防災の日をまもなく迎えるにあたって

記:1999.8.24

 まもなく9月1日の“防災の日”を迎えます。学校、町内、職場などにおいて、防災訓練に参加される方も多い防災の日イメージことと思います。9月1日という日は、今から76年前に死者14万人余を出した関東大震災が起こった日でもあります。

 阪神大震災(1995年1月17日)が起こってから早4年半以上が経とうとしていますが、先日(1999年8月17日)のトルコの大地震の被害・救助活動の模様を連日、テレビ、新聞などで伝えているのをみて、阪神大震災の惨事がよみがえってきた方も多いのではないでしょうか。“喉元過ぎれば熱さ忘れる”ではないですが、我々日本人は往々にして良い意味につけ、悪い意味につけ過去に起こったことを忘れがちです。9月1日の防災の日を迎えるにあたって、身の回りで出来ることから今一度見つめ直してみてはいかがでしょうか。また、既に万全な対策をなされている方も、備蓄食用、水の賞味期限などのチェックをされてみてはいかがでしょうか。

 トルコ西部で発生した大地震(マグニチュード7.4)では、13,000余人(8/24時点で)の死者を出しています。各国から救援隊が現地に乗り込み、日本からも国際緊急援助隊救助チームの第一陣が地震翌日には現地に入っています。迅速な対応がなされていると思います。今回のトルコ大地震が大惨事になった背景には、急激な都市化による違法建築などを含む乱開発による天災ばかりとは言えない人災もあるようですが、本当に一瞬にして今まで築いてきた生活を崩してしまいます。恐ろしい限りです。
 今回のトルコ大地震は、東西約1,000キロにわたってトルコを横断する北アナトリア断層によって引き起こされています。この北アナトリア断層では、過去7回地震が発生しており、今回地震が発生した西部は「地震の空白域」として世界の地震学者たちから今度動くのはこの部分と言われていたところです。時間軸として現在の地震予知では、正確に起こる時間を確定できませんが、次に動くのはここと言われていただけに、この空白域における耐震対策など力を入れていればと残念です。現実に起こったしまったことに、「たられば」を言っても何の解決にもなりませんが、トルコと同様に、いくつもの活断層が走っているわが国は、ひとごとではありません。世界の地震発生数の1割を占める地震国日本に住んでいる我々は、常に備えは必要です。

 先月(7月)、大阪で行われました“災害対応研究会”に参加してきました。この災害対応研究会は、土木学会関西支部「阪神淡路大震災調査研究会委員会」の「緊急対応分科会」を継承して発足したものです。7月の研究会の中で、阪神大震災の被災者へのヒアリング調査の報告がされました。被災者の方々から発する言葉というのは、本当に重みと大地震があったんだという現実性がひしひしと伝わってきました。往々に、被災者の方の体験は、すぐに風化してしまいがちで、また、第三者の手を介入したマスコミの記事、映像の体験談などは、一部分が誇張されたり限りなくフィクションに近いものになってしまう場合も多々あります。
 阪神大震災に関して、今さまざまな角度から検証が行われていますが、被災者の方からの情報発信というものが究めて重要だと感じた次第です。被災者の方にとっては、本当に辛い体験だったと思いますが、震災を知らない人に震災から得た知識を伝えていく重要な役割があると思います。「起こったことから得た教訓を次の災害に生かす」という姿勢は、防災への出発点とも言えます。

 地震への備えとともに、まもなく台風の季節を迎えます。風水害に関する備えも必要となってきます。昭和34年(1959年)9月26日夜半に東海地方を襲った「伊勢湾台風」は、死者4,697人、行方不明者401人、負傷者38,921人、被災世帯517,501世帯という大災害を引き起こしました。伊勢湾台風は、阪神大震災が起きる前までは、戦後最大の犠牲を出した災害でした。台風の場合は、地震と違って事前に来るのがわかっているとは言っても、これだけ大きな被害を出しています。台風が発生した際は、気象情報などを的確にキャッチして、早め早めの避難及び対応が必要です。一瞬の判断の誤りが、命取りになります。

 “自分の身は自分で守る”ということを常に念頭において、隣近所と協力するとともに、警察、消防、救助・救援機関などと連携を図っていくことが必要です。

 地震についての必要最低限の備え(知識)については、「地震一口メモ」に載せてありますので、一度ご覧いただきたく思います。また、地震防災に関するコラムは、検索コーナー・テーマ別から見ることができますので、併せてご覧下さいませ。

By Nagura

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