地震・自然災害などの防災について考える

記:2001.9.1

 このコラムは、ただ今9月1日の「防災の日」に書いています。横にあるテレビでは、防災の日にちなんだ、防災訓災害対応の動き練や地震への備えなどの特集が流れています。ご覧になられた方も多いことと思います。また、実際に防災訓練に参加された方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 日本列島周辺には、4つのプレートが接し合い、互いにぶつかりあい、なおかつ、約1,500カ所もの活断層が、北海道から九州まで全国に分布しています。特に、地震の周期的に見て、起こる可能性が高い東海地震は注目されていますが、地震多発国・日本では、どこで、大地震が起きてもおかしくない状況と言えます。今一度、この機会に、地震はじめ、台風、集中豪雨、火山の噴火などへの備えを再点検するとともに、考えてみられてはいかがでしょうか。いざという時の避難場所を覚えていらっしゃいますか?

 また、東海地方に甚大な被害をもたらした東海豪雨(2000年9月11日)からちょうど、1年が経とうとしています。東海豪雨では、私自身もタクシーに乗っていて浸水してきたり、名古屋駅のコンコースで足止めになり夜を明かしたりと、都市のもろさを身をもって体験しました。先月の18日〜21日頃にかけて日本に上陸した大型台風11号の時は、昨年の東海豪雨の教訓が生きて、東海地方では、かなり迅速で細かい配慮のある対応がなされていたように感じました。幸い、東海豪雨の時ほどの被害はありませんでしたが、今回の台風に安堵することなく、東海豪雨の教訓を風化させないで、これから本格的な台風シーズンを迎えるに当たって、風水害に対応していって欲しいものです。私が東海豪雨の時に遭遇した模様は、コラム「阪神大震災から6年目を迎えて」の中で記載しておりますので、よろしかったら合わせてご覧下さいませ。

 “備えあれば憂いなし”と言いますが、今回は、災害への対応への最新の取り組みなどを紹介していきます。

 東京消防庁は、大地震による同時多発した火災の対応に、軍事作戦の手法のオペレーションズ・リサーチ(OR)の活用を検討することを決めています。地震時に、同時多発する火災は、消防の消火能力を超えてしまいます。阪神大震災では、7483棟が焼失しましたが、首都圏の直下型地震では、阪神大震災の約50倍の約38万棟が焼失すると試算されています。
 オペレーションズ・リサーチは、軍事作戦を統計学的に分析したことから始まった学問で、企業の在庫・工程管理から交通信号の切り替え秒数の設定まで、今では幅広く応用されています。まちづくり等において、活用している自治体もあります。火災は、小さな火種のうちに消せれば被害の拡大は防げます。同時多発する火災に最も効率的に対抗するには、どうすればよいか、オペレーションズ・リサーチを活用して、統計や数式から最も効果的な運用を導きだそうという試みです。

 文部科学省は、人口密集地域を襲う阪神大震災クラスの大地震に対し、人や建物の被害を従来の半分以下に抑えるための地震防災ガイドラインづくりを来年度から始める方針を固めています。首都圏や京阪神の揺れの予測地図を作製するほか、人工知能やロボットを開発して効率のいい救援体制をつくり、これらを盛り込んだガイドラインを5年後までにまとめ、震災に強い都市づくりを目指す方針です。調査研究費として、来年度は約95億円を要求する考えです、

 そして、なかなか進んでいないのが、各家庭における家屋の耐震化です。あなたの家は強い揺れに耐えられるように、耐震化を施していらっしゃいますでしょうか。阪神大震災では、約10万棟が全壊しています。地震で直接亡くなった約5500人の8割が「圧死」で亡くなっています。自宅が倒壊して、柱や家具の下敷きになり、1時間以内に息絶えた人がほとんどでした。
 東京都や神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、兵庫県などを中心に200近い自治体が、耐震診断費用の一部や全額を助成する制度を設けていますが、利用者は先細りにあるようです。特に、横浜市は、診断費用(マンションは予備診断)を無料になるなど、耐震化に熱心に取り組んでいます。

 小泉純一郎首相が就任して、初めての国の中央防災会議(6月末に開かれた)において、東海地震と同様に、東南海・南海地震に対しても、被害想定や防災対策のあり方の検討が必要と調査委員会の設置が決まりました。前回の東南海地震は1944年、南海地震は1946年に起こっています。東南海・南海地震は、四国から東海にかけての広い範囲で大きな被害をもたらし、今世紀前半にも発生する可能性が高いと見られています。最も恐れられているのは、東海地震が発生した数日後、またはほぼ同時に東南海・南海地震が起こることです。

 情報という分野では、モバイル機器を使って、「災害現場」の情報を収集し、インターネット経由などで、配信する技術が進んでいます。救急隊員たちは、災害現場で画像を携帯電話で関係者に転送し、救助活動の効率を高める考えです。

 静岡県立大学(静岡市、教職員329人、学部学生2257人)は、東海地震などの災害に備え、学生が災害発生時にiモードなどの携帯電話やパソコンで安否を登録・確認できるシステムを導入することを決めています。今月(9月)試験的にシステムを動かして登録訓練を実施し、その後はいつ地震が起きても対応できるようにサーバーを動かしておきます。来年度までには、全学生が利用できる予定となっています。

 今回、災害への最新の対応など紹介してきましたが、基本は“自分の身は自分で守る”という心構えが大切です。それと、地震発生から3日間は生き抜くだけの食料、水等の準備はしておくことが肝要です。

 地震についての必要最低限の備え(知識)については、「地震一口メモ」に載せていますので、一度ご覧いただきたく思っております。また、以前に、ある市の地域防災計画策定(地震対策編・一般対策編)に携わったことがあり、年2回、防災の日(関東大震災の起こった日)の9月と阪神大震災の起こった1月に防災にちなんだコラムを今回同様に載せております。地震防災に関するコラムは、検索コーナー・テーマ別から見ることができますので、併せてご覧下さいませ。

By Nagura

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