少し掘り下げて紹介します。コレド(COREDO)の名前の由来は、コレド・ガレージ英語で核を意味する「CORE」と江戸の「EDO」をつなげた造語です。日本橋は、5街道の起点であり、江戸・東京の商業的中心地として栄えてきた歴史・伝統豊かなエリアとして、さらなる核となる思いが込められています。

 上から4番目の画像は、コレド日本橋の中に入っている「ガレージ(GARAGE)」の店内を写したものです。ガレージ(GARAGE)は、玩具の株式会社タカラの直営店で、タカラ独自の遊び心でセレクトされた商品がずらりと並んでいます。上から4番目の画像では、タカラの電気自動車にサンタクロースが乗っている様子がご覧頂けます。業態としては、生活のシーンを提案するライフエンターテイメントショップの雰囲気をなしています。コレド日本橋には、ガレージ(GARAGE)はじめ、フードマーケットの「プレッセ」、レディースファッション、バック・アクセサリー、和食、中国料理、韓国料理、イタリア料理、欧州料理など各飲食店など地下1階から4階まで33のショップ・レストランが入っています。

 その他、ショップ・レストラン以外では、コレド日本橋の5階に早稲田大学の日本橋キャンパスも開校しています。日本橋キャンパスは、サテライトキャンパスの位置づけで、早稲田大学大学院のファイナンス研究科が開設されています。そして、6階〜19階まではオフィスフロアで、メリルリンチ日本証券はじめ、格付投資情報センター、伊藤忠丸紅鉄鋼、三井リース事業など満室で稼動しています。

 最後に三越の話題で締めたいと思います。冒頭部分で、百貨店業界の置かれた状況を述べましたが、日本橋本店の新館のリ三越本館吹き抜けニューアルオープンした三越もスクラップ&ビルドを進めています。三越は、331年前に産声を上げ、三越呉服店を設立したのが1904年、そして、当時の欧米の百貨店を視察し、それを実現しようと株式会社化に合わせて「デパートメントストア」宣言しました。2004年の日本橋本店の新館のリニューアルオープンは、株式会社化100年の節目の年でもありました。そのようなスクラップ&ビルドの明の部分とともに、暗の部分として、新館リニューアルの直前に、横浜、大阪、枚方、倉敷の4店と小型の6店の閉鎖やそれに伴う早期退職800人の募集を発表しました。

 上から5番目の画像は、三越日本橋本店の1階中央ホールから吹き抜けの4階に届くようにそびえる壮大な天女(まごころ)の像を写したものです。この像が完成したのは昭和35年(1960年)のことで、三越のお客様に対する基本理念「まごころ」をシンボリックに表現する像として「まごころ像」とも言われ、三越本店の象徴と言える存在です。今、三越だけでなく百貨店業界が生き残りをかけて売り場(買い場)改革に取り組んでおり、まさに、三越のお客様に対する基本理念「まごころ」の原点に立ち返った接客なり商品提供が求められています。

 先ほどのスクラップ&ビルドの状況とともに、三越は、百貨店業界として百貨店を辞めるという新境地への冒険も始めています。その一環が、三越新宿店の専門店ビルへの衣替えです。新宿店は、抜群の立地ゆえに閉鎖は免れましたが、1991年から赤字続きで、テナント運営を通じて消費トレンドを知るための攻めの最前線として専門店ビル化に舵を切りました。顧客層を現在の「団塊世代から上の女性」から「20代後半〜30代前半の独身女性」に一気に若返らせる戦略です。2004年10月末には、一部オープンしてますが、来春(2005年春)、全館オープン時にはおなじみの「MITSUKOSHI」の赤い看板も一新するそうです。百貨店業界はまさに変革期を迎えており、百貨店業界の動きは、今後、注意深くみていくと面白いと思います。そのような視点からも一度日本橋界隈に足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

By Nagura

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