愛知県豊橋市の3大学(豊橋技術科学大学・愛知大学・豊橋創造大学)
まちなか研究発表会
“キャンパスから考えるまちなか活性化”に参加して

記:2002.4.1

 2002年3月5日に豊橋市役所で行われました「3大学まちなか研究発表会〜キャンパスから考えるまちなか活性化〜」に参加してきました。3大学とは、豊橋市内にある愛知大学、豊橋技術科学大学、豊橋創造大学のことです。その3大学の学生たちが、豊橋の中心市街地商店街の活性化策をゼミやチャレンジショップ運営などに携わって探ってきた研究や体験の成果を発表しました。会場には、商店街の店主や商工会議所の会員、市の職員、学生たちなど100名近くの方々が参加されていました。画像は、学生がプレゼンをしている様子を写したものです。会場がかなり暗かったため、みにくいですが、雰囲気程度ということでご了承下さい。また、昼休みに、豊橋の中心市街地を歩いてきまして、視察レポート「豊橋市の中心市街地を訪ねて」上で紹介しておりますので、合わせてご覧下さればと思います。

 今回の発表会は、経済や経営などの文系の学生、建築、工学などの理系の学生の両方の発表を聞くことができ、ソフト的な面からハード的な面まで幅広く成果発表、提言がされていました。発表されたタイトルをざっと挙げてみますと「まちの再生計画」「チャレンジショップを運営してみて」「豊橋市中心商店街の現状とその課題」「戦後の豊橋の人口構造と都市発展」「豊橋中心市街地の利用実態と利用者意識について」「豊橋市中心市街地の衰退とその原因」「豊橋市における公共交通の運行・利用実態および満足度意識の分析と改善策の検討」「豊橋市における自由目的交通の実態分析と公共交通改善策の効果分析」「豊橋市における自転車利用実態および満足度意識の分析と走行環境整備の効果計測」です。発表の仕方は、ゼミの教官の先生が学生たちの発表の前後に、補足する説明するような形で行われました。

 タイトルをざっとみて頂きますとお分かりになると思いますが、時間軸として捉えても、学生たちが描くまちの将来像など長期的な展望に立ったものからこれまでの流れと現状、課題を整理したもの、路面電車などの公共交通、自転車利用実態など即活用可能なもの、チャレンジショップの体験からの商売なり商店街に感じたことなどさまざまです。豊橋市において、このような大学と行政が手を取り合った取り組みは今回が初めての試みということです。大学と行政の第一歩となる取り組みが図れたことは素晴らしいと思います。主催は、豊橋市と豊橋中心市街地活性化推進協議会の共催になっています。

 今回、9つの学生たちによる発表を聞いた全体の感想としては、CG(コンピューターグラフィック)を活用するなどプレゼン技術は、ゼミの先生の指導もあったことと思いますが、素晴らしかったです。なかでも、プレゼン技術は、学年が上がるほどうまく、大学院生に限っては、社会人並みというかそれ以上という感じでした。しかし、私が学生たちの発表を聞くにあたって、もっと学生なりの発想なりを期待していただけに、少し物足りないものも感じました。今回の発表内容的に、現状分析、課題抽出までのプレゼンが多かったことがそのような物足りなさにつながっているのかも知れませんが、“課題に対して、さあどうするんだ”というところの発想を今後、期待したいところです。今後の学生たちの活躍に期待を込めて厳しい評価をしましたが、学生たちの取り組み姿勢そのものは、真剣で前向きさが感じられ共感を覚えました。

 最後に、今回の発表会の中で興味深った内容を少し紹介いたします。それは、豊橋技術科学大学の都市・地域計画研究室まちづくりボランティア組織「まちづくり工房KAI」の取り組みです。まちづくり工房KAI(&東三河ハートネット)は、豊橋駅と豊橋市役所の中間くらいにある花園商店街の空き店舗を活用して活動拠点を構えています。昼休みを利用して、実際に、花園商店街を歩いてきましたが、その日は残念なことにシャッターは下りていましたが、シャッターには、まちづくり工房KAIとペインティングされて賑やかさは演出されていました。

 まちづくり工房KAIは、NPO法人「東三河ハートネット」と協働で、中心市街地活性化のために、人にやさしいまちづくりの様々な活動支援を2001年6月からしています。2001年7月初めに、まちづくり支援の一貫として花園商店街主催の「花夕(はなばた)まつり」に参加して、今回の発表会でプレゼンを行った「まちの再生計画」の作品展示を花夕まつり会場で展開しています。まちづくり工房KAIの設立主旨の一部の紹介しますと「大学の中では、まちづくり支援には限界があります。まちづくりを大学の研究室として応援していくためには、研究室がまちに出て行く必要があると考えるに至りました」という文面があり、より実践的で地域の人々とともに大学側が進めていく姿勢は素晴らしいと思います。学生たちにとっても学ぶべき点が多いことと思います。まさに机上の勉学を実践する実学の場(生きる力を学ぶ)とも言えます。

 NPO法人「東三河ハートネット」は、車椅子等の障害者や高齢者も含めたすべての人にやさしい社会、すなわちノーマライゼーション社会の実現に寄与することを目的として設立されました。活動の中心に考えるのは「人」であり、常に人を中心に置き、どう動けるかを考えています。「人」を中心に「暮らし」と「まちづくり」の提案、調査、研究をしています。

 今回、豊橋における初の試みであった大学と行政が連携した一般を対象にしたオープンなスタイルの発表会の場は有意義であったと思います。また、まちづくり工房KAIの取り組みは、さらにNPO、商店街および一般住民をも巻き込んだこれからの大学のあり方なり方向性を示唆するようなものを感じました。大学自ら、中心市街地(商店街)に飛び込み、地域密着を実践していく姿は素晴らしいと思います。

By Nagura

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