全国商店街情報化フォーラムに参加して

記:2001.3.4

 東京・大崎のゲートシティホールで行われました第2回全国商店街情報化フォーラム(2001年2月2日)に参加して参全国商店街フォーラムりました。副題には、“商店街・中心市街地等のIT活用最前線”とついていました。フォーラムでは、午前中、中心市街地における情報化への期待と題しての基調講演はじめ商店街とIT活用の現状と課題のアンケート結果が示されました。午後は、実際にITを活用している商店街の理事長さんを迎えてのパネルディスカッションとともに開発等に携わった各メーカーのプレゼンも併せて行われました。

 中心市街地活性化法(1998年7月施行)に基づく基本計画の提出状況をみますと、今年(2001年)の1月末現在で、360件が提出されています。また、その中で、中心市街地を総合的にマネジメントしていく組織であるTMOを立ち上げているのは、110件です。TMOは、商工会議所や商工会などを交えた第三セクター方式で設立される「タウンマネジメント機関(まちづくり機関/TMO)」であり、土地区画整理、市街地再開発、大型商業施設の建設・運営、駐車場の整備、空き店舗の活用などの活性化の各事業に対し、事業計画を立案して適用申請等を行います。

 商店街・中心市街地等のIT活用としてどのような取り組みが行われているかと言いますと、当ホームページ上でもこれまで取り上げてきましたが、京都の西新道錦会商店街などで行われている商店街におけるICカード化事業、広島県熊野町でみられる高齢者向けの宅配サービスなどがあります。今回のパネリストに呼ばれている商店街をみていましても、カード化事業絡みの取り組みが多くみられました。その他のIT活用の取り組みとしては、GIS(地図情報システム)を活用した顧客情報管理、インターネットを活用したテレビや携帯電話によるショッピング、またインターネット上のホームページに3次元バーチャルタウン・バーチャルモールをつくり双方向のやりとりの実現、宅配便事業者との一括契約による物流合理化システム、電子商取引による商品管理、電子ロッカーを活用した電子ショッピングなどが見られました。

 今回、壇上において商店街情報化(IT活用)アンケート調査に関しての結果速報も紹介されました。3カ月ほど前の昨年(2000年)末に商店街の組合および小売商団体から約1,200件を無作為に抽出して発送して、有効回答数342件に対して結果分析したものです。ソフト事業の実施状況の結果をみますと、「商品券・買物券」の発行が54.1%と最も多く、次いで「組合本部の業務にパソコンを利用」(44.4%)、「スタンプシールの発行」(42.1%)、「商店街カードの発行」(32.5%)、「共通駐車券」(31.3%)、「ホームページの開設」(30.4%)の順となっています。
 商店街カード事業の項目をみますと、既に実施している団体が32.5%で、これに計画中を加えますと約4割(40.4%)に達しています。商店街カードの機能としては、「ポイントサービス機能」(136件中の106件が実施)がダントツで多く、大きく引き離されて「クレジット機能」(136件中の31件が実施)「プリペイド機能」(136件中の21件が実施)「駐車場・駐輪場サービスとの連動」(136件中の15件が実施)の順となっています。ちょうど、本格的なサービスを開始してから1年が経とうとしているデビットカードへの対応は、実施している団体は、14.6%とまだ低く、計画中を含めて26%、さらに今後検討したいまで含めて、約4割(39.2%)近くです。
 ホームページの開設状況をみますと、約3割(30.4%)が開設していますが、その中でも定期的にコンテンツの更新を行っているところは、16.9%と低い値になっています。コンテンツ内容は、イベント催事案内(63.9%:複数回答)、加盟店及び商店の紹介(63.9%:複数回答)、商店街地図(51.2%:複数回答)などが50%以上(複数回答)と多くなっています。顧客との窓口ともなる掲示板(27.1%:複数回答)や電子メールを使った情報交換(16.3%:複数回答)はまだ少なく、オンラインの商品販売(18.1%:複数回答)も低い値となっています。ホームページの作成状況をみますと、外部委託が35.5%と最も多く、自分たちで手作りで商店街のホームページを立ち上げているのは30.1%となっています。コンサルタントなどの協力により自分たちでホームページを作成しているという値が14.5%ありますので、これを併せますと、商店街の方が何らかの形で自ら関わっている割合は約5割(44.6%)となります。更新作業については、自分たちで更新作業を行っているが52.4%と半数以上を占めています。

 また、今回のフォーラムでは、宅配事業という観点もスポットを浴びており、それも広島県から2つも紹介されていました。一つは、冒頭でも少し紹介しました広島県熊野町のICカードを活用した電子決済による高齢者向けの宅配事業であり、もう一つは、広島市中央部商店街の24時間eショッピングサービスで、商品の受発注から配送・代金決済まですべてWEBロッカーで完結したシステムです。このWEBロッカーを活用した24時間eショッピングサービスは、国内初の取り組みであり、昨年(2000年)9月から実施運用が始まっています。
 24時間eショッピングサービスについては、後ほど詳しく紹介しますが、まず宅配サービスに関してのアンケート結果をみていきます。宅配サービス商品としては、生鮮食品(39.7%:複数回答)、酒・飲料(34.5%:複数回答)、日用雑貨(32.8%:複数回答)、米など(29.3%:複数回答)の順になっています。注文受付方法は、ファックス(39.7%:複数回答)、電話(34.5%:複数回答)、パソコンとインターネット(31.0%:複数回答)、携帯電話を使ってインターネット利用(10.3%:複数回答)の順になっています。決済方法は、ダントツで代引(現金)が半数近く(48.3%:複数回答)を占めています。次いでクレジットは、8.6%(複数回答)と低い値となっています。宅配サービスの狙いとしては、高齢者や乳幼児世帯にとっての利便性を高めたい(36.2%:複数回答)、商圏を少しでも拡大したい(32.8%:複数回答)、電子ショッピングを切り口に地域生活者の生活支援サービスを拡充していきたい(22.4%:複数回答)の順となっています。

 先ほどの24時間eショッピングサービスについて少し紹介しますと、これは広島市中央部商店街と同市南区の大型マンション「ヒューマンズプラザ青崎」の間で開始された宅配サービスです。要は、マンションの住民が、市街地の商店街まで行かなくても、自宅でオンラインショッピングで注文し、商品を届けてもらうものです。商品の購入は、自宅のパソコンやテレビに接続したホーム端末からインターネット上で商品の写真を見ながら注文でき、さらに、マンションのロビーに設置されたWEBロッカーからも注文できます。このWEBロッカーには、さまざまな大きさが用意されており、注文した商品を配送業者が大きさに合わせて入れていきます。そして、届いた商品の取り出しは、端末に会員カードを入れてパスワードを入力すれば、ロッカーが開く仕組みになっています。代金の引き落としは、口座振替、デビット、クレジットなど用意されています。24時間注文、受取りが可能で、12時までに注文すれば、当日の16時までに届くため、夕食の食材などの注文にも利用できます。

 今回のフォーラムでは、大型ショッピングセンターが郊外にどんどん進出している中、苦しい立場におかれている地元商店街ですが、情報化で武装して生き残りをかけている姿がまざまざと見られました。最後に紹介しました広島の商店街の24時間eショッピングサービスにしましても、オンラインと言えども、商店街が郊外の集合住宅(マンション)に出ていって勝負をしている姿が伺えました。ただ、商店街の中で座ってお客さんを待っているだけでなく、お客さまのいるところに出ていくという積極姿勢が見られます。
 商店街に足を運ばなくても、オンラインで買い物ができてしまうというのは、何となく味気ないですが、それを必要とされる方がいらっしゃるのも確かです。パソコンはじめ、さまざまなシステムの情報化というのは、あくまで道具であり、そのあたりをしっかり認識した上で、それをうまく活用して本来もっている商店街の“あたたかさ”を引き出す方向で新たな展開をしていって欲しいものです。人間味のある情報化をまさに期待したいものです。

追記(2004.12.10):その他の全国商店街情報化フォーラムのコラム第6回全国商店街情報化フォーラムに参加して」「第4回全国商店街情報化フォーラムに参加して」「第3回全国商店街情報化フォーラムに参加して」併せてご覧頂けましたら幸いです。

By Nagura

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