講演「この人にきけ!電子商店繁盛の鉄則」を聞いて

記:2000.2.3

 先日、瀬戸商工会議所(愛知県)において、オンラインショップ、ウェブマスターとして有名なインターネット上で傘屋kasaya.comイメージ(心斎橋みや竹 kasaya.com)を開業している宮武和広さんの講演を聞いて参りました。宮武さんの話を聞くのは、初めてでしたが、共著として出版された「電子商店繁盛記」や常任ライターとして執筆されているメールマガジン「オンラインショップ成功への道」を読んでおり、考え方やネットに対する姿勢などをある程度、理解していたこともあり、初めて聞くような感じがいたしませんでした。
 宮武さんのホームページ「心斎橋みや竹 kasaya.com」は、当方のFriends&Circleリンク集でも紹介してありますので、傘の購入・ギフトを考えていらっしゃる方、これからネット上で商売を始めようと考えていらっしゃる方は一度ご覧になられてはと思います。宮武さんのホームページは、実店舗と同様にお客さんの動線、2〜3クリックで注文ページまでたどり着ける点などお客さんの立場に立ってつくられています。また、傘の販売以外に、店主の人柄が感じられるページに仕上がっています。併せて、同リンク集に紹介してあります岸本英司さんの衣料販売店「イージー」、堂園秀隆さんの照明器具の専門店「てるくにでんき」などのホームページもこれからネット商売を始められる方には、非常に参考になるのではと思います。

 今回、「この人にきけ!電子商店繁盛の鉄則」というタイトルで講演されました。宮武さんは、大阪の心斎橋で100年続いた老舗の傘屋の4代目として、実際に1996年まで実店舗で営業されていました。そして、営業不振により店を閉じた後、独力でインターネットビジネスに活路(1996年10月にインターネット上でオープン)を見い出し、現在にいたっています。通販では扱いにくいと言われる傘で、月商平均で300万円以上をコンスタント(初年度の売上はなんと18万円)に売り上げているということですから驚きです。しかし、まだまだ現在の数字に満足することなく、目標月商1,000万円を目指していらっしゃるようです。
 インターネット人口の急増、携帯電話、ゲーム、テレビなどからのインターネットに入る端末の広がりなどから考えますと、「心斎橋みや竹 kasaya.com」の月商が1,000万円を超えるのは案外早いかも知れません。今年の年賀状をみていましても、メールアドレス(個人アドレス)、ホームページのURLなどが書かれている年賀状が急激に増えたような感じがいたします。
 私自身、インターネットを始めたのが、1996年正月で、その頃は、メールのやりとりをする友人を探すのも大変だった記憶が残っています。また、初めてきれいな画像付きの世界中の様々なホームページ(その頃日本語のホームページがまだまだ少なかった)をみた時は、本当に感動しました。今や、日本国内においても、政府、民間、個人がさまざまなホームページを開いており、経った4年ほどでここまで日常的に使えるようなレベルになったことには、ホームページを初めてみた感動とは違った感慨深さがあります。そして、ホームページ「ホッと空間 Nagura's Home」を1997年11月(レポート・コラムは半年以上前から書きためて)に立ち上げ、幅広い年齢層の方からメールを頂くようになったことからも、インターネットユーザーの広がりを感じます。

 話が少し脱線してしまいましたが、本題の講演を聞いてに戻します。講演を聞いて、まず印象に残ったのが、宮武さんは根っからの商売人というか“なにわの商人(あきんど)”という感じをより強く持ちました。インターネットにかける情熱が話の節々から伝わってきました。会場には、70人ほど参加されていましたが、インターネットで簡単に儲けれると思っていた方にとっては、さぞかし認識を変えられたことと思います。実店舗による商売も、インターネット上による商売も個々の手法は多少違うにしても、商売の真髄は同じということが今回の講演を聞いて、ひしひしと感じられました。
 また、少し話が脱線しますが、今コラムを書いていて、ふと先日まで日経新聞に連載されていたダイエー・中内功氏の「私の履歴書」に出てきたある場面が思い浮かびました。それは、阪神大震災の時、一早く店を再開した際、現地での記者会見で「ダイエーは商品を無料で配らないのか」という質問を受けた時、「商人が無料で商品を配ることなど、できるはずがない。生活必需品を適正価格で安定供給し続けることが“私の使命だ”」と言った点です。現在、ダイエーは再建に苦しんでおりますが、スーパー業界がここまで大きく成長した背景には、この中内氏の“使命感”があってからこそとも言えます。宮武さんの講演を聞いていて、中内氏と同様に宮武さんのインターネットにかける“使命感”みたいなものが感じられました。世の中をリードし、既成概念を崩し急成長をもたらすには、“使命感”を持った人の存在がかかせないような感じがいたします。

 講演の中から宮武さん語録を少し紹介します。「ウェブショップは、メールにはじまりメールに終わる」「よい商人は、eメールでいいメール」「2割のホームページ、8割のメール」「一商店主である前に一顧客であれ!」「ネットワークが命、決して独りでは成功しない。手を結び合い仲間をつくりノウハウを共有せよ!」「eビジネスは人間力」「ビジネスチャンスは一通のメールから」「デジタルのむこうは、アナログ」などで、メールの大切さを強調されており、実店舗の対面販売と変わらない対話・対応がインターネット上においても求められているようすが伺えます。また、ノウハウを出し惜しみしない、オープンなネットワークの大切さも伺えます。

 最後にネット上の動きを記載します。最近、頻繁に目にするのが、IT(情報技術)という言葉ではないでしょうか。IT元年、IT投資が企業にとって生き残りに不可欠、eビジネス実践の年などという言葉をよく目にし、聞きます。インターネットや電子商取引、デジタル通信など日々、新しい話題・取り組みが取り上げられています。
 政府においても、許認可などすべての手続きをパソコンのインターネット上で済ませる「電子政府」への移行を今春(2000年春)から本格的に実施する運びとなっています。通産省、運輸省の2省は、2003年度までにすべての手続きを電子化する予定です。しかし、各省庁のホームページへの不正侵入被害が相次ぎ、安全性・セキュリティの確保が問題として挙がってきています。ビジネス面では、インターネットを通じて部品や原材料を調達する取引が電機業界などで広がりつつあります。また、金融面では、インターネットを通じて預金や送金など口座管理を手がけるネットバンキングが徐々に進みつつありますが、アメリカでは、一足早く急速に普及し始め、世帯普及率が新サービスや商品の定着の目安となる5%を突破しています。

 今回、宮武さんの講演を聞いて、よりインターネットの広がり、可能性なるものが感じられました。現在、携帯電話からインターネット、ゲーム機からインターネットが一般的になりつつありますが、数年後には、デジタルテレビが一般的になってくれば、テレビとインターネットとの融合性が高まり、再び浮上してくることも予想されます。いろいろ思い描きますと、世の中どんどん便利になっていきますが、忘れてはいけないのは、アナログ的な“ふれあい”の視点であり、デジタルとのバランスが大切なのでしょう。

By Nagura

リターンイメージリターンイメージリターンイメージリターンイメージリターンイメージ