“まちづくり交流フォーラム/岐阜”に参加して

記:1999.10.11

 視察レポート郡上八幡の項でも少し述べましたが、今年のまちづくり交流フォーラムは、1999年10月3日から12月5日ままちづくりフォーラムで、岐阜県内の各地域でさまざまな分科会に分かれて行われます。ちなみに昨年は、愛知県が開催地で、名古屋市の公会堂で一日かけて行われました。その時の模様はコラム“まちづくり交流フォーラム”に参加してで紹介してありますので、よろしかったらご覧下さいませ。

 今年のまちづくり交流フォーラムのオープニングは、1999年10月3日に岐阜県郡上郡大和町(人口:約7.5千人)にある古今伝授の里フィールドミュージアム地内の明建神社の境内で行われました。上の画像は、まだ始まる前の状態を写したものですが、始まった時には用意した100余の席はほぼ一杯になりました。周りは木々で覆われており、少し肌寒かったですが、森林浴という感じのロケーションがなかなか良かったです。肝心の内容の方ですが、「まちづくりにおける地域資源の評価と活用」というテーマで、イギリスで鉄道や自動車の発達によって使われなくなっていた運河を人々の憩いの場、観光の場として再開発された英国環境省のデレク・ゴウリング氏の記念スピーチの後、古今伝授の里フィールドミュージアム学芸係長の金子氏、愛知県足助町長の矢澤氏、奈良まちづくりセンターの前理事長の木原氏を交え、パネルディスカッションが行われました。

 イギリスの延々と続く網の目のような運河は、以前にNHKのBS放送で英国の運河を1日〜2日間の長時間に渡って放映されていたことがあり、記憶に残っていらっしゃる方もいると思います。カラフルな舟、豊かな自然、かなり高いところを通る運河、水位が違う運河へ移る堰のようなところなど記憶に残っています。デレク・ゴウリングさんの話を聞いていて、一番印象に残ったのは、取り壊しが検討されていた運河そのものは、国有地であるけれども、そこに住んでいる住民たちが、景色なり景観を自分たちの生活空間として主張して残す運動をしてきたことです。もちろん、運河を残していく過程では、行政サイドの前向きな姿勢もあり、現在のイギリスの運河はコミュニティーの場に生まれ変わっています。名古屋において、市内を流れる堀(堀川)を昔のような川遊びができるきれいな川にしようと運動が、住民サイドから盛り上がっています。このような動きは、日本各地においても見られ、自分の生活空間に関心を持ち、良くしていこうという動きは素晴しいと思います。実は、デレク・ゴウリングさんは、ここに来る前に、名古屋の堀川の運動に関するシンポジウムにも呼ばれていたそうです。

 また、足助の町長さんは、町の資源はお年寄りだと断言しました。実際に私は足助町に行ったことがありますが、足助ハムづくりの「ZiZi工房」とパン工房の「バーバラはうす」などでじいちゃん、ばあちゃんが元気に働いていたのが印象に残っています。詳細は、視察レポート「高齢者が元気な町“足助”を訪ねて」をご覧下さいませ。
 奈良市の古い町並み保存で活動している奈良町のまちづくりの木原さんは、まちづくりにおける各団体における混沌とした状態を維持しながら、行政と協働関係を保ってきたことが実績へとつながったとおっしゃっていました。また、まちづくりは、10年で芽が出て、15年で花が咲くというくらいのスパンで考えることも必要とおっしゃっていました。奈良へは、ちょうどこの日の4日後に行く予定になっており、奈良町の古い町並みを見てきました。
 古今伝授の里フィールドミュージアム学芸係長の金子さんからは、このミュージアムを作り上げていく過程で、電柱があるのは風情が損なわれてふさわしくないという話が持ち上がり、電線の地中化が図られたというエピソードも聞かれました。都心部における電線の地中化はよく見られますが、周りが山々に囲まれた自然の中では、まれであり、画期的と言えます。

 古今伝授に関しては、少し視察レポート郡上八幡の項で述べましたが、補足説明します。鎌倉時代から室町時代にかけ約300年にわたってこの地を治めた東(とう)氏は、代々にわたり歌道に優れており、その中でも東常縁(とうつねより)は高名な歌人であるとともに、傑出した歌学者で「古今集」研究の第一人者でした。その東常縁が、連歌師・宗祇にその奥義を伝授したことでよく知られており、「古今伝授」の祖と言われています。そして、その古今伝授された場所がここ大和町と行われたと言われています。(京都で行われたという説もあります)古今伝授の里フィールドミュージアムには、和歌文学館、東氏記念館、短歌図書館の大和文庫、東氏館跡庭園などがあります。

 午後からは、二つの分科会に分かれ、行われました。私は「地域の歴史・文化・環境を活かすまちづくり」に参加しました。その中では、名古屋市の古い町並みを残す「白壁アカデミア」の活動、三重県桑名市の桑名城の堀を復活する活動、愛知県半田市の古い赤レンガの建物を保存する運動などの話が聞けました。

 このまちづくり交流フォーラムは、来年の三重県の開催で、当初の計画では、終了という形になるようですが、市民サイド、NPOなどの各種団体はじめ、自治体も加え盛り上がってきているだけに、この延長線上で新たな取り組みを立ち上げていって欲しいものです。

By Nagura

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