本格稼動した“ETC”を考察する

記:2001.5.7

 ETC(ノンストップ自動料金収受システム)が本格的に稼動(2001年3月30日)してから1カ月余りが過ぎようとしETCイメージています。現在、ETCサービスを利用できる対象エリアは、千葉県など首都圏の一部地域と沖縄県の料金所63カ所の限定地域となっています。ETCというのは、簡単に言えば、高速道路や有料道路の料金所で、車を止めることなく料金の支払いができるシステムのことです。高速道路の料金所のところで、ETC専用レーンというのを見たことがある方も多いことと思います。

 ETCは、ドライバーが料金の支払いが楽になるとともに、料金所渋滞の解消が期待されています。ETCを導入することで、料金所1レーン当たりの処理能力は従来の3〜4倍に向上するとのことです。また、渋滞緩和の他に、ノンストップということで、排出ガス・騒音の低減なども期待されています。
 ETCの仕組みは、ETC専用レーンを通ることで、車と料金所の間で電波を使って情報をやりとりし、通行料金を自動的に計算します。車の種類なども自動的に判断され、実際の支払いは、後日、クレジットカード会社から請求がきて、銀行口座などから引き落としとなります。ETCを利用するには、車にETC車載器が必要であり、なおかつETCカードを持っている必要があります。

 実際にETCを利用する準備としては、まずETCカードの作成が必要であり、ETCカードの入手は、主要なクレジットカード会社が発行しています。しかし、ETCカードは、専用のICカードのため、従来の磁気タイプのクレジットカードとは別の申し込みが必要となります。ETCカードが入手できたら、次にETC車載器を購入して、車に取り付ける必要があります。車載器は、カーディーラーや自動車用品店などで扱っており、後付けタイプで3万円台が中心となっています。さらに車載器を取り付けただけでは使えないため、車の情報を登録するセットアップという作業が必要となります。現状では、セットアップの手続きに1週間程度かかるそうです。
 利用するに当たっては、出発する前に車載器にETCカードを差し込み、料金所では、ETCレーンの案内表示に従って進みます。ここで気をつけなければいけないのは、ETC専用レーンとETC/一般混在レーンがあることです。ETC専用レーンは、そのまま止まることなく通過できますが、ETC/一般混在レーンでは、一般車も入ってくるため、一般車が従来通り料金支払いで止まっているので、追突しないように注意する必要があります。ETCが普及するまでの過度期は注意が必要と言えます。また、ETCカードはクレジットカードでもあるので、下車時は盗難等の心配もあるため車載器から抜いておいた方がよさそうです。

 ETCの概要と準備および利用の手順を説明してきましたが、ETCが普及するには、高速道路や有料道路などの利用可能な範囲が広がることとETC車載器がどれだけ普及するかにかかっています。ETC車載器は、先ほども述べましたが、後付けタイプで3万円台が中心となっています。現在のところ、店頭の最安値でも2万円台後半となっているようです。ETC車載器は、松下通信工業、デンソー、三菱電機など数社から発売されていますが、現状、店頭に来て購入する人は、新しもの好きの人が多いのではと店側は分析しています。4月中旬までに5000台を販売したオートバックスセブンでは、購入者は30歳以上が多いという調査結果を出しています。
 まだまだ割高感があるようで、割高感の要因としては、サービスを開始したばかりで消費者に十分認知されておらず、量産効果が発揮されていないことが挙げられます。新しもの好きの購買層から世間一般的に普及していけば、価格もかなり下がっていくものと思われます。また、現状では、有料道路の料金のETC利用者の割引がないため、魅力的に映らない面もあります。料金的には、ハイウェイカードや回数券の方がお得になってしまいます。ETC普及に向けては、国を挙げての割引制度などを導入してメリットを与えていくことも必要になってきます。

 ETCサービスが現在の限定地域から全国的に拡大するのは、今年の夏から秋にかけてであり、東名阪自動車道など関東、中部、関西地区の主要道路600カ所の料金所でETCの利用が可能になります。また、国土交通省によれば、2002年3月末までに全国約900カ所に拡大するもようです。これからが本当の意味のETCの認知度が高まり、各カー用品店もカーナビの夏商戦と重なる6〜7月頃に最初のヤマ場を迎えるという予測で全店でETC車載器の販売体制を整えているようです。

 今年の夏にどれだけ「ETC特需」を迎えるかが、今後の普及を占う上でのひとつのカギになってくるものと思われます。今年の夏にある程度の勢いがつけば、来年あたりは、かなりETC車載器の価格も下がり、お求めやすくなるものと思われます。また、ETC普及に向けてのどのような割引制度、お得感を出す施策がでてくるのかも楽しみなところです。快適な高速道路の利用につながっていくことを期待したいものです。

By Nagura

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