リサイクルについて考察する

記:2000.8.1

 容器包装リサイクル法が今年(2000年)4月に完全施行されてから、4カ月が過ぎようとしています。すでに先行実リサイクルイメージ施されていたガラスビンとPETボトルに続き、プラスチック容器と紙製容器が追加され完全実施の運びとなりました。収集体制や収集した廃棄物が洗浄してなく収集状態が悪いなどまだまだ足並みが揃わない面も見られますが、一歩一歩前へ歩み始めていることは確かです。

 冒頭に容器包装リサイクル法の流れを示しましたが、今、様々な業界、多くの地域、また個人レベルのフリーマーケットなど“リサイクル”という動きが活発化しつつあり、身近になりつつあるように感じます。また、インターネット上では、オークションも注目を集めており、リサイクルの場としても活用されつつあります。

 新聞など読んでおりましても、“持続可能な社会を構築”“資源循環型社会をめざして”などの見出しが踊っており、リサイクル対策の急務が叫ばれています。論点的には、「大量生産、大量消費、大量廃棄」を前提とした経済社会システムから21世紀に向けて環境と経済が調和した社会へという流れです。リサイクルという言葉以外にも、廃棄物の発生抑制を図る“リデュース”、製品・部品の再利用を促す“リユース”に加え、素材や製品の設計・製造段階から廃棄までの流れをトータル的に考える“ライフサイクルアセスメント”の確立も進んでいます。今回は、“リサイクル”という視点でみていきます。

 リサイクルショップという視点でみていきますと、自治体のリサイクルショップの人気が高まっているようです。もちろん、民間のリサイクルショップも増えてきていますが、なかなか採算があわないのが実情のようです。まずは、一人でも多くの方に、リサイクルの大切さを知ってもらうためにも、自治体が率先して取り組んでいる点は評価できると思います。リサイクルショップは、婦人服や子供服などの衣類からたんすなどの家具まで幅広く品揃えされており、なおかつ低価格というのが魅力となり人を集めています。
 北海道札幌市にあるリサイクルプラザ発寒工房では、常時60〜70点を展示し抽選販売していますが、平均で約70倍の人気があるそうです。今月(2000年8月)には、市の複合施設に展示部分を移して展示スペースを1.5倍に拡大されます。名古屋市でも、リサイクル推進センターの家具展示販売が人気です。粗大ごみで出された家具などを修理して、500円〜3,000円程度で販売しており、毎月1点ほどしか売れ残らないそうです。このような人気を博している様子をみていますと、リサイクル品でも安くて良い品なら敬遠せずに積極的に使っていこうという消費者の意識の変革も伺えます。また、着物の古着を扱うリサイクルショップも増えているようです。高いというイメージの着物が数千円でも買えるのが魅力で、手軽に着物を着たいというニーズと合っているようです。

 教育という面に目を向けますと、愛知県安城市では、中学生が市に「汚泥リサイクル」の陳情書を提出して、市議会が全会一致で採決しています。自治省行政課も「記録はないが珍しいことだと思う」というコメントをしています。この「汚泥リサイクル」は、2人の女子中学生が“汚泥って何だろう”と疑問を抱いて勉強を始めたことが発端となっています。私が参加している市民グループの安城市民会議の場でも、中学生に発表していただき実際に汚泥ブロックにも触れてきました。陳情書の内容は、大きく二つあり、一つは下水汚泥の焼却灰を利用した透水性ブロックを公共施設で使う点、もう一つは、将来市内から出る汚泥を原料にブロックを作り、市民が利用できるようにするという点です。さらに、2人の女子中学生は、「愛知万博の会場でも使えると思うので、愛知県にも陳情したい」とコメントしています。

 住まいという観点で見ていきますと、歴史の風格を感じさせる民家の古材が見直されています。古い民家を解体した際に出る梁(はり)や柱など「古材」を利用しようというものです。豪雪地帯にある農家などの古い民家は、屋根裏部分を眺めると太い梁は二重に渡されるなど丈夫な造りで、なおかつ“いろり”の煙にいぶされ風格も備わっています。古い民家の保存や移築の仲介に取り組む日本民家再生リサイクル協会では、古材の再利用あっせんにも力を入れています。また、古材を加工してインテリアを製作するところも出てきています。重機を使えば、短期間で解体できてしまいますが、後に残るのは産業廃棄物となってしまいます。その点一つ一つ手寧に解体していくことで、古材の第二の人生が開けます。さらに利点として、100年以上にわたって人々の暮らしと共に生きてきた古材は、ゆがみが少なく色合いや風格も優れ、少し手を入れれば入手困難な高級材としてよみがえります。

 今回、リサイクルという観点でみてきましたが、自治体、企業などの整備的な面の推進とともに、我々ひとりひとりの意識、生活パターンなども見直していくことが必要なのだろうと感じました。また、あらゆるものの使い道は、アイデア次第でどんどんひろがっていくことが実感できます。自分に必要でなくても、相手には必要であったりという面だけでなく、使い方を少し変えるだけで、まったく別の用途が広がったり、少し手を加えるだけで別ものに生き返ったり、頭を柔軟に工夫していく大切さも実感できます。最近、企業でも進められている知識の共有化を図る意味合いでナレッジマネジメントという言葉が聞かれますが、リサイクルにおいても、様々なリサイクル方法を個人レベルで留めておくのではなく、多くの方が共用できるようにするシステムの整備も今後、早急に進められていく必要があるように思います。知恵の共用化が進み、大勢の人が一気に取り組むことにより、大きくリサイクルの舵取りが変わっていくことと思います。

By Nagura

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