「九州ベンチャー大学」に参加してPart2

記:2000.4.1

 久しぶりに九州ベンチャー大学(福岡市にて開催)に参加して参りました。以前、九州ベンチャー大学に参加した時に、コラム「九州ベンチかねふじイメージャー大学に参加して」にて紹介しておりますので、併せてご覧いただけましたらと思います。
 前回のコラムと重複しますが、九州ベンチャー大学の概要を紹介します。九州ベンチャー大学は、100名を超える九州の地場企業経営者らが賛同して起業を目指す人たちを育て・支援するという目的で立ち上げられた実践交流会です。九州のベンチャー熱をさらにあおりたいとの思いから経営者サイドの賛同者は増え続けているようです。「東京の大企業にすべてを牛耳られてはたまらない」という博多っ子の意地もあるようです。九州ベンチャー大学の参加対象者は、独立・社内ベンチャー・新規事業志向のサラリーマン、OLなどで特に参加制限はありません。福岡を中心に九州内からの参加者が多いようです。
 授業スタイルは大きく二つに分けられ、実際に事業を立ち上げ苦労して大きく育て上げてきた経営者から学ぶ点が一つ、これから事業を立ち上げるに当たっての戦略を学ぶ点が一つです。進め方は、ただ講義を聞くというスタイルではなく、ディスカッション形式が取り入れられています。アメリカ的に言えば、MBA(経営学修士・ビジネススクール)形式であり、古来日本的に言えば、寺小屋形式といったところです。
 今回の九州ベンチャー大学の内容は、経営者から学ぶゲストとして、1坪で年商1億円の惣菜チェーンかねふじの遠藤社長が東京から招かれ、戦略面では、竹田先生よりランチェスターについての講義がありました。

 今回のコラムでは、九州ベンチャー大学に参加された方が驚いた(参考になった)かねふじの遠藤社長のお話を少し紹介いたします。
 惣菜のかねふじの遠藤社長は、テレビや雑誌などでよく取り上げられていますので、既にご存じの方もいらっしゃることと思います。

 かねふじは、東京の下町の葛飾区金町にある圧倒的な安さと早さ、ボリューム感で人気の惣菜店です。寅さんで有名な柴又帝釈天や矢切の渡しなども近くです。現在、この金町の本店含め、下町界隈に計6店展開しています。どのくらい安いかといいますと、コロッケ1個25円、特売の日はなんと1個10円になります。一番上の画像が、かねふじの店頭風景を写したものです。コロッケは左端の上にあり、25円というプライスカードが少し見えると思います。その他、照焼150円、つくね1本50円、巨大串カツ1本80円など画像からご覧いただけることと思います。
 店舗のイメージは、画像からおわかり頂けると思いますが、間口2間、売場面積1坪ながら年商1億円をあげています。近隣にはイトーヨーカドー、セブンイレブンをはじめ、惣菜専門店もひしめく中で、「コロッケならかねふじ」、「ヤキトリもかねふじ」などと、ひるむどころか大手をしのぐ勢いで連日大盛況のようです。

 社長いわくかねふじのモットーは「安くて、早く、ボリュームがあって、“まずくない”こと」とおっしゃっています。その他、話の中から社長語録を紹介しますと、「うちの惣菜は食事のメインではなく、おかずなのだという考え方を貫いています。しかも、買い上げ頻度が高い商品が中心。デパートの地下にあるような高級惣菜は一切置きません」「新商品導入の基準は、1日1万円以上売れること。買い上げ頻度が週2回以上あること。天ぷらやすき焼きは週2回は食べないから品揃えしない」「自分の店のポジションで売る価格を決めています。ヨーカドーさんで100グラム178円で売れてもうちでは100グラム100円でないと売れない。100グラム100円で売るにはどうするか。そこから発想するのです」「安く売るには早さが必要です。いかに短時間で多くの商品を製造し、早く提供できるか。早く提供するには作業分析をし、ムダな工程を削減しなければなりません」「うちの商品をつくるのは、商品の作り方だけ見れば、高校生でも3日もあれば覚えられる。大事なのは、ものの考え方」などです。

 上記の社長語録より、商品を提供するに当たって、社長の一貫した方針、ものの考え方、作業工程などがおわかりいただけたのではないかと思います。話を聞いていて、飲食業というよりも、以前私自身技術者だったということもありますが、トヨタ自動車の製造工程管理を聞いているような感じがいたしました。これからの飲食業のあり方をかいま見たようでした。惣菜のかねふじが、トヨタ自動車の“かんばん方式”ならぬ“かねふじ生産方式”で急成長を遂げていくような感じがいたします。

 かねふじの店頭には、近所の主婦ばかりでなく、子供たちが小銭を握り締めて、おやつ代わりとしてコロッケなどを買い、その場で食べている下町ならではの風景が残っています。今回、話を聞いていて、私も子供のころ(東京ではなく愛知県ですが)、小銭を握りしめて、近所の肉屋にコロッケやハムカツなど買いにいった記憶がよみがえってきました。当時、たしか1個5円か10円くらいだった記憶ですので、コロッケ10円と聞いた時は、一瞬時間が止まったような感じさえしました。
 東京の下町に行かれた際は、覗いてみられてはいかがでしょうか。かねふじで、仮に1,000円分買おうとすると、かなりのボリュームになります。ビールのつまみになるようなヤキトリなどの串ものもたくさんありますので、出張時などホテルで1杯というのも安上がりでいいかも知れません。

By Nagura

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