第3回全国商店街情報化フォーラムに参加して

記:2001.12.1

 今年2月の第2回全国商店街情報化フォーラムに続いて、今回(第3回全国商店街情報化フォーラム:2001年11月2日開催)も参加して参りました。サブタイトルには〜商店街・中心市情報化イメージ街地等のIT最前線〜と付いており、商店街や中心市街地等におけるITの活用が着実に進んでいる様子を伺わせています。

 フォーラムでは、バーチャルモールや携帯電話による情報発信、販売促進、商店街カードシステムによる顧客データの活用、デビットカードやクレジットカードによる決済、地域住民に対する生活支援や宅配など各地で実績が積まれている報告などがされました。
 また、同時に、ICカードやオンライン・ショッピングにおけるセキュリティなど商店街におけるIT化の課題も紹介されました。

 全体的な流れは、経済産業省中小企業庁の商業課長による基調講演「今後の商店街活性化の方向と支援策」の後、商店街システムにおけるセキュリティ、商店街情報システムの新展開、携帯マーケティングの現状と可能性などの話題提供があり、「商店街等のIT活用の実際と今後の展望について」〜各地商店街のリーダーに聞く〜と題してパネルディスカッションが行われました。今回のコラムでは、国の中心市街地・中小商業対策を中心に述べていきます。個々の商店街の取り組みについては、それほど大きく変わっておりませんので、今年3月のコラム「全国商店街情報化フォーラムに参加して」合わせてお読みいただけましたらと思います。

 基調講演による国の中心市街地・中小商業対策の中で、現状を「大型店の郊外進出、モータリゼーションの進展、消費者行動の多様化等の環境変化に伴い、中心市街地等の商店街で空き店舗問題が深刻化するなど、中小小売商業は非常に厳しい状況にあり、その活性化に向けた早急な対応が求められる状況にある」と述べています。これを受けて、来年度(平成14年度)の対応として、「地域コミュニティと一体となった商店街活性化の推進」「TMOと地域コミュニティが一体となった中心市街地活性化の推進」「商店街の活力源である個店の魅力向上」の3つを掲げています。(補足説明:TMOとは、中心市街地全体を一つの商業集合体(ショッピングセンター)と捉え、適切な業種構成、店舗配置やソフト事業による商業機能の強化、商業基盤施設の充実、商業空間の魅力化をはかるための事業を一体的・総合的に推進していく組織)

 ひとつひとつ来年度の対応のポイント(下記で取り上げる事業の概算要求以外にもその他各種事業が用意されています)を見ていきますと、「地域コミュニティと一体となった商店街活性化の推進」では、新規に“コミュニティ施設活用商店街活性化事業”として13.8億円の概算要求を出しています。これは、地域コミュニティの交流の場として、商店街が空き店舗等を活用して保育施設、高齢者向けの交流施設等のコミュニティ施設を誘致することにより、空き店舗の解消と少子高齢化社会への対応を図り、商店街に賑わいを創出することで商店街の活性化を図ることを狙いとしています。

 「TMOと地域コミュニティが一体となった中心市街地活性化の推進」では、今年に引き続き“TMO活性化支援事業”で7億円の概算要求、そして、新規に“中心市街地実態調査・普及啓発事業”で2.1億円の概算要求を出しています。これは、中心市街地における商業活性化事業の要となるTMOや商業者、行政、地域住民等の間のコンセンサスの形成を図るため、商業活性化に向けた関係者を集めたフォーラム開催やまちづくり活動の開催、TMOの経営基盤の確立に資する事業に対する支援、TMOの活動状況に関する情報交換や中心市街地活性化についての普及啓発を図るためのシンポジウムの開催により、TMO事業の一層の推進を図ることを狙いとしています。

 「商店街の活力源である個店の魅力向上」では、今年に引き続き“中小商業ビジネスモデル支援事業”で5.1億円の概算要求を出しています。これは、中小小売商業同士の連携や卸売業と中小小売商業者の連携等により、情報収集・分析力、商業調達力、販売技術の向上を図ろうとする事業を重点的に支援していこうというものです。

 まちづくりを担っていくTMOという組織については、ここ最近賛否両論が行き交っています。そのきっかけが、全国2番目のTMOとして華々しくデビューしてわずか5年で破産宣告(2001年7月)をした“まちづくり佐賀”(負債総額16億円)の波紋が大きく影響しています。第三セクターのTMOがこれまで経営破綻した例がなかっただけに波紋が大きいようです。

 TMO状況についてみますと、TMO設立の前段階の中心市街地活性化法に基づく基本計画を作成を終えている自治体が450市町村(462地区:平成13年11月19日現在)、そしてTMO設立状況が181団体(平成13年11月12日現在)にのぼっています。上記のまちづくり佐賀は破産に追い込まれましたが、要はやりかた次第であり、一つの出来事がすべてのように受け止めてしまうのは早急と言えます。そして、何より住民、行政、商業者の連携とか、方向性の合意などがしっかり取れないまま計画づくりを急いだ結果、効果が挙がっていない地域も多々見られます。

 失敗を肝に命じて、今後のTMOの運営を考える意味合いからまちづくり佐賀における佐賀市長の失敗談話を特集記事から抜粋しますと「当初計画の見込みが甘かった」「第三セクター方式という誰が主体となるかが不透明だった」「もたれあいのまま進んできた」などが挙がっています。これらの言葉を見ていますと、第三セクターによるテーマパークの破産経過に似ており、従来の第三セクターの悪い面を引きずっていると言えます。TMOは第三セクターといいつつも中には商店街・商業者主導のところも出てきており、これまでの第三セクターとは違うあり方、運営の仕方を見い出していく時を迎えているように私は感じております。多くの自治体が財政難で困っており、これまでの“もたれあい”では、済まない時代を迎えている中、自治体、TMOはじめ住民、商業者などを絡めた新たなパートナーシップの形成が望まれています。前回の視察レポートで紹介しました多治見市は、今月TMOの設立(多治見まちづくり株式会社)が予定されており、出資者(自治体以外)における商店街・商業者の出資比率が高いだけに、今後のTMOのあり方に一石を投じるのではないかと期待しているところです。(結果が出るには、3年〜5年かかることと思いますが)

追記(2004.12.10):その他の全国商店街情報化フォーラムのコラム第6回全国商店街情報化フォーラムに参加して」「第4回全国商店街情報化フォーラムに参加して」併せてご覧頂けましたら幸いです。

By Nagura

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